石破茂首相が退陣を表明し、早くも総裁選レースが動き出した。新総裁と今後の連立の枠組みなど政界再編に注目が集まるが、野党の動向についても検証したい。
7月の参院選では、自民・公明は大きく議席を減らし、与党は過半数割れとなった。その一方で、野党第一党の立憲民主党も改選22議席から上積みができず、政権批判の受け皿にはなれなかった。立憲民主党と選挙協力を行った共産党も、改選前の半分以下となる3議席にとどまった。なぜ、左派・リベラル勢力は振るわなかったのか。
既成政党への不満が高まる一方で、「日本人ファースト」に象徴される右派的主張を唱える参政党や、「手取りを増やす」を訴え、ポピュリズムを動かした国民民主党が躍進した。
東京都の世田谷区長を務める保坂展人さんは、かつて社民党の衆院議員として「自社さ政権」に参画し、自民党の議員たちとも政策の立案・決定などに携わってきた。
現在は、人口約92万人を抱える自治体の首長として、独自の政策に取り組んだことで保守層からも安定的な支持を得て、すでに4期目14年を数える。
ジャーナリストの亀井洋志がリベラル派の政治家の中で稀有な存在である保坂氏にインタビューし、国政でリベラル勢力が低迷している現状について原因を分析してもらった。
※インタビューは8月15日に実施しました。
――参院選の結果、与党は非改選も含めて過半数(125議席)を割り、惨敗しました。その一方で立憲民主党は獲得議席が横ばいの22議席にとどまり、野党第一党としての存在感を示すことができませんでした。この結果をどう分析されますか。
【保坂】立憲民主党は獲得議席数だけを見れば現状維持ですが、事実上の敗北といわざるをえません。全国に32ある「1人区」のうち17選挙区で共産党の候補者が降りています。
一方で、保守票の食い合いも起きました。参政党が全選挙区に候補者を立て自民党の票を削ったことを考慮すれば、立憲民主党はかなりの苦戦だったと見るべきでしょう。事実、比例代表の得票数は国民民主党、参政党の後塵を拝し、野党3位でした。
有権者からすれば、石破茂首相と野田佳彦代表は同質・同類の政治家に見えたのではないでしょうか。二人は同じ年齢で、党首討論で互いを「(1990年代の)政治改革を知る世代の政治家」として評価し合っています。
選挙前から選挙後に至るまで大連立の噂が絶えないのも、両氏の関係に、自民党と立憲民主党の差異よりも共通項を感じる人が多かったからではないでしょうか。
【保坂】自民党は旧安部派を中心とした「政治とカネ」の問題に決着がつけられず、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)との長年の癒着の歴史への調査も怠ってきました。
自民党の自壊が進み、4半世紀にわたって相互補完関係にあった公明党との選挙協力も十分に機能しなくなってきています。
長年にわたって自民党の政治体質を厳しく批判してきたのが、かつての民主党であり、現在の立憲民主党でした。
2024年10月の衆院選で自公は過半数割れになり、少数与党となった石破政権とどう向き合うかが注目されました。立憲民主党は予算委員長や法務委員長、憲法審査会長などの主要ポストを押さえましたが、この9カ月間で「新しい政治の形」が見えてこないことへの厳しい評価だったのかもしれません。
多くの人々にとって関心の高い「高額療養費制度」の自己負担上限の引き上げを中止に追い込みましたし、与党が多数の時代には数の力で拒否し続けてきた裏金議員の参考人質疑を実現するなど、成果はありました。
立憲民主党としても正念場だった年金制度改革関連法は、自公と修正協議を経て6月に成立させました。与党の原案に立憲が主張していた基礎年金の底上げ策を盛り込む形で修正したわけですが、年金制度の複雑さがあるとはいえ、重要な政治課題が有権者に正確に理解されたとは言い難い状況でした。
つまり、衆院選で自公を少数与党に転落させた後、「こんな政権をつくる」というビジョンを示せなかったことで、立憲民主党への期待値は下がっていったのだと思います。
――国民民主党の玉木雄一郎代表との間で政策合意できなかったことも、立憲民主党にとって敗因の一つなのでしょうか。
【保坂】国民民主党の玉木雄一郎代表の、「立憲民主党とは共闘しないで距離を置く」という戦略に阻まれた部分もあります。
