「やっと入国できると喜んだのに」技能実習生ストップ、農業や介護の現場から悲鳴

農業や介護といった、外国人技能実習生らに支えられている国内の現場から悲鳴が上がっている。コロナ禍により、今年に入って新規入国できた技能実習生らはごくわずかな上に、新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」に対する水際対策として、外国人の新規入国が停止されたことで、人手不足は深刻さを増している。入国制限は年末までとされているが、オミクロン株の感染拡大は世界的に続いており、先行きは見通せない。

「1年近く待って、やっと入国できると喜んでいたのに……。ガッカリです」。茨城県鉾田市で水菜やほうれん草などを栽培する小林浩治さん(57)は肩を落とす。
コロナ禍により、政府は今年1月以降、全世界から、外国人の新規入国を制限。11月8日にいったん緩和したものの、オミクロン株の出現もあって同月末には再び、全世界からの外国人の新規入国を停止した。このため、技能実習生や、農業など特定職種で認められる「特定技能」の在留資格を持つ外国人も来日できなくなった。
小林さんの農園では例年、野菜の収穫作業をインドネシアやベトナムから来た10人ほどの技能実習生らに担ってもらっている。今年も新たに3人を受け入れる予定だったが、コロナ禍で来日できなかった。年明けには現在働いている別の2人も帰国などでいなくなり、人手が半減してしまう。
小林さんは「実習生たちは意欲が高く、体力があって覚えも早い。『頼みの綱』である彼らが減っていくと、出荷作業が滞ってしまう」と嘆く。
切迫した状況は農業に限ったことではない。技能実習生は現在、建設、繊維なども含め85職種が対象で、特定技能も介護など対象は14分野に上る。
さいたま市の特別養護老人ホーム「しらさぎ」でも、特定技能で受け入れ予定だったモンゴル人女性が来日できなかった。新井浩二・統括事務長は「介護全般を頼っていた。先が見えない」と落胆する。