050電話悪用 詐欺被害防ぐ仕組みが必要だ

「050」の番号で始まる電話を使って金を振り込ませる詐欺事件が増えている。この電話番号が犯罪の温床にならないよう、対策に取り組むことが重要だ。
「050」はインターネット回線を使って通話するIP電話の番号で、安い料金や手続きの簡便さから急速に普及し、現在、約900万の番号が使われている。
050番号を悪用した詐欺事件は数年前から目立ち始め、昨年上半期は、詐欺に使われた電話番号の約25%を占めた。
振り込め詐欺などでは以前、利用者の特定が難しいプリペイドやレンタルの携帯電話が多く使われていた。その後、携帯電話不正利用防止法で本人確認が義務化されると、固定電話や050番号が使われるようになったという。
050番号は、ネット上の画面にクレジットカード番号などを入力するだけで取得することもできる。本人確認が十分でない点が詐欺に使われる一因だろう。
被害拡大を受け、総務省や警察庁は昨年末、各電話会社に対し、詐欺で使われた050番号を利用停止にし、契約者の情報を警察に提供するよう要請した。
固定電話では2019年以降、同じ措置で年3000以上の番号を利用停止にしている。050番号を悪用する詐欺が増えている以上、固定電話と同様の対応を取るのは当然である。
ただ、詐欺グループは、使う電話番号を次々と変えていく。犯罪行為が判明してから利用を停止するのでは、根本的な解決にはつながらないのではないか。
また、多くの詐欺グループは身元を隠すため、大手の電話会社と直接契約せず、複数の再販業者を経由して転売された電話番号を取得している。
本人確認の甘さに加え、転売で番号が取引されていることが犯人の特定を困難にしている。番号と利用者をきちんと


(ひも)づける仕組みづくりが不可欠だ。
行政と業界が協力し、本人確認の徹底や転売ルールの厳格化などに取り組まねばならない。
振り込め詐欺や還付金詐欺などの被害は昨年、200億円を超えており、依然として深刻だ。
詐欺に使われる番号は「050」に限らない。金の支払いを求める見覚えのない番号の電話がかかってきた場合は、疑いを持って対応することが大切である。
警察も詐欺グループの摘発に全力を挙げるとともに、繰り返し被害の防止を呼びかけてほしい。