自民の発信力は「公明・共産に劣る」…広報の改革急ぐ河野氏、次期総裁選も見据えた戦略

自民党の河野太郎広報本部長が、党の広報戦略の改革を急ピッチで進めている。自身の知名度や経験を生かして党の売り込みを図るとともに、次期総裁選を見据えて全国に足場を広げるという

二兎
(にと)を追う戦略だ。

「自民党の発信力は公明党や共産党に劣る」。そう公言する河野氏は、特に地方からの発信強化を重視し、オンライン会議を開いたり、実際に足を運んだりして、地方議員らにSNSの活用方法などを伝授している。
7日は富山市で富山県連幹部らと広報を巡って意見交換した。昨年も沖縄や佐賀、滋賀県などを相次ぎ訪れており、夏の参院選を見据えて今後も精力的に地方行脚する予定だ。
240万人超のフォロワーを誇る自身のツイッターへの書き込みも精力的に続けている。その発信力の高さは野党も認めるところで、国民民主党の玉木代表は7日、堀内ワクチン相と前任の河野氏を比べた上で「比較するのは酷だが、もっと頻度高く情報発信してもらいたい」と自身のツイッターに投稿した。
河野氏は昨年9月の党総裁選で岸田首相に敗れ、広報本部長に就いた。政調会長に就いた高市早苗氏、少子化相の野田聖子氏に比べて「冷や飯」(中堅議員)と見る向きもあるが、河野氏周辺は「次に向けて最も活用しやすいポストだ」と意気軒高だ。
党総裁選では、陣営の当初予想を下回って党員票が半数に届かなかった。広報改革を通じた地方行脚には、各地で顔を売り、足がかりをつくる狙いもある。

もっとも、党員票と同数の国会議員票への対策は道半ばだ。河野氏は自身に近い議員を広報本部の役員に多く登用したが、党内では「お友達人事」と冷ややかに見られている。
党内6派閥のうち4派閥は首相を支持し、河野氏が所属する麻生派も岸田内閣の屋台骨を支える。無派閥議員を中心に「気持ちは変わっていない」(菅前首相)として引き続き河野氏を推す勢力もあるが、麻生派関係者は「議員同士の付き合いが薄いという弱点を改善しないと支持は広がらない」と指摘する。