※本稿は、イタイ・ヨナト『認知戦 悪意のSNS戦略』(文春新書)の一部を再編集したものです。
中国は戦争の準備をしています。中国はいずれ台湾に対して行動を起こし、日本はまともな軍隊を持たないまま、紛争に巻き込まれる事態に直面するのです。
このような事態を想定してみましょう。日本の首相が、アメリカから「2027年か2028年に中国が台湾を攻撃する」という情報を得たとしましょう。日本と台湾は友好的な関係にあるため、中国は最初に日本を攻撃する可能性が高いと思われます。
そのとき日本の首相は、自衛隊の現状をみて愕然とするでしょう。軍艦も航空母艦も潜水艦も足りない、核兵器も海兵隊もない、と。
また、日本は諜報活動にも積極的ではありません。HUMINT(人との接触を通じた情報収集活動)の能力も十分ではありません。
そこで、首相は「いますぐ行動を起こそう。今日動かなければ手遅れになる」と決断します。ところが国会に赴いたら、左派からこのように批判されます。「いや、我々は軍備を増強しないと約束したじゃないですか。なぜ私たちの文化や日常を変えようとするのですか。我々は同意していませんよ!」
このような状況で、首相は一体何をするべきでしょうか。民主制度を尊重して、法に従って「議会の決断を待とう。彼らを説得する必要がある」と言うべきか。それとも「災難が迫っているから、超法規的措置をとろう」などと言うべきでしょうか。
このような状況を想定してみると、日本では国家全体の中にいくつかの問題を抱えていることがわかります。「真実」は一つではなく、各人それぞれの「真実」があるからこそ分断され、多くの見解が出てくるわけです。
分断があると、意思決定ができなくなります。したがって、民主制度を信奉する社会であればあるほど行き詰まり、社会が機能しなくなり、民主制度は破綻するのです。
これは、ロシアや中国にとって好都合です。たとえば中国は「民主主義は失敗している。そして日本は間違っており、我々はその証拠を持っている」と言うわけです。しかも厄介なことに、彼らの議論を支持してくれるような証拠をわずかでも見つけると、彼らはそれを針小棒大に強調できるのです。
また、社会が分裂し、壊れてしまう恐れがある変化のひとつが、気候変動です。多くの地域で農業が不可能になりつつあり、砂漠化が進む結果、何億人もの人々が住む場所を失います。アフリカでは数億人の人々が移住を余儀なくされ、彼らの行き先はおそらくヨーロッパになると思われます。
何億人もの人々が移住してきたら、ヨーロッパはどうなるのか。移民を受け入れて、文化的・民族的に変化するか、あるいは国境で戦争が始まるか、そのどちらかになるでしょう。実際に、ヨーロッパでは10年前には存在しなかった国境線がEU内の国々の間に再び引かれつつあります。
もしヨーロッパがそのような状況に陥った場合、ロシアはどう動くのでしょうか。ただ傍観するのか、それともヨーロッパが著しく弱体化していることを好機と見て、領土を拡大しようとするのかもしれません。
その一方、アメリカは国外に関心を持たず、国内問題に集中しています。
したがって、日本と直接関係がなくとも、国際的、つまり外的な力によって、ある種の破滅的な、あるいは非常に緊迫した状況となる可能性はあるのです。
私は日本政府の関係者と情報交換をしていますが、彼らはこのような状況を理解していると思います。彼らは民主制度を尊重しており、国民が理解し、国会で審議するのを待つ必要があるわけですが、そんなに悠長な時間は残されていません。ですから日本には早めに対策をおこなってほしいのです。
もし私がアメリカやヨーロッパでこのような声をあげたとしても、何の影響も与えられないと確信しています。
民主主義国家において決定権を持とうとすれば60%から70%の支持率が必要ですが、欧米では小さく分裂した支持層があるだけで、それぞれの集団は自分たちの意見に固執しているため、このような支持率を得ることはほぼ無理なのです。日本は、まだそのような状況にはありません。日本人は団結力があり、同質的であるため、素早く変化し、適応することができるのです。
