法務省は24日、詐欺の実態を特集した2021年版の犯罪白書を公表した。息子や孫などになりすます「オレオレ詐欺」をはじめとする特殊詐欺の20年の検挙件数は7424件で、記録が残る04年以降で最多となった一方、検挙者の7割が30歳未満で、若年層が組織犯罪の手足として使われている実態も浮かんだ。
白書によると、20年の特殊詐欺の認知件数は1万3550件(前年比19・6%減)。このうちオレオレ詐欺が6407件で最多だった。検挙件数は前年比8・9%増。検挙者数は2621人だった。警察の「だまされたふり作戦」や、金融機関など民間を交えた啓発活動、携帯電話や預貯金口座の不正利用防止対策などが効果を上げているとみられる。
検挙者のうち暴力団関係者の割合は低下傾向にあるものの、20年も15・3%を占めた。検挙者の年齢別では、72・1%が30歳未満だった。
実態を詳しく調べるため、法務省は、16年1~3月に地裁で詐欺による有罪判決を受け、確定した事件の記録を分析した。
特殊詐欺は役割分担をして組織的に実行されることが多い。役割別に分類したところ、「指示役」「犯行準備役」はいずれも5割近くが暴力団関係者だった。一方で、電話をかける「かけ子」の58・2%、現金を受け取る「受け子」と現金自動受払機(ATM)から預金を引き出す「出し子」の61・5%が30歳未満だった。動機は、どの役割でも「金ほしさ」の割合が高かったが、受け子と出し子は56・1%が報酬を受け取れないまま検挙されていた。
また、20年の刑法犯の認知件数は18年連続減の61万4231件(前年比17・9%減)で、戦後最少を更新。窃盗の減少の割合が大きく、新型コロナウイルスの感染拡大で人の流れが減少した影響もあるとみられる。
法務省は再犯防止推進白書も公表した。政府は12年に策定した「再犯防止に向けた総合対策」で、21年までに出所後2年以内の刑務所再入所率を16%以下にすると掲げていたが、19年は15・7%となり、目標を達成した。【山本将克】