「選択的夫婦別姓」で立憲民主党と国民民主党はほぼ同じ法案を提出していながら、国民民主党は国会での政策共闘を頑なに拒みました。保守派の支持層が離れるのを気にしたのかもしれません。結局、野党間の足並みは揃わず、与党と国民民主党が消極的な姿勢を取ったため、選択的夫婦別姓制度の法案採決は見送られました。
立憲民主党と国民民主党はともに旧民主党ですが、国民民主党のほうは昔の民社党のように旧同盟系の労働組合出身の議員が多い。ところが、立憲民主党と距離を取り続けることで、「若い新党」の仮面を被ることに成功したといえます。
また、両党は選挙協力を名目に政策協議を続けてきましたが、玉木氏が立憲民主党に迫ったのが憲法改正と、安保関連法、脱原発の見直しでした。
どちらかというと保守系寄りといわれる野田氏ですが、党の政策の根源に関わる問題ですので棚上げして受け入れるわけにはいかなかったのでしょう。
――野党間の政策協議がうまくいっていないとのご指摘ですが、保坂さんは国会議員時代に自民党・社民党・新党さきがけによる連立内閣「自社さ政権」の一員として、自民党議員らとも政策の立案を担いました。
【保坂】私は1996年に社民党から衆院議員に当選しました。当時は第2次橋本龍太郎内閣でしたが、「自社さ政権」の閣外協力の与党議員として政治家1年生をスタートしました。与野党として対決してきた自民党と旧社会党が手を握ったことで「野合」といわれ、評判は当時もいまもよくありませんが、結果として「自社さ」は4年半も続いたのです。
自民党の幹事長を務めていたのが加藤紘一氏で、この当時の自民党は旗印だった「改憲」をいったん封印したのです。改めて再評価されるべき「自社さ政権」ですが、日本の政治が「官僚型統制」を脱して「市民参画型」へと脱皮していく重要な時期にあって、意外なほどに成果はありました。
私が担当したのは「国家公務員倫理法」と「個人情報保護法」で、当時の辻元清美さん(現・立憲民主党)が担当したのが「情報公開法」と「特定非営利活動促進法(NPO法)」でした。国家主権的な旧来の制度に対して、国民主権、市民主権を対置させてきたのです。
1年生議員だった私は国会図書館に通って、山崎拓氏が座長だった与党政策調整会議に提出する国家公務員倫理法の原案を練る作業に没頭し、他の議員や官僚とも議論を重ねました。
また、社民党が連立政権から離脱してからも、私自身は力を入れたい「チャイルドライン設立支援」の政策テーマで超党派議連をつくり、事務局長として「児童虐待防止法」を議員立法として提出し、2000年に成立させました。
こうした経験からすると、自公が少数与党となっている今、政策をまとめて成果が出せる好機だと思います。しかし、こうした議員たちの熱意が見えてきません。たとえば、「選択的夫婦別姓」をめぐる議論にはほとんど前進が見られません。
また、戦後80年を経ても、太平洋戦争中の空襲などの民間被害者に対する国の救済を求める超党派議員立法は実現しておらず、国会での救済法案の審議も停滞したままです。
そのため、世田谷区では現在、民間空襲被害者に対し、戦災孤児や障害者手帳のない人も含め、自治体独自の支援策はできないかと検討しているところです。
――共産党は東京選挙区の1議席と、比例当選が2議席にとどまりました。改選7議席から3議席まで後退しました。リベラル勢力が有権者の支持を回復するために必要なことは何でしょうか。
【保坂】参院選での1人区を巡る立憲民主党と共産党の共闘はぎりぎりのタイミングで広がり、自公の過半数割れという成果を出しました。
2021年の衆院選でも、立憲民主党や共産党などの野党が協力して210の小選挙区で統一候補を立てました。結果的には立憲民主党と共産党は議席を減らしたのですが、実は僅差で敗れた激戦区は多くあり、かなり健闘したのです。
自民党は危機感から「立憲共産党」と呼んで攻撃したのですが、立憲民主党側はそのトラウマを抱えることになった。このため、それ以降は積極的な共闘の呼びかけを控え、共産党が自主的に候補を降ろしてくれるのを待つという中途半端な姿勢に終始しています。