アメリカでは、ドナルド・トランプ大統領がアメリカ人の大多数を代表しているわけではなく、共和党と民主党が互いに半数の支持を得ています。また、共和党のなかにもさまざまな声があるのに、トランプ氏は共和党内で最大の「断片」を取ることで、共和党を乗っ取り、再び大統領の座に返り咲いたわけです。
アメリカの大統領の言動は全世界に影響を与え、どれほどの衝撃をもたらすかは計り知れぬところがあります。おそらく世界は非常に不安定なものとなるでしょう。
社会は分断され、民主主義制度が破綻しつつあります。何度もいっているように、これは中国にとって大きなチャンスなのです。人口が減少する中、北京の現指導部は、自分たちの時代が限られていることを理解しています。中国はあと75年ほどで、人口が半分になってしまう。だからこそ、彼らは「やるなら今だ」と考えているのです。
すべてはつながっている――私が言いたかったのは、この一言です。
過去の歴史、現在の社会、アメリカ大統領、世界的な経済状況、気候変動など、すべてが非常に脆く、燃えやすく、危険な状況をもたらしています。そして、社会の断片化と、SNSやエコーチェンバー現象といった情報バブルのなかに人々がいます。
ロシア、中国、北朝鮮といった攻撃者たちにとって、目の前に火薬が詰まった樽が積まれていて、いつでもマッチで火をつけられる状態です。
中国は、自分たちが世界を支配すべきだと考えています。ロシアは、プーチンが言ったように、ロシアが存在しない世界はありえないという立場です。
習近平もプーチンも、残された時間は少ないと自覚しています。つまり、今、認知戦への対策を早くはじめないと、間に合わなくなるのです。
日本が一致団結して対処を始めれば、少し先に待ち受けている困難な時代を乗り越えることができるチャンスを手にしている――私はそう確信しています。
もし日本が目を覚まさなければ、まず来る国政選挙で、そして将来は中国との間で、厄介なサプライズが待っているでしょう。
私が皆さんに望んでいるのは、誰が自分の心を操ろうとしているのか、自分の望まない解決策を押し付けようとしているのかを知ってもらうことです。
私は本書『認知戦 悪意のSNS戦略』の中ですべてを解決するための方法や、民主制度が良いのか悪いのか、そしてどうすればそれを正すことができるのかという話をしたかったわけではありません。ただし自信を持って言えるのは、民主主義制度は世界中で大きな課題に直面しているということです。
その問題の一つは、「感情」に原因があります。私たち人間が常に犯している最大の過ちは、感情で判断してしまうことです。私たちは、事実に基づき、論理的に考えて、合理的な判断をしなければならないのです。
最後に私の好きな剣道について話しましょう。
剣道では二人が竹刀を交差させ、睨み合って動かなくなります。突然一人が叫ぶと、もう一人は後退りします。後者は筋肉を緊張させて攻撃を準備し、その動きを読み取った前者は叫んだのです。この叫びは「もし攻撃するなら、私は防御するだけではなく、反撃をするぞ」という意味です。そして、彼らは最初からやり直します。
このような動きは、まさに国家間でもおこなわれるべきです。
日本は中国の前で剣を構えて、中国が動き始めたら、日本はこう言うべきなのです。
「あなたの動きは見切っている。動きを止めるべきだ」
ところが、日本人は中国が攻撃の準備をしているのに、気づいていません。中国の影響力工作がおこなわれているのにもかかわらず、日本人は対処するための十分な準備もしていないのです。
戦いが始まる前に負けてしまっています。
そのことを自覚し、一刻も早く準備を始めましょう。
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(元諜報部員 イタイ・ヨナト)
「恨みがあった」同僚の自宅に侵入 イヤホンを盗みリサイクルショップに…刑務官の男逮捕 岩見沢市
北海道・岩見沢警察署は、2025年9月21日、月形町に住む刑務官の男(20)を住居侵入と窃盗の疑いで逮捕したと発表しました。
