高市早苗首相は19日、首相官邸で自民党の小野寺五典税制調査会長と会談した。小野寺氏は、超党派の「社会保障国民会議」の実務者会議で来年4月から2年間、食料品の消費税率を1%とする議長案を提示したことを報告。首相は「各党としっかり調整してもらいたい」と指示した。会談後、小野寺氏が記者団の取材に明らかにした。
小野寺氏は17日、自身が議長を務める実務者会議で、消費税率を下げた上で、減税しきれない1%相当分は中低所得者を対象とした給付で還元する「実質ゼロ」案を提示。ただ、野党側からは異論が相次いでいる。 [時事通信社]
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京大次期学長に3位候補選出 職員組合が「冒とく」と批判声明
京都大の次期(第28代)学長について、教職員による意向調査(投票)で候補者6人中3位だった副学長(京大将来ビジョン担当)の立川康人氏(62)が選出されたのは疑問だとして、京大職員組合中央執行委員会が19日、学長選考・監察会議に決選投票や説明を求める声明をホームページに掲載した。
教職員の意向調査、結果は
任期が10月から6年間の次期学長の選考は6月15日に意向調査が実施され、得票は▽副学長・理事で元工学研究科長の椹木(さわらぎ)哲夫氏が478票(得票率33・3%)▽農学研究科長の田尾龍太郎氏が301票(同21・0%)▽立川氏が299票(同20・8%)▽元人間・環境学研究科長の浅野耕太氏が213票(同14・8%)▽医学研究科長の波多野悦朗氏が97票(同6・8%)▽副学長・理事で元経済学研究科長の江上雅彦氏が48票(同3・3%)の順だった。
その上で学長選考・監察会議は16日、立川氏を「自由の学風のもと、対話を重視したリーダーシップにより、国際卓越研究大学としての変革を安定的かつ強力にけん引することが期待できる」などとして選出し発表した。
これに対し、声明は過半数の得票者がいないのに選出するのは「教職員の意思を反映したものとは言いがたい。正当性、公平性の観点からも大きな疑義が付される」として、上位者についての再意向調査(決選投票)の実施を求めている。
3位の人物の選出については「有権者たる教職員、さらに学内構成員すべてに対する冒とく」と批判し、学長選考・監察会議の平野俊夫議長に選考理由を公開の場で説明することを要求。選出基準の具体的な説明、議事録の公開、再意向調査の議論の有無などの説明を求めている。
得票「3位」選出の理由は
学長選考・監察会議が16日夜に開いた発表の記者会見でも、3番目の得票者を選出することに問題はないかとの質問が出ていた。平野議長は「6人の所信表明書や個別面談なども総合的に勘案して全会一致で決めた」「決選投票も議論したが、我々として面談し議論して責任を持って選んだ」などと説明した。
また平野議長は「国際卓越研究大学は研究に軸足を置くため、学部教育をどうするかも問題になり、学内ではいろいろな意見がある」とも言及。立川氏について「対話を重視することを面談で何回も聞いた。研究にかじを切りつつ学部教育も非常に重要だという困難(な課題)を具体的に解決しようという意思が見られた」などと評価していた。
一方、平野議長は会見で「この判断の結果が良かったかどうかは、これから先の(立川氏の任期の)6年間で分かる」とも述べていた。職員組合の声明はこの発言も取り上げ、「判断が適切でなかったと判明した場合はどう責任を取るのか」ともただしている。【太田裕之】
東海道新幹線で見合わせ 浜松駅で接触の人は死亡 車両破損か
19日午後5時40分ごろ、浜松市の浜松駅を通過中の東海道新幹線東京発博多行きのぞみ49号が、線路内に立ち入った人と接触した。静岡県警によると、立ち入った人は死亡。車両の先頭部分が破損した可能性があり、JR東海が調べている。