枝野幸男代表(当時)もわざわざ「共産党との連立政権は考えていない」などと表明していました。立憲民主党が単独政権を勝ち取る可能性は限りなく低く、野党間の選挙協力は避けて通れない。にもかかわらず、今回の参院選でも1人区をめぐる調整は遅れに遅れました。こうした及び腰な態度が今日のリベラル退潮に結びついていないか、しっかりと考え直すべきです。
そもそも、立憲民主党の結党の経緯を振り返ると、17年の衆院解散時、民進党(旧民主党)が希望の党に合流する際に、小池百合子氏が「排除の論理」を持ち出して、一部の議員の合流を拒みました。
改憲や安保法制への賛成を「踏み絵」にしたことに対し、枝野氏らリベラル派の議員が反発して新党を立ち上げる形で出発しています。
【保坂】枝野氏は「立憲民主党はあなたです」をスローガンに、数合わせや密室政治といった永田町の論理に「市民参加型の政治」を対置させ、ボトムアップ型の政党ということをしきりに訴えてブームに乗りました。
ですが、「選挙の時にボランティアに来て下さい」「サポーターになると代表選の投票権があります」といっても、じゃあ選挙が終わって日常に戻った時にどれほど有権者の意向をくみ取ってくれるのか。それがいま政治の形として求められていることに、立憲民主党はほとんど応えられていなかったと感じます。
思い起こすのは、1964年に当時の社会党委員長だった成田知巳氏が、社会党が克服しなければならない3つの弱点として、①日常活動の不足②議員党的体質③労組依存――を挙げていることです。「成田3原則」と言います。
これは立憲民主党だけではなく、国民民主党にも当てはまることだと思いますが、政治主張こそ変化しても、60年経っても同じ体質を引きずっているというのはいかがなものかと思います。
共産党も有権者の声を聞いていますが、やはり最終的には上意下達型の中央集権政党です。特に無党派層の人たちから見ると、なかなかフラットで対等なヨコの関係にはなっていかないのです。
――参政党が14議席を獲得して躍進しましたが、この現象をどう見ますか。
既成政党が「政治のプロ」として上から目線で政策を説くのに対して、そうではない「ボトムアップ型」や「参加のプロセス」が新しい政党への期待を高めたといえます。
参政党は党費を払って党員になると、タウンミーティングやワークショップに参加・参画できるというチャネルがあって、政策形成を一緒にやる参加型政党のイメージをつくることに成功していると思います。
「食の安全」「オーガニック」をアピールし、ワクチン接種に懐疑的な人たちを取り込み、過去の戦争を正当化する復古主義的な主張まであります。ごった煮のような状態ですが、有権者が政治参加するために参加のプロセスを重視したさまざまな回路が用意されていたことに注目しています。
国民民主党も、SNSに上がる言説や街の声に敏感に反応しながら、「103万円の壁」や「もっと!手取りを増やす」という言葉を発信して身近(みぢか)感をつくり出したといえるでしょう。ただし、ワンフレーズ・ポリティクスだけでは政権運営はできません。
こうした事象は、昨年の都知事選で石丸伸二氏が165万票を獲得して“石丸現象”を起こしたことにも通じます。石丸氏が代表を務めていた政治団体「再生の道」は、今年の都議会議員選挙に続いて参院選でも議席がゼロでした。昨年の勢いは消えて、石丸氏も代表の座を去りました。
石丸氏の政策は空洞で、都知事選挙で2位となったことで、新時代の政治家として「嵐の目」になると目されたものの、そうはならなかったのが現実です。世の中の移りかわりの早さを感じます。「政策は出さない。トップダウンではなくボトムアップで政策をつくる」みたいな呼びかけが、有権者にはフラットで対等なところからの発言とSNSの動画洪水で新鮮に映ったのは確かでしょう。
――保坂さんは2011年に世田谷区長に就任して、すでに4期目を迎えています。「5%改革」を唱え、行政の95%は継続するが、毎年5%だけ改革を断行するというスタンスを取ってきました。その結果、国ができないことでも自治体として取り組み、パートナーシップ宣誓制度、新型コロナ対策、などで成果を上げてきました。その内容についてお聞かせ下さい。
地方自治体が頑張れば制度は変わる、社会が動くというムードが醸成されてきているのは、やはり永田町の政策が一歩も動かないという対比からくる実感ではないでしょうか。
