ニュースの核心 “外交不安”岸田政権、やっと北京五輪「外交的ボイコット」表明 米に疑心暗鬼抱かせた責任重大 世界の大激動を招きかねない

岸田文雄政権は24日にも、来年2月の北京冬季五輪に政府関係者の派遣を見送る方針を表明する。同盟国・米国のジョー・バイデン大統領は今月6日、中国当局による新疆ウイグル自治区での人権弾圧を受け、政府代表を派遣しない「外交的ボイコット」を表明した。直後に英国やオーストラリアなどが同調するなか、岸田首相は「適切な時期に」「国益に照らして…」と繰り返し、決断を先延ばししてきた。こうした対応が「米国中心の自由主義陣営の結束を傷つけ、中国共産党を助けた」との指摘もある。米国が疑う、岸田政権の「米中二股外交」。ジャーナリストの長谷川幸洋氏は、岸田首相の優柔不断さが、「中国の台湾侵攻」など、世界の大激動を招きかねないと喝破した。 ◇ 岸田政権は「不安と波乱に満ちた2022年」を迎えるだろう。予兆はある。首相に就任してから2カ月半を過ぎても、対面による日米首脳会談がセットされないのだ。まったく異例である。 岸田首相は臨時国会閉幕後の記者会見(21日)で「(ジョー・バイデン米大統領が)国内政治で忙しい」とか、「新型コロナウイルスのオミクロン株が深刻な状況だから」などと語った。だが、真の理由は「岸田政権に対する米国の不信感」にある、と私はみる。 来年2月に迫った北京冬季五輪について、米国や英国、オーストラリアなど、機密情報を共有するいわゆるスパイ同盟「ファイブ・アイズ」の5カ国は「外交的ボイコット」を表明したが、日本は表明していない。 英国で開かれたG7(先進7カ国)外相会合や先の会見など、機会は何度もあったのに、どれも見送った。岸田首相は広島県日中友好協会会長、林芳正外相は外相就任まで日中友好議員連盟会長を務めるなど、そもそも「岸田政権は親中」とみられている。 加えて、この優柔不断さでは、米国が「岸田政権は『米中二股外交』を狙っている」と見たとしても、おかしくない。米国は日本の「外交的ボイコット」は当然として、岸田首相が「中国の人権弾圧について何を語るか」を見極めて、首脳会談の扱いを決める腹なのだ。 いうまでもなく、日本の平和と安定、繁栄の礎は日米同盟だ。中国は「日米同盟が揺らいだ」と見れば、必ずスキを突いてくる。結果として、中国に誤解を与え、台湾への軍事侵攻を誘発しかねない。沖縄県・尖閣諸島に対する威嚇も高めてしまう。 本来なら、台湾海峡の緊張が高まっているいまこそ、「確固たる日米同盟」を示さなければならない局面だ。それなのに、逆に米国の疑心暗鬼を招くような岸田政権の姿勢は、もはや「国益に反する」と言っていい。
岸田文雄政権は24日にも、来年2月の北京冬季五輪に政府関係者の派遣を見送る方針を表明する。同盟国・米国のジョー・バイデン大統領は今月6日、中国当局による新疆ウイグル自治区での人権弾圧を受け、政府代表を派遣しない「外交的ボイコット」を表明した。直後に英国やオーストラリアなどが同調するなか、岸田首相は「適切な時期に」「国益に照らして…」と繰り返し、決断を先延ばししてきた。こうした対応が「米国中心の自由主義陣営の結束を傷つけ、中国共産党を助けた」との指摘もある。米国が疑う、岸田政権の「米中二股外交」。ジャーナリストの長谷川幸洋氏は、岸田首相の優柔不断さが、「中国の台湾侵攻」など、世界の大激動を招きかねないと喝破した。

岸田政権は「不安と波乱に満ちた2022年」を迎えるだろう。予兆はある。首相に就任してから2カ月半を過ぎても、対面による日米首脳会談がセットされないのだ。まったく異例である。
岸田首相は臨時国会閉幕後の記者会見(21日)で「(ジョー・バイデン米大統領が)国内政治で忙しい」とか、「新型コロナウイルスのオミクロン株が深刻な状況だから」などと語った。だが、真の理由は「岸田政権に対する米国の不信感」にある、と私はみる。
来年2月に迫った北京冬季五輪について、米国や英国、オーストラリアなど、機密情報を共有するいわゆるスパイ同盟「ファイブ・アイズ」の5カ国は「外交的ボイコット」を表明したが、日本は表明していない。
英国で開かれたG7(先進7カ国)外相会合や先の会見など、機会は何度もあったのに、どれも見送った。岸田首相は広島県日中友好協会会長、林芳正外相は外相就任まで日中友好議員連盟会長を務めるなど、そもそも「岸田政権は親中」とみられている。
加えて、この優柔不断さでは、米国が「岸田政権は『米中二股外交』を狙っている」と見たとしても、おかしくない。米国は日本の「外交的ボイコット」は当然として、岸田首相が「中国の人権弾圧について何を語るか」を見極めて、首脳会談の扱いを決める腹なのだ。
いうまでもなく、日本の平和と安定、繁栄の礎は日米同盟だ。中国は「日米同盟が揺らいだ」と見れば、必ずスキを突いてくる。結果として、中国に誤解を与え、台湾への軍事侵攻を誘発しかねない。沖縄県・尖閣諸島に対する威嚇も高めてしまう。
本来なら、台湾海峡の緊張が高まっているいまこそ、「確固たる日米同盟」を示さなければならない局面だ。それなのに、逆に米国の疑心暗鬼を招くような岸田政権の姿勢は、もはや「国益に反する」と言っていい。