男は9月9日午前7時ごろから午後4時20分ごろまでの間に、同僚の男性(18)の自宅に無施錠の玄関から侵入し、ワイヤレスイヤホン1組(時価2万円相当)を盗んだ疑いが持たれています。
被害者の男性が何らかの形で被害に気が付き、警察に通報したことで事件が発覚しました。
警察によりますと、盗んだワイヤレスイヤホンがリサイクルショップで売られていたことから男が浮上したということです。
警察の調べに対し男は、「ワイヤレスイヤホンを盗んだことは間違いない」「恨みがあった」と話しています。
警察は男の動機などを詳しく調べています。
立憲民主・野田代表あす就任1年、野党第1党の存在感示せず…与党との直接協議に活路
立憲民主党の野田代表は23日で就任から1年を迎える。衆参両院で与党を過半数割れに追い込んだものの、主導して実現した政策は限られ、野党第1党の存在感は示せていない。野党連携よりも、与党との直接協議で政策実行力をアピールする戦略で活路を見いだしたい考えだが、党勢回復につながるかは見通せない。
「野党連携を基本にしてきたが、自分たちも与党と積極的に協議し、もっと政策実現すべきだった」
野田氏は20日、富山県氷見市で記者団に、この1年の反省を口にした。国民民主党が所得税の非課税枠「年収の壁」の引き上げ、日本維新の会が高校授業料無償化をそれぞれ与党との交渉で受け入れさせたのに比べ、立民の成果は乏しい。
野田氏は昨年9月の代表選で「首相経験者としての安定感」を期待され選出された。立民は同年10月の衆院選では公示前から50議席増の勝利を収め、衆院で与党を過半数割れに追い込んだ。野党で連携し、政策活動費を全廃する法案を成立させた。医療費が高額になった場合に患者負担を抑える「高額療養費制度」の自己負担上限額を引き上げる政府方針も見送らせた。
だが、その後は、立民は野党連携にこだわりながら足並みをそろえる調整力も発揮できず、埋没気味となった。今年7月の参院選は獲得議席は横ばいで、比例選の得票で国民民主や参政党に後れを取り、「事実上の敗北」に終わった。幹事長ら執行部の刷新を余儀なくされたが、党内の不満はくすぶったままだ。読売新聞社の9月の全国世論調査では、立民の政党支持率は5%で野党3位に沈んだ。
窮状の打開に向け、野田氏は与党との交渉に軸足を移している。19日には石破首相、公明の斉藤代表と会談し、立民が参院選公約で掲げた「給付付き税額控除」の制度設計のための協議体の設置で合意した。もっとも、党内でも「課題が多く時間がかかる」と見る向きが多い。関係が良好な首相が退陣することも野田氏には痛手だ。自民党の新総裁次第で仕切り直しになる可能性もある。
立民が与党との協議に傾斜すれば、他の野党と距離が生じるジレンマも抱える。首相指名選挙や内閣不信任決議案の対応では野党の結束が重要となるだけに、野田氏は周囲に「多党化の中、成果を出すのは本当に難しい」と吐露する。
「麻生さんの動向によっては減る可能性がある」田崎史郎氏が前回から唯一「減」と予想した候補者…自民党総裁選きょう告示
テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」(月~金曜・午前8時)は22日、この日告示される石破茂首相の後継を選ぶ自民党総裁選を特集した。
10月4日に投開票される総裁選には、これまでに茂木敏充・前幹事長、小林鷹之・元経済安全保障相、林芳正官房長官、高市早苗・前経済安保相、小泉進次郎農相が出馬を表明していることを伝えた。
スタジオでは、295票ある「議員票」の行方について報じた。スタジオ生出演した政治ジャーナリストの田崎史郎氏は、自身の取材から焦点を「石破総理が出馬しないことで前回石破氏が獲得した票が誰に入るのか」と解説した。
さらに田崎氏は自身の取材に基づく「票読み」を公開。それによると前回の総裁選で茂木氏は「34票」だったが「やや増」。小林氏は前回「41票」から「同水準」。林氏は昨年の「38票」から「大幅増」。高市氏は前回の「72票」から「減」。小泉氏は「75票」から「大幅増」と予想した。