その一例が、15年11月に世田谷区が渋谷区とともに日本で初めて導入した、同性カップルの「パートナーシップ宣誓制度」です。
「私たちはパートナーです」と宣誓する書類を提出した同性カップルに、自治体の裁量でカップルであることを承認し、その宣誓書を受け取った証明書を発行するという制度です。
なぜ、こんなまわりくどい仕組みをつくったのかというと、憲法や民法に照らしても、自治体が同性婚を認めるのは法的に難しいからです。自治体が証明しているのは「宣誓書を受領した証明書」にすぎず、この証明書には法的な実効性があるわけではありません。
ただ、何より同性カップルが差別されたり排除されたりすることがないように、地域社会で受け入れていく姿勢を示していくことが大切です。保守系の首長のみなさんにも理解が広まり、今年5月時点で、全国で約530の自治体でこの制度が導入されています。
導入した自治体の総人口の比率でいうと、日本の人口の92.5%をカバーするところまで制度は広がりましたが、それでも国はまったく動きません。本来であれば民法改正など法的な検討を進めるべきですが、LGBT理解増進法という罰則のない理念法の制定にとどまっています。全国の自治体が取り組んでいることにくらべたら、手前の手前の段階なのです。
――新型コロナウイルスの感染拡大時にも、世田谷区はPCR検査の拡大など独自の対策を行ってきました。
国はPCR検査を軽症者にも広げると医療崩壊を招くとして、検査の実施を絞り込んでいました。検査を受けられる基準として「37.5℃以上の発熱が4日間続いた時」などとしていましたが、世田谷区ではそれにとらわれることなく、国に先んじて希望者に検査を受けられるよう拡大していきました。
国が新型コロナ対策の専門家会議や分科会をリードした尾身茂氏は暗中模索だったとはいえ、世界で「発熱4日以上」等の検査基準を示している国はほかにありませんでした。
世田谷区は専門家と連携し、高齢者施設等のクラスター防止のための全員検査を行ってきました。また、すでに世界で採用されていた複数人分の検体を一気に検査できる「プール方式」を採用し、検査数を増やすことができたのです。田村憲久厚生労働大臣(当時)に直談判し、消極的な感染研の抵抗を振り切って認めてもらいました。結果として、その後になって国の方針がついてきました。
政治との関わりについて思い起こすと、私は当時の立憲民主党幹部と何度も話をしました。世界の動向や英医学誌「ランセット」等の新しい知見などに精通する専門家の力を借りて、野党でもう一つの専門家会議をつくるべきだと提案したのです。
けれども、反応は乏しかったですね。推測ですが、与党の失敗を待ったほうがいいという計算があったのだと思います。そういう打算的なところが有権者から見抜かれてしまうのです。よほど自民党の政務三役のほうが勉強していましたし、霞が関も必死でした。
結局、野党はコロナ対策のシンクタンクをつくったとしても、間違った政策提言をしてしまうことを恐れたのではないかと思います。そのリスクはたしかにあります。しかし、パンデミックで多くの人の生命がかかっている時に、汗をかかず見物・批評をしているだけの政治家は信用されません。リスクを抱えられない野党には、政権も政策も任せられないということになりませんか。
国会議員には秘書が3人いるだけではなく、衆参両院に調査室があり、リクエストすると半日から2日で関連情報を集めてくれます。
さらにすごいのは、国会図書館の機能です。立法考査局には一流の研究者がいて、難しいテーマでも勉強会や論点の絞り込み、海外の論文を広く漁って最新の情報を提供しています。しかし、日本最高のシンクタンクがあるにもかかわらず、コロナ対応でフル稼働したという話を聞きませんでした。
――全国的に右派系の新党ブームが起きている中で、世田谷区も例に漏れず都議選の得票数ツートップを自民党と参政党が占め、参院選の投票先トップは国民民主党でした。なぜ世田谷区民はリベラルな区長を選んでいる一方、参院選や都議選では保守政党を選んでいるのでしょうか。
従来の「保守」「革新」という対立軸は、世田谷区にはあてはまりません。私自身が漸進的な改革、すなわち急進的ではない時間とプロセスを踏んで、じっくり対話を重ねて政策遂行するスタイルで区政にあたっています。