同社によると19日午後8時現在、東海道新幹線は全線(東京―新大阪)で上下線とも運転を見合わせている。山陽新幹線は上りの全線(博多―新大阪)で運転を見合わせている。
JR東海は、19日中の新幹線利用を控えるよう呼びかけた。大幅な遅れや混雑が生じ、乗車に時間がかかって目的地まで移動できない可能性が高いとしている。【信田真由美】
「みんなで助かるよう祈った」恐怖の中の避難 東京の小学校火災
お昼前の小学校に広がった悲鳴と泣き声――。19日午前11時ごろ、東京都北区立滝野川第三小学校(北区滝野川1)で発生した火災。児童、教師ら11人が煙を吸うなどでケガをした。出火場所と見られる4階部分はガラスも割れ黒く焦げ、火事の激しさを物語っていた。恐怖の中を避難した児童らは、迎えにきた親族らと抱き合って無事をかみしめた。
「大慌てで駆けつけた」と母親
3階で授業を受けていた4年生の女子児童は「火災報知機が鳴って訓練かと思ったけど、先生に『防災頭巾をかぶって逃げて』と言われて校庭に避難した。すごい怖かったし、みんなで助かるように祈った」と恐怖の瞬間を振り返った。この児童の母親(40)は「家の近くからも火事の煙が見えて、大慌てで(小学校に)駆けつけた。子どもの顔を見たときは本当に安心しました」と語った。
ショックで泣き崩れる孫
小学5年生の孫を避難先の飛鳥山公園まで迎えに行った女性(64)は「心配でしょうがなかった。孫はショックで泣き崩れていた。孫を見つけたときは無事で良かったと思い、お互いに抱き合った」と話していた。
同日午後6時半から区や学校関係者が記者会見を開いた。高草木政浩校長は「けがをしてしまった子どももいるが、みな避難できたことは涙が出るほどうれしく思う」と話した。学校側は22日を臨時休校にし、週末から子どもたちの心のケアに取り組むとした。【田原拓郎、遠藤浩二、岡礼子、岡正勝】
【速報】東海道新幹線が運転再開 およそ3時間ぶり 山陽新幹線も JR浜松駅で線路内に人が立ち入り「のぞみ」と接触
きょう(19日)夕方、JR浜松駅で東海道新幹線の線路内に立ち入った人と車両が接触する事故がありました。東海道新幹線は上下線ともに全線で運転を見合わせていましたが、午後8時48分に運転を再開したということです。
JR東海によりますと、午後5時40分ごろ、JR浜松駅で東海道新幹線の線路内に人が立ち入り、東京発博多行きの「のぞみ49号」と接触しました。
この事故の影響で、東海道新幹線は上下線ともに全線で運転を見合わせていましたが、事故からおよそ3時間が経過した午後8時48分、運転を再開したということです。
また、山陽新幹線も上り線が博多と新大阪との間で運転を見合わせていましたが、午後8時48分に運転を再開したということです。
東京で侵入盗疑い、再逮捕=栃木強殺発生前の不審男―警視庁
栃木県上三川町で女性が殺害された強盗殺人事件の8日前、周辺で不審車両に侵入用工具を隠し持っていた疑いで県警に逮捕された男が、東京都内の侵入盗に関与していたとして、警視庁捜査3課は19日までに、男を窃盗容疑などで再逮捕した。
再逮捕されたのは、茨城県八千代町の清掃作業員、渡辺昌英容疑者(41)。4月8日未明、東京都新宿区の20代男性の自宅マンションに侵入し、現金約1500万円が入った金庫を盗んだ疑いが持たれている。
捜査3課によると、渡辺容疑者は見張り役などを担い、仲間2人が侵入したという。スマートフォンの解析から侵入盗への関与が浮上した。
強盗殺人事件は5月14日に発生し、渡辺容疑者はこの8日前に付近で盗難ナンバープレートの軽乗用車に仲間と乗っていたところを見つかり、ピッキング防止法違反容疑などで2回逮捕された。「闇バイトに応募した」と供述していた。警視庁は侵入盗も匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)が関わったとみている。 [時事通信社]
「家族ごと潰していいんだね」証拠隠滅も… 内田梨瑚被告22日に判決へ 弁護側は殺人罪否認
