17日午前、下関市の県道で軽乗用車同士が正面衝突する事故があり、1人が死亡、1人が軽いけがをしました。
事故があったのは下関市長府珠の浦町の県道です。
長府警察署によりますと17日午前8時15分ごろ市内、勝谷方面から滑石交差点方面に向け走っていた軽乗用車が対向していた軽乗用車と正面衝突しました。
この事故で、滑石交差点方面に向け走っていた軽乗用車を運転していた市内に住む65歳の女性が病院に運ばれましたが、およそ2時間後に外傷性ショックにより死亡しました。
もう一方の軽乗用車を運転していた60代の男性も軽いけがをしました。
現場は、女性の車からみて左カーブとなっていて警察は、どちらかの車がセンターラインを越えたのが事故の原因とみて調べを進めています。
タクシーから降りた直後に撃たれ2人死亡、男は逃走…マニラ圏で日本人の強盗被害相次ぐ
【ハノイ=竹内駿平】在フィリピン日本大使館によると、15日午後10時40分頃、フィリピンのマニラ首都圏マニラ市で、日本人2人が拳銃で撃たれ殺害された。
大使館によると、日本人2人がタクシーから降りた直後、近づいて来た男1人が拳銃を発砲して2人を殺害し、日本人の所持品を奪ってバイクで逃走したという。地元警察から連絡を受けた大使館が2人の身元を確認した。大使館は「家族や関係者を含めた支援を行っている」としている。
フィリピンではマニラ首都圏で日本人が強盗被害に遭うケースが相次いでいる。大使館は「身の周りの安全に十分注意して行動して」と呼びかけている。
生活圏へ侵入のクマに発砲「緊急猟銃」9月から可能に 安全確保など対応力課題に
自治体の判断で市街地にいるクマに発砲する緊急銃猟を可能にする改正鳥獣保護管理法が9月に施行される。
これまでは人に具体的な危険が迫った段階で警察官がハンターに発砲を命令してきたが、クマが人の生活圏に侵入するなどした際、自治体は発砲をハンターに委託する形で緊急銃猟を実施できるようになり、迅速な対応が期待される。
クマ出没が続発する新潟県新発田市では今月25日、市、警察、地元の猟友会などが合同で訓練を行い、交通規制、住民避難、銃猟という一連の流れを確認する。実施条件には銃猟で人に危害が及ばないことも含まれ、市担当者は「訓練はイメージをつかむことが目的だが、住民に安全確保の行動を促せるか不安だ」と話す。
山梨県富士吉田市では、外国人ら観光客に人気の新倉山浅間公園の周辺でクマの目撃情報が相次いだ。市担当者は交通規制に従わない人が出る懸念もあるとし「どこまで強制力を発揮できるのか」と頭を悩ませる。
栃木県那須塩原市の担当者はクマが動くことで状況が刻一刻と変わり、警察と自治体のどちらの権限で発砲するか判断が難しいケースもあり得ると指摘。「警察と十分なすり合わせが必要になる」と話した。(本田賢一、平尾孝、伊沢利幸)
Uターンラッシュがピーク 新幹線や空の便が満席 高速上り線も渋滞
お盆を古里や旅行先で過ごした人たちのUターンラッシュが17日、ピークを迎えた。新幹線や空の便の多くが満席となり、高速道路にも長い車の列ができた。
JR各社によると、お盆期間中に全席指定席となる東海道・山陽新幹線「のぞみ」は新大阪発東京行きが午前11時過ぎからほぼ満席に。東北新幹線で上り自由席の乗車率が最大140%に達した他、上越、北陸、九州の各新幹線も混雑した。
お盆期間中の空の便は1日現在、全日本空輸の国際線予約数が前年同期比110・5%、日本航空の国際線予約数が同103・5%で、国内線予約数は前年並みとなった。17日も多くの乗客で混み合った。
高速道路の上り線も各地で渋滞が発生した。日本道路交通情報センターによると、午後6時現在、東名高速の太郎ケ尾トンネル(神奈川)付近で16キロ、名神高速の丸トンネル(滋賀)付近で9キロの渋滞となった。
JR東京駅の東海道新幹線ホームは家族連れなどで混雑した。栃木県の実家に帰省した和歌山市の公務員、栃木孝正さん(47)は「子どもたちは親戚らとバーベキューなどをした。仕事や勉強の慌ただしい日常を忘れ、のんびりできた」と満足した様子だった。