これまでの4回の選挙の中で、2期目、3期目、4期目と自民党推薦候補との一騎討ちが続きましたが、自民、公明支持者の半数の支持を得て、野党支持層の大半の支持と合わせて勝ってきました。
世田谷区の中で党派を超えた理解と支持が続いてきたのは、地方自治の特性だと思います。国政でどの政党に投票しようが、党派性を優先しない政策で戦う区長選は別というフレームができた結果だと考えています。
私としては、リベラルの限界がどこにあったのかを総括して、ボトムアップ型の政策形成を実らせていくことが重要だと考えています。
与党や内閣への対案というレベルではなく、各自治体や地方議員と連携しながら先駆的でオルタナティブな政策をつくり続けていきたいと思っています。
――参院選の結果、二大政党制は遠のき、本格的な多党制になりました。この混沌とした状況から、今後、政局はどう動いていくと見ていますか。
93年の「非自民連立政権」、94年に発足した「自社さ政権」や09年発足の民主党、社民党、国民新党の3党連立政権など、この30年の間にさまざまな枠組みがありました。
自公が少数与党となり、今後は連立の枠組みをめぐり駆け引きが続くでしょう。自民党の右派、日本維新の会、参政党、日本保守党の塊ができるかもしれません。今後、石破氏に代わる総理・総裁が登場しても、必然的に多数派を取るために連立内閣の模索が始まっていくのではないか。
国民民主党の動向も大きな決め手になると思います。バスに乗り遅れるなとばかりに憲法も原発も安保法制も妥協して、立憲民主党が政策変更を迫られるような事態もないとは言えません。
近年、米国のトランプ大統領の「米国ファースト」や、欧州では反移民などを旗印にしたポピュリズム(大衆迎合主義)が台頭しています。世界各国で同時に起きている現象で、複雑な政治課題などを単純化し、反移民などの感情に訴える形で既存政党や政治家、既得権を持つ人々や大手メディアなどへの批判が巻き起こっています。
いま世界中がポピュリズムの嵐にのまれたり、逆に跳ね返したりしているけれども、日本で本格的な嵐の前触れが来たのが、「外国人問題」が政治課題に急浮上した今回の参院選です。
次の衆議院選挙では参院選で加速したポピュリズムの大勝利となるのか。あるいは、中道を含めたリベラル勢力がポピュリズムを押しとどめることができるのか。日本の民主主義が、その岐路に立たされていることはまちがいありません。
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(東京都世田谷区長 保坂 展人、ジャーナリスト 亀井 洋志)
台風18号は午後にも猛烈な勢力へ 台風19号は動き遅く進路定まらず
9月22日(月)6時現在、台風18号(ラガサ)、台風19号(ノグリー)ともに非常に強い勢力となっています。
台風19号は発達のピークは過ぎたものの、台風18号は今日の午後にも猛烈な勢力になる予想です。
台風18号(ラガサ) 今後発達して猛烈な勢力に
▼台風18号 9月22日(月)6時
中心位置 フィリピンの東
大きさ階級 //
強さ階級 非常に強い
移動 西 20 km/h
中心気圧 925 hPa
最大風速 50 m/s (中心付近)
最大瞬間風速 70 m/s
22日(月)6時現在、非常に強い勢力の台風18号はフィリピンの東を西に進んでいます。中心付近の最大風速が50m/sと発達を続けていて、今日の午後には猛烈な勢力になる予想です。
フィリピンと台湾の間を通過した後、24日(水)以降には非常に強い勢力で中国・華南にかなり近づくとみられます。
石垣島や宮古島は風と波の影響強まる
台風18号は直径900km近い大きな強風域を伴っているため、沖縄から離れて通っても風や波の影響が出るとみられます。
すでに石垣島で17.0m/sの最大瞬間風速を観測し、風が強まってきています。ピーク時は平均で15m/s前後、瞬間的には20m/s前後の強風が吹く予想です。波は5m以上のしけとなるため、海のレジャーは控えるようにしてください。
進路に近いフィリピン・ルソン島や台湾では23日(火)にかけて荒天が予想され、その後は中国・華南を中心に風雨が強まる見通しです。渡航の予定がある場合は最新の台風情報をご確認ください。