「私たちの言動で追いつめられて亡くなった」遺族に謝罪した内田被告 改めて殺意否認 旭川地裁
旭川市で女子高校生を橋から転落させ殺害した罪などに問われている内田梨瑚被告(23)の裁判では、2026年6月22日に判決が言い渡されます。
裁判の争点は、殺人の実行行為や殺意があったのかどうか、共犯者との共謀の有無などです。
内田被告は殺人と不同意わいせつ致死、監禁の3つの罪に問われていて、起訴状などによりますと2024年4月、旭川市の神居大橋で留萌市に住む女子高校生(17)を全裸にしたほか、橋の欄干に座らせ「落ちろ」「死ねや」と言うなどして川に落とし殺害したとされています。
内田被告は5月25日の初公判で、起訴内容について「私には殺意はありませんでしたし、橋から落下させていません」と述べ、殺人罪などについて否認しました。
5月27日の裁判には、内田被告と同じ罪に問われ、すでに懲役23年の有罪判決が確定している小西優花受刑者が証人として出廷し「梨瑚さんが肩甲骨のあたりを両手で押しました。(女子高校生の)姿が一瞬で消えました」と証言。内田被告と小西受刑者の主張は、真っ向から対立しています。
また、この事件を巡っては監禁に関わった少年(当時16)が少年院送致され保護処分に、少女(当時16)は保護観察となっています。
【冒頭陳述】弁護側が主張する“事件の流れ”
弁護側は「(被害者から)受け取った4000円と被害者の携帯電話を置いて立ち去っている。つまりそれは殺意がなかった一つの証拠」などとして殺人罪について否認。
さらに、被害者を全裸にしていることから不同意わいせつ罪については認めたものの、全裸にしたことと橋からの落下には因果関係がないなどとして、不同意わいせつ致死罪にあたらないと主張しています。
以下、弁護側の主張
・内田被告と女子高校生は、事件前に面識はなかった
・発端は、女子高校生が内田被告の顔写真を無断で自身のインスタグラムに掲載したこと
・内田被告は女子高校生に電話し、当時一緒にいた少年に脅し文句を言わせて、女子高校生の親と話をしたいと求めた
・女子高校生がそれを嫌ったため、内田被告らは直接会うために留萌の道の駅へ向かった
・女子高校生は母親に相談することなく1人で道の駅に現れ、内田被告の車の助手席に乗り、現金4000円を内田被告に渡した
・内田被告は女子高校生を車に乗せたまま旭川市内に戻り、少女と小西受刑者を車に乗せ、少年を自宅へ送り届けた
・内田被告らは女子高校生に月々5万円の支払いをさせる合意をして、コンビニエンスストアのトイレに立ち寄った
・このとき、女子高校生が店員に助けを求めたが、内田被告らは女子高校生をレジから引き離し、コンビニ内や裏で暴行を加えた
・内田被告は少女を自宅に送り届け、3人で神居古潭へと向かった
・神居古潭で内田被告は、女子高校生を全裸にし、土下座させ、その様子を携帯電話で撮影
・橋の上に移動して、小西受刑者が女子高校生に暴行を加えた
・このとき、少年から電話がかかってきたため、内田被告は約8分間、テレビ電話で橋の上の様子を見せた
・内田被告と小西受刑者は、女子高校生を橋の欄干に座らせて謝罪する様子を撮影
・その後、携帯電話を置き「勝手に帰れば」と立ち去った
・内田被告と小西受刑者が駐車場へ向かっている途中で「キャー」という叫び声とダンッという大きな音が聞こえた
【冒頭陳述】検察が主張する“事件の流れ”
検察は「橋から突き落としていないとしても、転落させるに至った行為が殺人の実行行為と言える」と主張しています。
以下、検察側の主張
・女子高校生が内田被告の写真を無断でSNSに投稿したことが事件の発端
・無断使用を知った内田被告と小西受刑者は、暴行を加えて示談金名目で金を払わせようと考え、50万円を要求した
・内田被告は合流した少年に「どう落とし前つけんの。誰にけんか売ってんの」などと暴力団構成員のふりをさせ、自らも「じゃあ家族ごと潰していいんだね」などと脅し、女子高校生を留萌の道の駅に呼び出した
