石川県七尾市中島町崎山で1日朝、福井憲三さん(73)方や隣家など5棟を全焼した火災は、3人の遺体が見つかる惨事となった。厳しい寒さの中、隣家の住民も焼け出され、新年のスタートとなる元日が暗転した。現場付近の住民からは「大変な正月になってしまった」と悲しむ声が漏れた。
七尾署は、亡くなったのは連絡が取れていない福井さんと妻祐子さん(65)、長男貴志さん(40)とみて確認を急いでいる。福井さんの長女(43)は軽度の一酸化炭素中毒で、孫(12)は中度のやけどで病院に搬送されたが、いずれも命に別条はないという。
福井さん方の隣に住む男性(73)の家も全焼した。出火当時、男性と妻(67)は、それぞれ1階の寝室と居間にいた。男性はバチバチという音でカーテンを開けると、窓の外が真っ赤だった。妻も火事に気づき、「外出て!」と叫んだ。寝ている家族を起こし、近くの納屋に避難して、家族8人は全員無事だった。妻は「家はあっという間に燃えた。寝ていたら死んでしまったと思う」と声を震わせた。
福井さん方のはす向かいに住む男性(91)は、ドーンという音がして家の外を見たら、福井さん方2階に炎が上がるのが見えた。自宅は延焼を免れたが、近くの集会所に一時避難し、「とんでもない正月になった」と話していた。
付近の住民によると、福井さんの長女と孫は、はだしのまま逃げ出し、73歳男性方の納屋に逃げ込んで助かったという。
七尾署は2日、消防と合同で実況見分を行い、出火原因を調べた。福井さん方1階中央付近の燃え方が激しいという。