台風19号(ノグリー) 動きが遅くなる見込み
▼台風19号 9月22日(月)6時
中心位置 南鳥島近海
大きさ階級 //
強さ階級 非常に強い
移動 北 15 km/h
中心気圧 935 hPa
最大風速 50 m/s (中心付近)
最大瞬間風速 70 m/s
台風19号は発達のピークを過ぎ、猛烈な勢力から非常に強い勢力に変わっています。今後はやや北上した後は動きが非常に遅くなる見込みです。上空を吹く強い西寄りの風、偏西風にはまだ乗ることができず、東西を高気圧に挟まれる形になるため、ほとんど停滞するとみられます。
予報円は非常に大きく予測の不確実性が高いことを示しています。ある程度北上すれば偏西風の影響を受けて、東に進路を変える見通しですが、それまでは動向に注意が必要です。
参考 世界各国の気象機関が計算した進路の数値シミュレーション結果
この図の細い線1本1本は、世界各国の気象機関が計算した数値シミュレーションの結果をあらわします。アンサンブル予報という手法による低気圧中心の計算結果で、初期値に意図的な誤差を与えることで予報の確実性などを検討する材料になります。
これらを比較すると、やや北上するところまでは揃っていますが、その後はコースにばらつきがあることがわかります。現時点では動きが遅くなった後に北から北東方面に進路を変えるものが多数となっていて、西寄りに計算するものは前日の予想よりは少なくなってきています。まだ予測の不確実性が大きい状況ではありますので、今後の予測に変化が発生する可能性もあります。
日がたつにつれて誤差は縮小する見込みですので、今後の情報にご注意ください。
9月は台風の上陸が最も多い時期
平年の台風発生数
台風発生数の平年値を見ると、9月の台風発生数の平年値は5.0個で、8月に次いで一年の中で2番目に台風の発生が多い時期です。一方、台風の上陸数の平年値では9月が最も多く、本土への接近数も最も多い時期となっています。
本州方面にとっては例年9月が台風シーズンのピークとなりますので、台風対策・大雨対策等を整えておくようにしてください。
台風の名前
北西太平洋や南シナ海で発生した台風の名前は、国際機関「台風委員会」の加盟国などが提案した名称があらかじめ140個用意されていて、発生順につけられます。
台風18号の「ラガサ(Ragasa)」はフィリピンが提案した名称で、動きを速めることを意味するタガログ語からとられています。この名前が使われるのは今回が初めてです。前回までは「ハギビス」が割り当てられていましたが、2019年台風19号(令和元年東日本台風)の被害を受けて引退となっていました。
台風19号の「ノグリー(Neoguri/)」は韓国が提案した名称で、朝鮮語でたぬきのことです。
中国はすでに対日攻略を始めている…イスラエル元諜報部員が考える「台湾有事」の前に狙われる日本の急所とは
※本稿は、イタイ・ヨナト『認知戦 悪意のSNS戦略』(文春新書)の一部を再編集したものです。
中国は戦争の準備をしています。中国はいずれ台湾に対して行動を起こし、日本はまともな軍隊を持たないまま、紛争に巻き込まれる事態に直面するのです。
このような事態を想定してみましょう。日本の首相が、アメリカから「2027年か2028年に中国が台湾を攻撃する」という情報を得たとしましょう。日本と台湾は友好的な関係にあるため、中国は最初に日本を攻撃する可能性が高いと思われます。
そのとき日本の首相は、自衛隊の現状をみて愕然とするでしょう。軍艦も航空母艦も潜水艦も足りない、核兵器も海兵隊もない、と。
また、日本は諜報活動にも積極的ではありません。HUMINT(人との接触を通じた情報収集活動)の能力も十分ではありません。
そこで、首相は「いますぐ行動を起こそう。今日動かなければ手遅れになる」と決断します。ところが国会に赴いたら、左派からこのように批判されます。「いや、我々は軍備を増強しないと約束したじゃないですか。なぜ私たちの文化や日常を変えようとするのですか。我々は同意していませんよ!」
このような状況で、首相は一体何をするべきでしょうか。民主制度を尊重して、法に従って「議会の決断を待とう。彼らを説得する必要がある」と言うべきか。それとも「災難が迫っているから、超法規的措置をとろう」などと言うべきでしょうか。