田崎氏は「まず小泉さんについて申し上げると」と切り出し「先週金曜日に選挙対策本部の発足式をやったんですね。そしたら議員、代理、オンラインで参加した人も含めて78人が参加したっていうんです。実際には名前を出さないでほしいっていう人を含めると80人台半ばに現段階でいっている。だから前回の75人より10人ぐらい多いわけです、すでに。これからさらに伸びる可能性があって陣営では100人近くいくんじゃないかって読みをしています」と解説した。
また林氏も「もうちょっといくだろう」などと解説。そして「茂木さん、小林さんは増えるにしてもそんなに増えないし、高市さんはむしろ麻生(太郎)さんの動向によっては減る可能性がある」と解説した。
「進次郎隠し」を森山幹事長が画策か? 自民党総裁選いよいよ告示もテレビ討論会激減の不可解
自民党総裁選は22日告示。茂木敏充前幹事長(69)、小林鷹之元経済安保相(50)、林芳正官房長官(64)、高市早苗前経済安保相(64)、小泉進次郎農相(44)の5人の争いだ。
22日の候補者所見発表演説会を皮切りに、23日は共同記者会見と青年局・女性局主催の公開討論会、24日は日本記者クラブ主催の討論会と東京都内での演説会と、来月3日の投開票前日まで12日間にわたって選挙戦が繰り広げられる。自民党はその間、いつものようにメディアジャックするつもりだろうが、「ザ・マッチ」と囃してお祭り騒ぎだった昨年の総裁選と異なるのは、5人揃って出演するテレビ討論会の回数が減っていることだ。
■5人そろうのは各局1回限り
「党側の仕切りで、今回はテレビ各局、討論会は1回限りということになった。テレビは情報系と報道系など政治を扱うさまざまな番組があるし、地上波だけでなくBSにも討論番組がある。前回は希望すれば1つのテレビ局の複数の番組で討論会をすることができたが、今回は1回だけと。候補者それぞれの自由な活動を縛らないためとのことなのですが……」(民放テレビ関係者)
前回の選挙期間は15日間で、自民党の公式ホームページの「総裁選2024ハイライト」によれば、<選管主催の討論会をはじめテレビ等メディアに出演し、合計18回の討論会を実施した>という。今回は12日間で、党選管(選挙管理委員会)主催2回、日本記者クラブ1回、在京テレビ6社各1回、ネットメディア2社各1回の計11回の予定だ。
「前回はメディアの討論会が多く、野党から『長い政治空白をつくって、電波ジャックして』と批判や異論が出た。その反省に立って、回数を減らしたそうです」(自民党関係者)
「進次郎構文」を警戒?
「候補者の自由な活動を縛らない」「野党への配慮」──いずれももっともらしい理由だが、党内には別の見方もある。ズバリ「進次郎隠し」だ。
「討論会の回数は選管主導で決めている。逢沢委員長と森山幹事長の意向だろう。今回の総裁選で森山幹事長は菅元首相とともに進次郎さんの“後見役”です。現状、進次郎さんが党員票でも議員票でも優勢で、最有力の本命。それが崩れるとすれば、鬼門のテレビ討論会です。司会者から厳しく突っ込まれて、意味不明な『進次郎構文』が出たりと、昨年のような失速の二の舞いもあり得る。進次郎推しの森山幹事長にすれば、5人の器量が比較されるテレビ討論会はできるだけ減らしたいのが本音だろう」(自民党ベテラン)
総裁選では今回も逢沢選管委員長名で、報道機関に「公平・公正な報道」を要請したり、所属議員に対し「報道機関のアンケートへの対応自粛」を求めたりしている。加えて、メディアの討論会への消極姿勢……。しかし、討論会に出せないような人物が一国の首相になっていいのか。
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自民党総裁選はいよいよ本番。新総裁は連立政権の枠組み拡大に動くのか、どこを引き入れるのか。レース後を見据え、外野の争いも激化。●関連記事【もっと読む】『総裁選後見据え“外野争い”が激化…「進次郎首相」誕生心待ちの維新に公明は恨み骨髄』で詳しく報じている。
林官房長官が総裁選“撃沈”危機…石破首相辞任「必定」発言を謝罪&撤回も後の祭りか