東京都荒川区の会社員、梶田浩介さんは妻と長男で大阪府の実家に帰省し、「水遊びをしたりプロ野球を見に行ったりした。息子は名残惜しかったようで、見送りに来たおじいちゃんを新幹線に乗せようとしていた」と笑顔を見せた。大分県日出(ひじ)町の保育士、河野由布さん(37)は子ども2人と東京観光を楽しんだ。「東京ディズニーシーで、念願の『アナと雪の女王』のアトラクションに乗ることができた」と話していた。【垂水友里香、木村敦彦】
対馬の浜辺に中国や韓国からポリタンクやペットボトル大量に漂着…健康影響も懸念、「国際的なルール必要」
プラスチックごみによる環境汚染が世界で深刻化する中、国内でも日本海沿岸の自治体などがアジアからの漂着ごみに悩まされている。世界初の汚染防止条約の策定を目指してスイスで15日まで行われた政府間交渉は合意に至らず、関係者は対応の遅れを懸念する。一方、日本は世界有数のプラごみ排出国でもあり、海を汚さない対策も求められる。(科学部 鬼頭朋子、社会部 西原寛人)
韓国・釜山から約50キロ・メートルに位置する長崎県対馬市。市西部の浜辺は、ポリタンクやペットボトルなどのプラごみで埋め尽くされていた。観光ガイドの坂田彰子さん(45)は「何度回収しても、大雨や台風の度に流れ着く」と嘆く。
市の集計では、漂着ごみの量は年間3万~4万立方メートル。半分以上がプラ製品で、昨年度回収したペットボトルでは、中国・台湾から漂着したものが54%、韓国からは38%に達した。
経済協力開発機構(OECD)によると、世界のプラごみのうち、環境に流出するものは年間約2000万トン。うち約9割が途上国からで、不適正な管理が主な原因とされる。
日本はアジア各国などに対し、廃棄物の分別・収集システムを構築するための技術協力を行うほか、廃棄物管理を担う人材を1万人育成する目標も掲げる。ただ、漂着ごみの削減は結局、排出国の取り組みにかかっている。海岸清掃などに取り組む一般社団法人「対馬CAPPA(カッパ)」の末永通尚理事(54)は「きれいな浜辺を取り戻すには、国際的なルールが必要だ」と訴える。
一方、環境省の2023年度の調査によると、太平洋や瀬戸内海の沿岸に漂着したペットボトルの流出元は国内が多かった。海流や風の影響といい、プラごみに詳しい愛媛大の日向博文教授(沿岸海洋物理学)は、「太平洋側に流出したプラごみの一部は米国などにも流れ着く」と指摘する。
日本の国民1人あたりのプラ容器包装廃棄量は年間約32キロ・グラムで、米国に次ぐ世界2位(2015年時点)。国内からの流出を抑えるため、政府や企業はプラごみの削減にも取り組む。ペットボトルの「ラベルレス化」などを推進するキリンホールディングスは、「資源循環型社会の実現、環境負荷の低減に貢献していく」とする。
22年施行のプラスチック資源循環促進法では、コンビニやホテル、飲食店などを対象に、提供しているプラ製品の削減計画の策定なども義務付けた。ただ、罰則があるのは大規模事業者だけで、小規模事業者の取り組みは一部にとどまる。プラ製ストローなどを提供する東京都内の飲食店経営者は「プラ製のほうがコストがかからず、お客の強い支持もあるので紙製に切り替えられない」と明かす。
プラスチックは紫外線や波風にさらされると「マイクロプラスチック(MP)」と呼ばれる5ミリ・メートル以下の細かな断片となり、MPを取り込んだ魚を食べることで人間への健康影響の恐れも指摘されている。環境省幹部は「条約の策定に向けた協議を各国に呼びかけ続けるとともに、国内外で実効性の高い取り組みを推進していく」としている。
JR横須賀線、信号が赤から変わらず 一時運転見合わせ、700人に影響
17日午後4時10分ごろ、横須賀市のJR横須賀線衣笠駅で、信号が赤のまま変わらなくなった。JR東日本によると、同駅の線路上に小さな鉄くずが落ちていたことから、取り除いたところ青に変わり、運転に支障がないことを確認した。
同社によると、横須賀線は横須賀-久里浜間で一時運転を見合わせた。上下線の6本が区間運休、2本が遅れ、約700人に影響した。
交差点内でタクシーと軽トラが衝突 歩行者の女性巻き込まれ意識不明 札幌市
札幌市中央区の市道で2025年8月17日、タクシーと軽トラックが衝突する事故があり、近くを歩いていた女性が巻き込まれました。
女性は意識不明の状態で病院に搬送されました。
