バブル後に破綻、鬼怒川温泉の「廃ホテル」…老朽化で危険・景観損ねる・不法侵入や不法投棄も

栃木県日光市は、鬼怒川温泉地区で廃業後も放置されているホテル3棟について、建屋の本格的な現況調査に着手した。「廃ホテル」の解体は、所有者に連絡がつかなかったり、多額の費用がかかったりして全国的に進んでいないが、老朽化で安全対策が求められている。市総合政策課は「建屋内部の危険箇所を調べるだけでなく、不法侵入など治安上の対策を検討したい」としている。
市の調べによると、市内で放置されている大規模な建屋はホテル、旅館など16施設に上る。鬼怒川温泉地区では、鉄筋コンクリート造りの廃ホテル3棟(10階建て1棟、8階建て2棟)が、国道沿いの傾斜地に残る。それぞれバブル崩壊後の1999~2008年に経営破綻し、廃業したという。
廃ホテルは老朽化した建物が温泉街の景観を損ねる上に、ゴミの不法投棄も相次ぐ。一方、所有者が見つからない例や権利関係が複雑な例も多く、「億単位」とされる解体費の負担も見込めないのが現状だ。
市は、国の交付金を活用した廃ホテル撤去を検討したが、傾斜地という立地条件もあり、跡地利用のめどが立たず断念した。市の担当者は「早期の解体・撤去は困難だが、このままの状態が続けば地域の安全に悪影響を及ぼしかねない」と話す。
現況調査は空家対策特別措置法(空き家法)に基づき、今年度から3年間継続する。県警、宇都宮大と連携して今後の安全対策を探り、緊急性のある場合は応急措置を検討するという。