自民党総裁選でダークホースと目されている林官房長官。豊富な閣僚経験や手堅い答弁が定評で「安定感抜群」とみられているが、22日の告示日を前に、まさかの失言を犯し、謝罪・撤回に追い込まれた。
林官房長官がやらかしたのは、18日のインターネット番組でのこと。石破首相の退陣表明に関し「選挙に負けた。次の人に道筋をつけてから辞めるのは必定だった」と発言。さらに、自公が参院選の公約に掲げた2万~4万円の現金給付案について「私だったらやらなかったかもしれない」とも言ってのけた。
石破辞任が「必定」と言うなら、女房役の自らの責任も免れない。現金給付については、官房長官として決定に関わっているのだから、批判すること自体がおかしい。
「天に唾する発言」というわけだが、マズいと思ったのだろう、21日にメディアを通じて謝罪と撤回を表明。「必定」発言については、毎日新聞電子版で「若干言葉足らずで誤解を招く発言だったので『必定』というところも、おわびして取り消させてもらいたい」。現金給付に関しては、フジテレビの番組で「一緒に決定に携わっているわけだから、やっぱりこれはちょっとなかったなと思っている」と、発言を取り下げた。
■普段はキツイ言葉を使うことも
永田町では「手堅いはずの彼がなぜ?」という声が上がっているが、18日のネット番組での林官房長官は、官房長官会見時のまるで官僚のような淡々とした雰囲気とは違った。好きなマンガのセリフを聞かれると、「巨人の星」の主人公・星飛雄馬のライバル・伴宙太の「星くん!」という言葉をモノマネ付きで披露。死ぬまでにお金は使い切るか、という質問には「殺されます。残さないと」と冗談を飛ばし、笑いを取っていた。かなり、リラックスした様子だった。
「安定感があると言われる林さんですが、普段は意外とざっくばらんで、キツイ言葉を使うこともしばしば。現金給付案については当初から反対だったそうですから、つい本音が出たということでしょう」(政界関係者)
こんな見方もある。
「林さんは前回総裁選と比べ、支持の広がりに相当な手応えを感じているそうだ。小泉農相が失言で失速したり、高市前経済安保相も広がりを欠く展開が予想される。チャンスが巡ってきており、前のめりになっているのではないか」(官邸事情通)
閣僚更迭など緊急時に後任として起用されてきたため、「政界の119番」と呼ばれる林官房長官。自らピンチに陥って、誰かに「119番」する日がくるかもしれない。
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「ポスト石破」をめぐる自民党内のドロドロ、醜悪な足の引っ張り合い、駆け引きについては、関連記事【もっと読む】【さらに読む】などで詳しく報じている。
生徒に「今日から私の奴隷ね」 宇都宮の女性高校教諭、出勤停止
宇都宮市の宇都宮文星女子高の50代女性教諭が、1年生の生徒1人に「私の奴隷」などと発言し、約1カ月の出勤停止処分を受けていたことが22日、高校への取材で分かった。教諭は「深い意味はなくつい使ってしまった」と話している。
高校によると、教諭は6月上旬、机を移動させる指示に従わなかった生徒に「今日から私の奴隷ね」と発言。その後も複数回にわたって同様の発言を繰り返しており、授業後にこの生徒にだけ掃除するよう指示したこともあったという。生徒はショックを受け、授業を1回欠席した。
高校を運営する学校法人は教諭を8月から約1カ月出勤停止の懲戒処分とした。
世界文化遺産候補「飛鳥・藤原」 奈良県民でも「知らない」2割
2026年7月にも奈良県内4件目の登録が期待される世界文化遺産候補「飛鳥・藤原の宮都(飛鳥・藤原)」(明日香村、橿原、桜井両市)について奈良県が8月、認知度アンケートを実施したところ「知らない」と答えた県民が2割弱を占めた。19構成資産のうち「行ったことがない」とされたのは「中尾山古墳」(史跡、明日香村)がワースト1位だった。
県のアンケートは8月6~12日、無作為抽出した県民に郵送で実施。対象は334人で回答率は85・6%(286人)だった。