事故があったのは、札幌市中央区南7条西6丁目の市道が交わる交差点です。
17日午後8時10分ごろ、目撃者から「車と車の事故で、歩行者が巻き込まれている」と警察に通報がありました。
警察によりますと、タクシーと軽トラックが交差点内で衝突したあと、女性が巻き込まれたということです。
女性は成人とみられています。
警察は双方の運転手から話を聞くなどして、当時の状況を詳しく調べています。
一夜にして消えた「赤い王宮」 首里城火災 原因と責任の所在は? 訴訟で注目集まる 深層リポート
沖縄のシンボルだった「赤い王宮」はなぜ、一夜にして失われたのか-。那覇市の首里城で令和元年10月、火災で正殿などを焼失したのは、指定管理者の沖縄美ら島財団が防火管理上の注意義務を怠ったためとして、沖縄県内の住民8人が、県が財団に約2億円を賠償請求するよう訴訟を提起した。火災の原因も責任の所在も明確になっておらず、住民らは訴訟を通じて原因を究明したい考えだ。
原因「コードの短絡」
「コードを踏みつけたり、ひっかけたりした可能性は十分に考えられる」
今月7日、那覇地裁(片瀬亮裁判長)で開かれた口頭弁論で、火災分析などに詳しい京都市の技術士、鍵谷司氏(80)が証人として出廷し、こう証言した。
那覇市消防局は令和2年3月、火災の原因について「焼損が激しく、特定には至らなかった」と結論付けたが、出火元とみられる正殿1階の延長コードが原因となった可能性が高いとも指摘していた。記録を確認した鍵谷氏は「火災原因は照明につながるコードのショート(短絡)以外考えられない」と述べ、火災原因を「特定できない」とした市消防局や県警の結論を疑問視した。
鍵谷氏によると、出火当時、正殿内の分電盤室には、発光ダイオード(LED)照明器具2基につながる延長コードが置かれていた。管理が国から県に移行するタイミングで新しい展示施設ができ、財団がその見学通路を分電盤室を通るルートに変更したことで、コードが不特定多数の人に踏みつけられ、コードの銅線が損傷、断線した可能性があるという。
正殿の電気系統は午後9時半に自動的にブレーカーが落ちる設定になっていたが、防犯カメラと照明の電源は常時通電状態となっていた。火災現場で見つかった照明につながるコードには溶融痕があった。
調査結果に批判の声
鍵谷氏は、コンセントからプラグが抜かれていた近くの送風機のコードには溶融痕がなかったことに着目。照明のコードの溶融痕は火災の熱によるものでなかったとの見方を示して「コードが踏みつけられ、断線した部分から発熱した」と推定した。
消防試験研究センターの燃焼実験の目的も、火災による熱で溶融したか、ショートかどうかという実験としては不十分であったと指摘。その上でコードに使われる銅の融点より高い温度で燃焼実験が行われていたとして「普通は温度をコントロールできる電気炉を使うのに、炭火を使って加熱していた。信じられない」と語った。
原告の代理人、徳永信一弁護士は「溶融痕はショートによっても、火災の熱によっても生じ得るとの論法で『原因不明』という結論になったが、わざわざ(原因を)分からないようにしたのかと思いたくなる調査結果のまとめ方だ」と批判する。
焼失した正殿は現在、復元工事が進んでおり、8年秋の完成を目指している。
原告の男性は「延長コードのコンセントプラグを抜いていれば首里城は燃えなかった。なぜ燃えたのかうやむやのまま再建が進むのは納得がいかない」と強調する。
司法の場で火災原因と責任の所在はどこまで明らかになるのか。地裁の判断が注目される。
◇
首里城火災 令和元年10月31日午前2時半ごろ、正殿から出火し、正殿や南殿など主要建築7棟約4800平方メートルが焼失した。首里城の管理・運営を県から委託されている沖縄美ら島財団が収蔵していた文化財も焼失。施設にはスプリンクラーがなく、鎮火まで約11時間かかった。首里城は琉球の国王一家が暮らしたかつての王宮で、行政府でもあった。15~16世紀に完成したとみられる。創建以来、度重なる火災に見舞われており、焼失は5回目だった。