・道の駅で女子高校生を車に乗せ「お前黙ってろよ。バッタバタにしてやるから(暴力を振るってぼこぼこにするという意味)」などといい、女子高校生の監禁を開始
・内田被告は小西受刑者に誓約書の作成を指示し、その後、旭川市内で少女と小西受刑者と合流した
・少年を自宅へ送り届けたあと、コンビニエンスストアに立ち寄り、トイレに行きたがった女子高校生の手を小西受刑者がつかんで入店
・トイレから出てきた女子高校生が「すいません。助けてください。通報してください」と助けを求めたところ、内田被告らは従業員にうその説明をして口止めし、店舗裏で女子高校生に暴行を加えた
・その後、女子高校生は、服が汚れたという理由で座席に座ることは許されず、後部座席の床の上に座らされ、神居古潭まで連行された
・神居古潭の駐車場の車内で女子高校生は全裸にされ、服は草むらに投棄された
・内田被告らは女子高校生に土下座して謝罪させ、その様子を動画で撮影して神居大橋へ連行した
・少年からかかってきた電話をビデオ通話に切り替え、小西受刑者が馬乗りになって女子高校生の顔面を拳で殴り、両手で首を絞める様子を見せた
・内田被告らは、女子高校生を橋の欄干に座らせて再度謝罪させ、殺意をもって「落ちろ」「死ねや」などと何度も怒鳴ったほか、何らかの有形力を行使して、女子高校生を石狩川に転落させて殺害した
・さらに内田被告らは、女子高校生の携帯電話のデータを削除し、車でひいて損壊して川に投棄したほか、別々の場所にいるかのように装う内容のメッセージを送るなど、証拠隠滅行為などを行った
検察は6月8日の裁判で「被害者の人格、尊厳を踏みにじるもので身勝手極まりない犯行」と指摘し、「主犯であることは明らかで最も重い責任を負うべき」として懲役27年を求刑しました。
一方、弁護側は「偶発的に起きた計画性のない犯行」、「すべて内田被告の責任とは言えない」などと主張し、情状酌量を求めています。
裁判は6月8日に結審し、22日に判決が言い渡されます。
※STVでは今回の裁判の「特定少年」について、事件の重大さや社会的影響などを総合的に判断し、実名で報道しています。
音喜多駿氏 文春訂正の高市陣営ネガキャン報道の論点ズバリ「AI規制の欠如です」
高市早苗首相陣営が関与したとされる中傷動画報道がさらなる波紋を広げている。
高市陣営が昨年の自民党総裁選や今年の衆院選で、他陣営への中傷動画の作成に関与した疑惑報道をめぐり、共同通信と週刊文春が相次いで記事を訂正する事態になっている。
共同通信は15日、一連の疑惑を報じたネット記事で、IT会社代表の松井健氏から提供された動画の作成時期に疑義が生じたとして写真を一部削除し、記事の該当箇所を修正。
翌16日には週刊文春電子版が公式サイトで「一部の動画に時系列上の問題点が確認されたため、関連動画の公開を一時停止し、併せて本文も修正しました」と報告。一方で「今回の訂正は一部動画の時系列に関する部分にとどまります。高市事務所が総裁選や衆院選において、動画などで対立候補に対する誹謗中傷を行っていた事実関係は、複数のSNS上のメッセージなどによって裏付けられています。疑惑の根幹を揺るがすものではないと認識しています」と強調した。
これに元参院議員で日本維新の会政調会長補佐兼国対委員長補佐の音喜多駿氏は17日、取材に対し「国会は『真実を明らかにする場』ですが、同時に『検証されていない資料で人を断罪する場』であってはなりません。証拠の真偽が固まらないまま追及を続けることは、仮に対象が政敵であっても民主主義の手続きとして危うさをはらんでいます。野党がこの矛盾を把握したうえで追及を続けるなら、それは政治的な意図が先行していると言わざるを得ません」と指摘する。