このような状況を想定してみると、日本では国家全体の中にいくつかの問題を抱えていることがわかります。「真実」は一つではなく、各人それぞれの「真実」があるからこそ分断され、多くの見解が出てくるわけです。
分断があると、意思決定ができなくなります。したがって、民主制度を信奉する社会であればあるほど行き詰まり、社会が機能しなくなり、民主制度は破綻するのです。
これは、ロシアや中国にとって好都合です。たとえば中国は「民主主義は失敗している。そして日本は間違っており、我々はその証拠を持っている」と言うわけです。しかも厄介なことに、彼らの議論を支持してくれるような証拠をわずかでも見つけると、彼らはそれを針小棒大に強調できるのです。
また、社会が分裂し、壊れてしまう恐れがある変化のひとつが、気候変動です。多くの地域で農業が不可能になりつつあり、砂漠化が進む結果、何億人もの人々が住む場所を失います。アフリカでは数億人の人々が移住を余儀なくされ、彼らの行き先はおそらくヨーロッパになると思われます。
何億人もの人々が移住してきたら、ヨーロッパはどうなるのか。移民を受け入れて、文化的・民族的に変化するか、あるいは国境で戦争が始まるか、そのどちらかになるでしょう。実際に、ヨーロッパでは10年前には存在しなかった国境線がEU内の国々の間に再び引かれつつあります。
もしヨーロッパがそのような状況に陥った場合、ロシアはどう動くのでしょうか。ただ傍観するのか、それともヨーロッパが著しく弱体化していることを好機と見て、領土を拡大しようとするのかもしれません。
その一方、アメリカは国外に関心を持たず、国内問題に集中しています。
したがって、日本と直接関係がなくとも、国際的、つまり外的な力によって、ある種の破滅的な、あるいは非常に緊迫した状況となる可能性はあるのです。
私は日本政府の関係者と情報交換をしていますが、彼らはこのような状況を理解していると思います。彼らは民主制度を尊重しており、国民が理解し、国会で審議するのを待つ必要があるわけですが、そんなに悠長な時間は残されていません。ですから日本には早めに対策をおこなってほしいのです。
もし私がアメリカやヨーロッパでこのような声をあげたとしても、何の影響も与えられないと確信しています。
民主主義国家において決定権を持とうとすれば60%から70%の支持率が必要ですが、欧米では小さく分裂した支持層があるだけで、それぞれの集団は自分たちの意見に固執しているため、このような支持率を得ることはほぼ無理なのです。日本は、まだそのような状況にはありません。日本人は団結力があり、同質的であるため、素早く変化し、適応することができるのです。
アメリカでは、ドナルド・トランプ大統領がアメリカ人の大多数を代表しているわけではなく、共和党と民主党が互いに半数の支持を得ています。また、共和党のなかにもさまざまな声があるのに、トランプ氏は共和党内で最大の「断片」を取ることで、共和党を乗っ取り、再び大統領の座に返り咲いたわけです。
アメリカの大統領の言動は全世界に影響を与え、どれほどの衝撃をもたらすかは計り知れぬところがあります。おそらく世界は非常に不安定なものとなるでしょう。
社会は分断され、民主主義制度が破綻しつつあります。何度もいっているように、これは中国にとって大きなチャンスなのです。人口が減少する中、北京の現指導部は、自分たちの時代が限られていることを理解しています。中国はあと75年ほどで、人口が半分になってしまう。だからこそ、彼らは「やるなら今だ」と考えているのです。
すべてはつながっている――私が言いたかったのは、この一言です。
過去の歴史、現在の社会、アメリカ大統領、世界的な経済状況、気候変動など、すべてが非常に脆く、燃えやすく、危険な状況をもたらしています。そして、社会の断片化と、SNSやエコーチェンバー現象といった情報バブルのなかに人々がいます。
ロシア、中国、北朝鮮といった攻撃者たちにとって、目の前に火薬が詰まった樽が積まれていて、いつでもマッチで火をつけられる状態です。
中国は、自分たちが世界を支配すべきだと考えています。ロシアは、プーチンが言ったように、ロシアが存在しない世界はありえないという立場です。