記者の独り言 首里城が焼け落ちる姿は痛々しく、多くの県民が喪失感を抱いた。夜間を想定した防災訓練が行われておらず、初期消火の課題も浮き彫りとなった。教訓を踏まえ、再建中の正殿にはスプリンクラーが設置され、夜間訓練も行われるようになったが、裁判を傍聴し、二度と悲劇を繰り返さないためにも、火災原因を究明した上で改めてリスク管理を検証することが必要だと感じた。(大竹直樹)
1か月記念のデートで相手は“豹変” 女子高校生は教室や公園でも性被害に 3年の月日が経ち“いじめ重大事態”に認定されるも…「社会に絶望しました」
「交際1か月記念のデート」で、当時交際していた男子生徒から、学校の教室や近所の公園など、様々な場所で性被害を受けた女性は、高校3年生から大学3年生となり、もう就職活動が目の前に迫ってきていた。
三重県四日市市にある私立暁学園暁高校で2022年、当時3年だった女子生徒が交際していた男子生徒から受けたとされる性被害について、学校が設置した第三者委員会が「女性は心理的苦痛を感じていた」として、いじめ重大事態に認定したことが関係者への取材で分かった。
焦点は「交際関係にあったカップルの性行為が、いじめに該当するのかの判断」だ。
大学教授や弁護士ら4人で構成された第三者委員会が今年6月にまとめた31ページにわたる報告書によると、性行為は通常望まない人の出入りがある場所で行われ、被害女性の心理的負担になったと認定した。
女子高校生への支配は教室や通学路でも…
確かに、性行為は学校内の教室、通学路、公園、グラウンド、公衆トイレなどで繰り返され、それは約4か月間で20回以上にも上った。別れたいと告げると謝り「別れるのなら死ぬぞ」と逆に脅してくる。
その後、女性は欠席や早退を繰り返し、PTSD・心的外傷後ストレス障害と診断されたのだが、第三者委員会は、その原因は男子生徒によるいじめだと結論づけたのだ。
また、暁高校は、被害直後の2022年11月には事案を把握していたが、三重県から「いじめとして調査すべき」との再三の助言があったにも関わらず、十分な対応をとらなかった。学校は事の重大さ、深刻さを認識していなかったといわざるを得ない。
「ホッとした」と話す一方で…
両親は当初から「相手は同級生で、学校内で起きていること。いじめ重大事態として扱って欲しい」と学校へ働きかけたが「生徒間のトラブルではなく、男女間のトラブル」と、学校ではなく警察が主体的に調査すべきではないかと回答していた。第三者委員会は、これを「いじめに対する認識の欠如が原因」だと断じた。
3年にわたり、学校に第三者委員会の設置を求めてきた母親は「これまでの学校や第三者委員会の対応から認定はしないつもりだろうと思っていたので、ホッとした」と話す一方、調査を尽くしているとはいえないとして、報告書の内容には到底納得できないと不満を口にした。
「明らかに事実や評価に誤りがある」として第三者委員会へ訂正を求める考えだ。
立ちはだかる“法律の壁”
当初から被害者家族を支援してきた一般社団法人「ヒューマンラブエイド」の仲野繁共同代表は、私の取材に「交際中でも被害者がどう思うかが極めて重要で、望まない性行為はいじめの重大事態に当たると明確に示された」と話したうえで、「同じような学校内での被害者に希望を与える内容で、教育界において前進」と評価した。
こうした性被害は、結婚していれば、DV防止法の適用となるが、交際している場合は適用されない。また、この事案は2022年の出来事で、翌年に新設された不同意性行等罪に該当せず、警察にも取り合ってもらえなかった。立ちはだかる法律の壁、それでも学校側へ粘り強く訴えた被害女性と両親。
私は、その経緯を取材してきたが、幾度にもわたる学校との折衝は壮絶そのもので、母親も心を患ってしまうのでないかと心配になるほどだった。
普通なら折れそうになる心を奮い立たせてきたのは、今なお苦しむ娘を救いたい思いと、もっと違った青春時代を送ることができたはずの娘の未来を奪われたことへの怒りだったのかもしれない。
「社会に絶望しました。誰のことも信用できません」
母親が被害者の娘に、この報告書の内容の一部を伝えると一言呟いた。
「えっ?認定したんや」
悲しいような、怒っているような、呆れているような表情をして、その場を離れたと母親は語っていた。
被害女性本人が第三者委員会に宛てた手紙には、こう記されている。