そもそも中傷動画を規制する法律もない。そこで音喜多氏はもう1つの論点を提示する。「AI規制の欠如です。今回問題になったようなディープフェイク型の選挙妨害動画を直接禁じる法律は、現時点では存在しません。公職選挙法の『虚偽事項公表罪』は選挙期間中、候補者への虚偽という要件があり、名誉毀損罪も適用の余地はあるものの、AI生成コンテンツへの対応を想定した規定ではなく、立件のハードルは高い。2025年に成立したAI基本法も罰則を持たない理念法にとどまっています。この法的空白にどう対処するかについては、与野党を超えて議論が必要です」と訴えた。
真偽の分からない証拠で野党の追及は続くのか。一方で高市首相も国会答弁の訂正を申し出るなど発言にズレがあるのも事実。真実はどこにあるのか。
【全文】天皇陛下オランダ国王夫妻主催晩さん会でのおことば
オランダを公式訪問中の天皇皇后両陛下は現地時間の17日夜、アムステルダム王宮で行われた国王夫妻主催の晩さん会に出席されました。
オランダ国王のスピーチのあと、天皇陛下は英語でおことばを述べ、先の大戦で両国が戦火を交えた歴史に触れ「先の大戦の中で、多数の民間人を含む多くの尊い命が失われ、多くの人が傷ついたことは誠に悲しむべきこと」と話されました。
以下は天皇陛下のおことばの日本語訳全文です。(※表記は宮内庁発表のまま)
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オランダ国王王妃両陛下主催晩餐会における天皇陛下のおことば(令和8年6月17日、於:アムステルダム王宮)
ウィレム・アレキサンダー国王陛下、マキシマ王妃陛下、ベアトリックス王女殿下、
Goedenavond(オランダ語で「こんばんは」)
この度は御招待により雅子と共に国賓として貴国を訪問し、ウィレム・アレキサンダー国王陛下、マキシマ王妃陛下と再び親しくお目にかかれることをうれしく思います。
このような素晴らしい晩餐(さん)会を催していただきましたこと、また国王陛下から懇篤(こんとく)な歓迎のおことばを頂いたことにも心から御礼を申し上げます。
両陛下を始め貴国の皆様から私たちの訪問に向けて多大なる御尽力を頂きましたことに、併せて深く感謝申し上げます。
私が初めて貴国を訪問したのは、英国留学中の1984 年のことでした。私的な訪問でしたが、当時皇太子でいらした10代のウィレム・アレキサンダー国王陛下には空港までお出迎えいただき、滞在中には当時、女王陛下でいらっしゃったベアトリックス王女殿下、故クラウス殿下御夫妻、ウィレム・アレキサンダー国王陛下、コンスタンティン王子殿下とご一緒に、アイセル湖で女王陛下所有のヨットに乗せていただき、セーリングをしたことなども良い思い出です。
その後も、2002年の国王王妃両陛下の晴れやかな御結婚式や2013年の素晴らしい御即位式に御招待をいただいて、その晴れやかな行事に参列し、国王王妃両陛下に直接お祝いを申し上げることができたことは私と皇后にとって非常に幸いなことでした。また、2006年にはベアトリックス王女殿下の御親切なお招きにより、私は雅子及び私たちの娘である愛子と共に、ヘット・アウデ・ロー城でとても素晴らしい一夏の休暇を過ごせたことは、幸いでした。
私たちの滞在中、王女殿下や国王王妃両陛下を始めとするオランダの方々から様々な御配慮を頂きました。私たちが受けたこうした温かいおもてなしとお心遣いによって、ヘット・ローの素晴らしい環境での心和む楽しい滞在は更に特別なものとなり、今でも忘れられない思い出として、私たちの中で特別なものとなっています。その折の御厚意にも改めて心から感謝申し上げます。
今回、国王王妃両陛下の御招待により、その懐かしいヘット・アウデ・ロー城で再び数日過ごすことができたことも雅子と私にとって、とてもありがたいことでした。
