東京都の小池百合子知事は24日、直近に海外渡航歴のない都内の50代の男性医師について、新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染が確認されたと発表した。感染経路は分かっておらず、都は市中感染とみている。東日本でオミクロン株の市中感染が確認されたのは初めて。
都は市中感染について「今は面的な広がりはまだない」とする一方、帰省や旅行など年末年始の移動を見据え、来年1月末まで、感染不安がある都民を対象に無料でPCR検査を実施すると発表した。25日から都内12カ所のPCR検査場で始め、週明けからは薬局なども加えた計約180カ所で、1日最大約3万件実施できる体制を整える。
都によると、市中感染とみられる男性医師は都内のクリニックに勤務し、16日に勤務を終えて帰宅した後に37度台の発熱があった。17日に抗原検査を受けて新型コロナ陽性が判明して入院し、24日にウイルスのゲノム(全遺伝情報)解析でオミクロン株への感染が確認された。23日時点で熱は下がり、無症状という。
濃厚接触者は同居家族2人とクリニック職員3人の計5人。いずれも検査は陰性で、自宅待機している。男性医師は診察中にフェースガードとマスクを着用するなど感染防護に努めており、都は受診患者らは濃厚接触者にはあたらないとみているが、他の職員と、受診患者ら計約100人に個別に連絡を取り、検査を促す。
都内では24日、他に米国やアフリカ西部から帰国した男性3人のオミクロン株感染が確認された。都内で確認された感染者は計10人となった。
小池知事は24日の定例記者会見で「早期の診療と隔離が重要だ。ちょっとおかしいなと思ったら積極的な受診をお願いしたい」と呼びかけた。一方で、飲食店などへの時短営業要請については「認証店で1グループ8人までというお願いをしている。引き続き基本をお守りいただきたい」と述べるにとどめ、新たな法律上の要請には慎重な見方を示した。
市中感染とみられるオミクロン株の感染者は、22日に大阪府の一家3人で国内で初めて確認された。【黒川晋史、竹内麻子】