「私は公の機関なら当然助けてくれるだろうと思っていましたが、これが大人のすることなのか…と社会に絶望しました。誰のことも信用できません。こんな大人にはなりたくないと強く思います」
今もPTSDの症状に苦しみながら、時折涙が自然と溢れ、「いなくなりたい」と思ってしまうこともあるという。
信頼していた先生ら学校も、そして警察も。手を伸ばしても誰も握り返してくれなかった社会への絶望感はいかばかりだったか。救いを求める生徒に寄り添い、助けるのが学校であり、警察ではないのか。
いじめ重大事態と認定されても、被害女性の時計の針を戻すことはできない。でもこの一歩で、彼女に少しでも光が差すことを願わずにはいられない。
【CBCテレビ論説室長 大石邦彦】
「誰がこんな泥舟に乗りたいもんか」後任幹事長も決まらない石破政権…「総裁選前倒し」規定発動の前にささやかれる自壊シナリオ
先の参院選では自民党は大敗した。昨年の衆院選、今年の都議選に続き、さきの参院選でも敗れノックアウト寸前の石破茂政権。総理退任論が党内外から湧き上がるなか、政権はいつまで続くのか? 石破総理本人は並々ならぬ続投への意欲を隠さないが、自民党内では「反石破派」による包囲網が刻一刻としかれつつある。
【画像】反石破派に軍配があがった両院議員総会の様子
反石破派に軍配があがった両院議員総会
最高気温が35度とうだるような暑さだった8日の東京・永田町。自民党本部では両院議員総会が開かれた。党大会に次ぐ意思決定機関と言われる会合の席で、石破総理は改めて「続投」への意欲を見せた。
総会には党所属議員297人のうち、253人が出席。そのうち35人が発言した。石破総理が自身のX(エックス)にアップした写真では、空席が目立ってみえるが、実際には8割以上の党所属議員が出席していた。
この総会については、開催前から水面下で石破執行部と反石破派の間で苛烈な駆け引きが繰り広げられていたことが取材によってみえてくる。結論から先に書いてしまうと、反石破派側に軍配が上がったと言えるだろう。
自民党史上初の「総裁選前倒し」実現か
両院議員総会は党所属議員3分の1の署名で執行部に対して、開催を求めることが出来る。旧茂木派などが中心になって今月上旬にはほぼ署名は集まった。
そうした情報を入手し、署名が提出されることが不可避とみた石破執行部側では森山裕幹事長が先手を打った。
前もって「両院議員総会で総裁の辞任は決められない」という自民党のルールがあることを石破降ろし側へ通告した。開催日も議員が地元に戻る金曜の午後に設定し、2時間で終わるように仕組む念の入れようだった。
それに対して、石破降ろし側は「石破総理を辞任に追い込む」という直接対決から、「総裁選前倒し」の可否と検討を求める、という防衛ラインをあえて下げる作戦をひそかに練っていた。
出席した議員に取材すると2時間の流れはこうだ。まず冒頭で石破総理が「関税交渉、米問題、防災をどうするのか。引き続き日本国に責任を持っていく」と続投を宣言した。
「有村会長のナイスな裁定だった」(閣僚経験者)
それに対して、旧安倍派の青山繁晴参院議員がマイクを握って「総理は辞めるべきだ」と公然と辞任を求めた。そうした「石破降ろしの声」をひな壇に座り、相手を見ずに腕を組んで聞き置くようなしぐさの石破総理に対し、「いつまで続けるつもりだ」など罵声も飛び交ったという。
局面が変わったのは開会から1時間ほどたってから。司会進行役の有村治子両院議員総会長がこう切り出した。
「総裁選を前倒して実施するべきかどうかに絞って意見をお願いします」
ここで臨時総裁選を実施するべきだという声が続き、有村会長が「総意でよろしいですね?」と問いかけると、拍手が巻き起こった。この瞬間、総裁選前倒しに向けて検討と準備を進めていくことが決まった。
「党則に則って総裁選が前倒しされるだろう。この流れをつくった有村会長のナイスな裁定だった」(出席した閣僚経験者)。
有村氏は「石破総理の続投を認めない」と語ったとされる麻生太郎元総理が率いる麻生派に所属している。「反石破派」と事前に入念に打ち合わせたとみられるスムーズな進行だった。それまで「石破は辞めろ」といっていた反石破派の議員たちも一気に歩調を合わせたからだ。
総裁選の前倒しとは?