ヘット・アウデ・ローに到着時には嬉しい驚きがあり、私の両親が寄贈し、ベアトリックス王女殿下と国王陛下がお城のお堀に放流した鯉が再び元気に出迎えてくれ、そして20年前に愛子が毎日のようにパンを与えていた一羽の黒鳥とも再会しました。今回、私たちがパンを与えると再び喜んで食べてくれたことも嬉しいことでした。東京にいる愛子にも、この黒鳥と鯉のお友達の話や前回ヘット・アウデ・ロー城でお世話をしてくださったスタッフの方々の何名かとお会いしたことを話したところ、愛子は非常に驚き、とても感動していると言っておりました。
我が国と貴国との関係は、1600年にオランダ船「デ・リーフデ」号が困難な航海の末に、我が国に漂着したことから始まりました。
その後、日本が鎖国政策を採った時にも、両国の交流が途切れることはなく、長崎の出島にある5メートルの狭き橋が200年以上にわたり、日本とオランダ、そして西洋世界を結び付けていました。
私たち日本人は出島での貴国との交流を通じ、西洋の技術・文化を学ぶとともに、出島のオランダ商館により伊万里焼や漆器などの我が国の工芸品がヨーロッパにもたらされ、貴国のデルフト焼にも強い影響を与えるなど、相互に影響し合いました。
この両国の長年にわたる交流は、両国政府と国民の類い希(まれ)なる熱意と努力の賜(たまもの)にほかなりませんでした。
2000年には、日蘭交流400周年を記念する催しが日本各地で行われました。
その折、当時皇太子殿下でいらっしゃった国王陛下に来日いただき、長崎県と大分県で行われた記念式典に、御一緒に出席したことは、このような両国間の長い交流の歴史を振り返る上で貴重な機会になりました。
このような長きにわたる両国の友好と交流の歴史を振り返るとき、過去に苦難の時期があったことも同じく、決して忘れてはなりません。
先の大戦の中で、多数の民間人を含む多くの尊い命が失われ、多くの人が傷ついたことは誠に悲しむべきことであります。私たちは絶えず謙虚に過去の歴史から学び、人々の痛みや悲しみに寄り添って耳を傾け、悲しみを繰り返さないよう、悲惨な体験や苦労を後の世代に伝えていかなければなりません。そして、今なお当時の痛みを負い続けている人々がおられることに思いを致し、平和への努力を続けていかなくてはならないと思います。
戦後、ベアトリックス王女殿下が1963年と1991年の二度、国賓として日本を御訪問なさいました。そして2000 年には上皇上皇后両陛下が貴国を国賓訪問なさいました。
幸いにしてこのような往来を通じて、両国国民の相互理解と信頼が育まれました。ベアトリックス王女殿下、国王王妃両陛下を始め多くの人々が計り知れぬ努力をもって、両国の未来の友好のために力を尽くしてこられたことに、皇后と共に深い敬意と感謝の念を表します。将来に向けた平和への願いの下、両国が共に歩みを続けていくことを心から願います。
この点につき、貴国が「法の支配」に基づく国際秩序の推進に取り組んでおられることに敬意を表します。
明日、私は「国際法の首都」とも呼ばれるハーグを訪問し、平和宮にも訪れる予定です。
貴国は「国際法の父」と呼ばれるグロティウスの生誕地であり、国際司法裁判所(ICJ)を始めとする様々な国際裁判所や国際機関の拠点が置かれています。
私たちはICJ と個人的なつながりを有しており、国王陛下が言及されたように雅子の父である小和田恆は2018年まで15年間ICJ判事を務め、3年間ICJ 所長を務めました。
その間、ベアトリックス王女殿下と国王王妃両陛下が雅子の両親に差し伸べてくださいました。とても温かいご配慮に深く感謝申し上げます。
また、明日にはオランダで日本とゆかりの深い教育機関の一つであるライデン大学も訪問いたします。
同大学では、欧州最古の日本研究拠点として1855年に創設された日本学科を中心に、現在も日本との学術交流が受け継がれており、明日は、同大学の学生や研究者の方々と、日蘭の交流について話す機会を楽しみにしています。
両国間で現代にまで受け継がれた交流の成果として特筆されるものの一つは、例えば治水です。日本とオランダは、共に水の恵みを受けながら、時に洪水や高潮などの脅威にも向き合ってきました。
