展覧会でつきまとい、筆を折る作家も…ギャラリーストーカー被害、画廊が対策乗り出す

ギャラリーで展覧会を開いている作家を食事に誘ったり、つきまとったりする「ギャラリーストーカー」が近年、問題となっている。しかし、ストーキングやハラスメントを受けてもフリーランスという立場のために、泣き寝入りする作家も少なくない。 そうした中、作家をギャラリーストーカーから守るための取り組みを始めた画廊がある。 2020年10月、千葉市にオープンした企画画廊「くじらのほね」だ。オープンに先立ち、「作家さんにプライベートなお誘いをする」「作家さんに執拗に連絡先を尋ねる」などの迷惑行為を禁止することをツイッターで公表した。 「作家さんを守ることは画廊の責任です」と話すのは、「くじらのほね」オーナー、飯田未来子さん。こうした対策に至った経緯を聞いた。(弁護士ドットコムニュース編集部・猪谷千香) ●「在廊するのが怖い」という作家の声 飯田さんが「くじらのほね」をオープンしたのは、2020年10月。その準備中、作家たちと話をしているうちに、気になったことがあったという。 「何人かの作家さんから、画廊にいる(在廊)ときがすごく不安だという声があったんです。私はもともと美術業界にいたわけではないので、最初はピンと来てなかったのですが…」 飯田さんが詳しく聞くと、作家たちはさまざまな被害にあっていることがわかった。 「作品を買ったんだから、食事に付き合え」とつきまとわれたり、批評といって暴言を吐かれたり。画廊の外でも、SNSで大量のメッセージを送られる。いわゆる、「ギャラリーストーカー」と呼ばれる被害だ。 「過去に嫌な思いをした作家さんに話を聞いていくと、共通するのがギャラリー側が何もしてくれなかったということでした。貸し画廊の場合は、どうしても作家さんが主催者になってしまうので、オーナーが不在のこともあります。 ただ、企画画廊のケースでも、ギャラリーのオーナーがそのお客さんを許していたら、作家さんが追い出すことはできません。悪質なケースだと、作品を売るためにお客さんと食事してこいというギャラリーもあったようです」 飯田さんは美術業界に入る前には小売業界で働き、店長をつとめた経験もあった。 「お店でも、お客さんがスタッフに絡んでくるケースはありました。そのときに盾になるのは、商業施設の警備員ですし、対策を立てるのは、店舗の店長や会社の責任者というのが当たり前でした。 そういう感覚があったので、うちの画廊では作家さんにこちらがお願いして、企画展を開いていただいている立場なので、画廊側に作家さんを守る責務があるんじゃないかなと思ったんです」 ●「画廊内での禁止事項」を公表
ギャラリーで展覧会を開いている作家を食事に誘ったり、つきまとったりする「ギャラリーストーカー」が近年、問題となっている。しかし、ストーキングやハラスメントを受けてもフリーランスという立場のために、泣き寝入りする作家も少なくない。
そうした中、作家をギャラリーストーカーから守るための取り組みを始めた画廊がある。
2020年10月、千葉市にオープンした企画画廊「くじらのほね」だ。オープンに先立ち、「作家さんにプライベートなお誘いをする」「作家さんに執拗に連絡先を尋ねる」などの迷惑行為を禁止することをツイッターで公表した。
「作家さんを守ることは画廊の責任です」と話すのは、「くじらのほね」オーナー、飯田未来子さん。こうした対策に至った経緯を聞いた。(弁護士ドットコムニュース編集部・猪谷千香)
飯田さんが「くじらのほね」をオープンしたのは、2020年10月。その準備中、作家たちと話をしているうちに、気になったことがあったという。
「何人かの作家さんから、画廊にいる(在廊)ときがすごく不安だという声があったんです。私はもともと美術業界にいたわけではないので、最初はピンと来てなかったのですが…」
飯田さんが詳しく聞くと、作家たちはさまざまな被害にあっていることがわかった。
「作品を買ったんだから、食事に付き合え」とつきまとわれたり、批評といって暴言を吐かれたり。画廊の外でも、SNSで大量のメッセージを送られる。いわゆる、「ギャラリーストーカー」と呼ばれる被害だ。
「過去に嫌な思いをした作家さんに話を聞いていくと、共通するのがギャラリー側が何もしてくれなかったということでした。貸し画廊の場合は、どうしても作家さんが主催者になってしまうので、オーナーが不在のこともあります。
ただ、企画画廊のケースでも、ギャラリーのオーナーがそのお客さんを許していたら、作家さんが追い出すことはできません。悪質なケースだと、作品を売るためにお客さんと食事してこいというギャラリーもあったようです」
飯田さんは美術業界に入る前には小売業界で働き、店長をつとめた経験もあった。
「お店でも、お客さんがスタッフに絡んでくるケースはありました。そのときに盾になるのは、商業施設の警備員ですし、対策を立てるのは、店舗の店長や会社の責任者というのが当たり前でした。
そういう感覚があったので、うちの画廊では作家さんにこちらがお願いして、企画展を開いていただいている立場なので、画廊側に作家さんを守る責務があるんじゃないかなと思ったんです」