自民党の総裁任期は3年だ。昨年9月に総裁選を制した石破総裁の任期はあと2年残る。自民党の党則に総裁をクビにできる規定はない。
ただ、総裁選を前倒して実施することができる規定がある。党則6条4項にある「総裁選前倒し規定」だ。事実上の「総裁リコール規定」と言われている。
2001年の「森降ろし」のときだ。「自民党には自分たちが選んだ総裁を辞めさせる規定がないじゃないか」と気づかされることになり、2002年に新たに設けられた規定だ。
「自民党に所属する国会議員と都道府県連代表の総数の過半数の要求があれば臨時の総裁選が行われる」と記してある。
自民党の党所属議員は衆参295人(衆参議長除く)。都道府県連代表が47人。総数342人中の172人の要求が必要だ。ただ、これまでこの規定が行使されたことは一度もなく、172人の賛否の意思確認の方法などは明記されていない。
今後の意思確認の方法などを総裁選選挙管理委員会で決めてから、同委員会が意思確認を実施していくことになる。
山場は参院選の総括と森山幹事長の去就
ただ、同委員会は11人中6人がいまは落選していて欠員だ。委員長の逢沢一郎衆院議員は海外出張などもあり、動き出すのは早くても8月下旬以降になるだろう。
お盆休み明けの19日にも初回となる会議を開く予定だが、欠員を補充して意思確認の方法を定めることから始めることを考えれば、「少なくとも1カ月以上はかかる」(同委員会のメンバー)とみている。
総会は「反石破派」の作戦勝ちだった。ただ、その意思確認やその方法の確立には相当の時間がかかる。その前にやってくる山場が今回の歴史的な大敗をめぐる「参院選の総括」だ。
8月の最終週にも開催予定だが、その席で森山裕幹事長は「責任を明らかにしたい」と自らの辞任を示唆している。
「石破政権は森山幹事長でもっている」
与野党限らず、永田町ではもはや定説と言えるだろう。自民党内に派閥など足場のない石破総理に代わって党内ににらみを利かせ、野党との太いパイプで少数与党国会を乗り切ってきた。石破総理も「森山さんがいなければ政権運営はできない」とその存在の大きさを認めている。
その森山幹事長が8月末に退任意向を表明したらどうなるか。9月末の自民党の役員任期を前に後任の幹事長を決めなければならない。いつ終わるか分からない政権だ。後任の幹事長選びは難航するだろう。
党内を見渡してみて、石破総理に近い議員の一人は野田聖子元総務大臣の名前を挙げる。自民党史上初の女性幹事長と話題性はあるが、衆参の少数与党という状況で、野党との折衝などとても森山幹事長の後任が務まるとは思わない。
「誰がこんな泥舟に乗りたいもんか」
備蓄米への素早い対応で評価を上げた小泉進次郎氏を挙げる声もある。ただ、小泉氏自身が今回の大敗を「重く受け止めるべきだ」と語っていて、今以上に石破総理を支える側に回ることはないだろう。
後任の幹事長が決められない。さらに同じ党四役のうち、木原誠二選挙対策委員長も総括後に辞任すると表明している。総務会長の鈴木俊一、政調会長の小野寺五典の両氏も9月以降の続投については否定している。鈴木氏は麻生派で、小野寺氏は旧岸田派だ。
つまり、石破総理が9月の自民党役員人事を乗り切るのは極めて難しい。「誰がこんな泥舟に乗りたいもんか」(旧岸田派の議員)。
8月最終週の総括までに石破総理が森山幹事長を慰留で説得できなければ、「総裁選前倒し」規定が発動される前に、自壊する可能性がある。
<後編>豊田章男経産相、安野貴博デジタル相、幹事長はまさかの…石破「やけくそ」崖っぷち改造内閣の顔ぶれを占う に続く
文/長島重治
〈豊田章男経産相、安野貴博デジタル相、幹事長はまさかの…石破「やけくそ」崖っぷち改造内閣の顔ぶれを占う〉へ続く