19世紀後半の明治時代の日本において、ファン・ドールン、エッシャー、デ・レイケを始めとするオランダ人技術者たちが、治水や疏(そ)水、砂防、港湾整備など我が国の国土の基盤づくりに大きく貢献しました。
その功績は、今日に至るまで日本各地で大切に記憶されています。2010年に国王陛下が訪日された際、私たちは利根運河を訪問いたしましたが、この運河もオランダ人技師ムルデルによって設計・監督されたもので、現場には彼の功績を讃(たた)える顕彰碑が立っております。
そして、本日、国王陛下と共に、水理・地盤工学の応用研究機関であるデルタレスを視察いたしました。
水と共に生きる貴国の知恵とたゆまぬ努力、そして将来を見据えた研究の数々に接し、深い感銘を受けると同時に、国連「水と衛生に関する諮問委員会」等を通じ、国王陛下と御一緒に水の問題に関する国際的活動に取り組んできたことを思い起こしました。
この分野で日本とオランダが、広く世界に貢献していくパートナーともなっていることをうれしく思います。
日蘭両国の交流の歴史の中で、医学も大切な役割を果たしてきました。江戸時代に来日したシーボルト、ポンペ、ボードワンなどの多くのオランダゆかりの人々が日本の医学の発展に貢献しました。今回、マキシマ王妃が情熱を持って関与していらっしゃるプリンセス・マキシマ小児がんセンターを視察する予定ですが、日蘭の研究協力が子供達の将来のために活かされることを願ってやみません。
スポーツも両国の交流が深まっている分野の一つです。
たとえばスピードスケートでは、多くの日本人選手が貴国を練習拠点として活動しており、これら日本人選手が試合で好成績を上げた際には、オランダの人々からも祝福いただいていることに心を打たれました。
またサッカーでは、貴国のプロリーグ1部「エールディヴィジ」に現在9名の日本人選手がプレーしていると聞きます。
そして、一昨日のサッカー・ワールドカップにおける日本・オランダ戦は、国王王妃両陛下の御厚意により私たちも、小さな愛らしいプードル犬マンボを連れた両陛下と御一緒にテレビで観戦しました。大変良い試合となり、ピースフルな結果にホッとしました。両国の国民を奮い立たせ、更に結び付ける機会になったものと確信しております。
現代の世界に生きる私たちは、多くの面で国境を越えて互いに深く結び付く一方、気候変動問題を始め、地球規模での様々な困難な課題に直面しています。そのような中、日蘭両国国民が手を携え、協力して世界規模での取組を牽引している分野が、数多くあることを大変うれしく思うとともに、次世代を担う若者や子供たちのために、協力の裾野を更に一層広げ、取組を強化していくことを希望してやみません。
日蘭両国が、永続的な友好親善と協力関係を築いていくことを心から願うとともに、国王王妃両陛下の御健勝と、日蘭両国の更なる発展と世界への貢献、そして両国民の末永い幸せを祈り、杯を挙げたく思います。
Proost! (オランダ語で「乾杯」)
住宅密集地で土砂崩れ 女性重傷 住宅に流れ込み下半身埋まる 大分・九重町
17日夜、大分県九重町で土砂崩れが発生し、住宅が巻き込まれ、住人の55歳の女性1人が足の骨を折る大けがをしました。
山路謙成アナウンサー
「住宅が密集する場所で土砂崩れは起きました。土砂は家や車を押し流してしまうほどの勢いで流れ出ていて、道もふさいでしまってます」
土砂崩れが起きたのは九重町松木です。
警察と消防によりますと、17日午後7時ごろ、住民から「土砂崩れが起きて、家が傾いている」などと通報がありました。
裏山から崩れた土砂が住宅に流れ込み、中に1人でいた住人の55歳の女性が下半身が埋まった状態で見つかり、救助されました。
女性は足の骨を折る大けがをしましたが、命に別条はないということです。
土砂崩れの発生を受け、周辺の住民には避難が呼び掛けられ、9世帯30人が公民館や親せきの家などに身を寄せたということです。