大阪・北新地の雑居ビルに入るクリニックで起きた放火殺人事件で、事件前日の夜、院内の防犯カメラに不審者が映っていないことが捜査関係者への取材でわかった。ビルの警備システムもここ1か月間で異常はなかった。使えなくされた消火栓は死角の位置にあり、大阪府警は、患者だった谷本盛雄容疑者(61)が診察時間帯に、計画的に細工したとみている。
捜査関係者によると、防犯カメラは24時間録画方式で、受付付近の天井に設置されていた。
事件が起きたのは17日午前10時15分頃。府警が映像を解析したところ、16日の診療が終わる午後10時以降、不審者が出入りする様子はなかった。クリニックが入るビルの警備システムも、少なくとも11月中旬以降、異常発生の記録はなかった。
この防犯カメラには谷本容疑者が火を付けた後、院内にいた患者ら26人を、出入り口がない奥の部屋へ追い込む様子が映っていた。部屋につながる廊下に消火栓はあるが、カメラの死角だった。
消火栓の中には消火に使うホースなどが入っていたが、扉が開かないよう隙間を白色の補修材で埋められていた。
谷本容疑者は数年前から定期的に通院しており、院内の構造をよく知っていた。府警は、診察時間帯に細工し、大量殺人を実行しようとしたとみている。