「世界遺産を目指す飛鳥・藤原を知っているか」の質問で「よく知っている」が40・2%、「なんとなく知っている」は42・7%。一方、「知らない」の回答が17・1%と2割弱もあった。「構成資産に行ったことがあるか」の質問で「(1カ所も)ない」とする回答も19・2%あった。
さらに19構成資産別の関心度を調査。「(訪問して)関心を持った資産」は「石舞台古墳」(特別史跡、明日香村)が41・5%と断トツだった。逆に1カ所でも構成資産に訪問した経験がある人に「行ったことのない構成資産」を質問したところ(複数回答)、ワースト1位は「中尾山古墳」で76・3%。2位は「菖蒲池古墳」(史跡、橿原市)70・5%、3位は「檜隈(ひのくま)寺跡」(史跡、明日香村)68・8%だった。
中尾山古墳は文武天皇陵とする説が有力な八角墳で、国営飛鳥歴史公園内にある。菖蒲池古墳は7世紀中ごろの方墳で石室内にある精巧な造りの家形石棺が常時見学できる。檜隈寺跡は渡来系氏族、東漢氏(やまとのあやうじ)の氏寺とされる古代寺院跡。
県世界遺産室の担当者は「県民の知名度不足を感じた。世界遺産登録に向け、周知や整備を進めたい」と話している。【皆木成実】
自民党総裁選スタート、届け出の5候補は物価高受けた経済政策を重視…野党連携では温度差
石破首相の後継を決める自民党総裁選が22日告示され、いずれも昨年9月の前回総裁選に出馬した5氏が立候補を届け出た。長引く物価高を受けた経済政策や党改革などに加え、衆参両院で少数与党となる中で野党との連携のあり方が争点となる。10月4日に投開票される。
立候補の届け出は22日午前10時から党本部で行われ、小林鷹之・元経済安全保障相(50)、茂木敏充・前幹事長(69)、林芳正官房長官(64)、高市早苗・前経済安保相(64)、小泉進次郎農相(44)の順に届け出た。5氏は同日午後、所見発表演説会に臨み、自身の掲げる政策や主張を訴える。
総裁選は全国の党員投票を伴う「フルスペック」方式で行う。選挙期間は12日間で、各候補は国会議員票295票と同数の党員・党友票の合計590票を争う。第1回投票で過半数を獲得する候補がいなかった場合、上位2人による決選投票が行われる。石破首相(党総裁)は任期途中での退陣となるため、新総裁の任期は首相の残り任期の2027年9月までとなる。
各候補は、物価高対策を含む経済政策を重視している。
小林氏は所得税の時限的な「定率減税」を実施し、家計の負担軽減を訴える。茂木氏は地方自治体が自由に使える数兆円規模の「生活支援特別地方交付金」の創設を掲げる。
林氏は毎年1%程度の実質賃金上昇の定着を主張する。高市氏は減税と現金給付を組み合わせた「給付付き税額控除」の制度化を進めるとの立場だ。小泉氏は所得税制を改正し、物価や賃金上昇に連動して基礎控除などを調整する仕組みの導入で、手取り増につなげるとしている。
一方、野党との連携のあり方では、各候補で踏み込みに温度差がある。
小林氏は、政策ごとに個別野党と連携する「部分連合」と連立の枠組み拡大の議論を同時並行で行うとする。茂木氏は政治の安定に向けて連立の枠組み拡大を主張し、日本維新の会、国民民主党を交渉相手と言及している。
林氏は「総裁選で議論すべきではない」と訴える。高市氏は、基本政策が合致する野党との連立政権を模索すると強調。小泉氏は政策や理念の一致を見極め、連立の枠組み拡大を目指す構えだ。
5氏は23日に共同記者会見に臨み、24日には日本記者クラブが主催する公開討論会で論戦を交わす。選挙期間中には東京、愛知、大阪の3都府県で地方演説会も実施する。
「スマホ1日2時間以内」の条例案をきょう採決へ 愛知・豊明市 全市民にスマホ利用抑制促す全国初の試み
余暇でのスマホ利用を1日2時間以内を目安とする条例案が愛知県の豊明市議会できょう採決されます。この条例案に強制力や罰則はありませんが、全ての市民を対象にスマホの利用抑制を促す全国初の試みになります。
市議会の委員会採決では賛否が同数に分かれ、委員長判断により、かろうじて可決されています。
きょうの採決で可決されれば、来月1日に施行されます。