習近平もプーチンも、残された時間は少ないと自覚しています。つまり、今、認知戦への対策を早くはじめないと、間に合わなくなるのです。
日本が一致団結して対処を始めれば、少し先に待ち受けている困難な時代を乗り越えることができるチャンスを手にしている――私はそう確信しています。
もし日本が目を覚まさなければ、まず来る国政選挙で、そして将来は中国との間で、厄介なサプライズが待っているでしょう。
私が皆さんに望んでいるのは、誰が自分の心を操ろうとしているのか、自分の望まない解決策を押し付けようとしているのかを知ってもらうことです。
私は本書『認知戦 悪意のSNS戦略』の中ですべてを解決するための方法や、民主制度が良いのか悪いのか、そしてどうすればそれを正すことができるのかという話をしたかったわけではありません。ただし自信を持って言えるのは、民主主義制度は世界中で大きな課題に直面しているということです。
その問題の一つは、「感情」に原因があります。私たち人間が常に犯している最大の過ちは、感情で判断してしまうことです。私たちは、事実に基づき、論理的に考えて、合理的な判断をしなければならないのです。
最後に私の好きな剣道について話しましょう。
剣道では二人が竹刀を交差させ、睨み合って動かなくなります。突然一人が叫ぶと、もう一人は後退りします。後者は筋肉を緊張させて攻撃を準備し、その動きを読み取った前者は叫んだのです。この叫びは「もし攻撃するなら、私は防御するだけではなく、反撃をするぞ」という意味です。そして、彼らは最初からやり直します。
このような動きは、まさに国家間でもおこなわれるべきです。
日本は中国の前で剣を構えて、中国が動き始めたら、日本はこう言うべきなのです。
「あなたの動きは見切っている。動きを止めるべきだ」
ところが、日本人は中国が攻撃の準備をしているのに、気づいていません。中国の影響力工作がおこなわれているのにもかかわらず、日本人は対処するための十分な準備もしていないのです。
戦いが始まる前に負けてしまっています。
そのことを自覚し、一刻も早く準備を始めましょう。
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(元諜報部員 イタイ・ヨナト)
「恨みがあった」同僚の自宅に侵入 イヤホンを盗みリサイクルショップに…刑務官の男逮捕 岩見沢市
北海道・岩見沢警察署は、2025年9月21日、月形町に住む刑務官の男(20)を住居侵入と窃盗の疑いで逮捕したと発表しました。
男は9月9日午前7時ごろから午後4時20分ごろまでの間に、同僚の男性(18)の自宅に無施錠の玄関から侵入し、ワイヤレスイヤホン1組(時価2万円相当)を盗んだ疑いが持たれています。
被害者の男性が何らかの形で被害に気が付き、警察に通報したことで事件が発覚しました。
警察によりますと、盗んだワイヤレスイヤホンがリサイクルショップで売られていたことから男が浮上したということです。
警察の調べに対し男は、「ワイヤレスイヤホンを盗んだことは間違いない」「恨みがあった」と話しています。
警察は男の動機などを詳しく調べています。
立憲民主・野田代表あす就任1年、野党第1党の存在感示せず…与党との直接協議に活路
立憲民主党の野田代表は23日で就任から1年を迎える。衆参両院で与党を過半数割れに追い込んだものの、主導して実現した政策は限られ、野党第1党の存在感は示せていない。野党連携よりも、与党との直接協議で政策実行力をアピールする戦略で活路を見いだしたい考えだが、党勢回復につながるかは見通せない。
「野党連携を基本にしてきたが、自分たちも与党と積極的に協議し、もっと政策実現すべきだった」
野田氏は20日、富山県氷見市で記者団に、この1年の反省を口にした。国民民主党が所得税の非課税枠「年収の壁」の引き上げ、日本維新の会が高校授業料無償化をそれぞれ与党との交渉で受け入れさせたのに比べ、立民の成果は乏しい。
野田氏は昨年9月の代表選で「首相経験者としての安定感」を期待され選出された。立民は同年10月の衆院選では公示前から50議席増の勝利を収め、衆院で与党を過半数割れに追い込んだ。野党で連携し、政策活動費を全廃する法案を成立させた。医療費が高額になった場合に患者負担を抑える「高額療養費制度」の自己負担上限額を引き上げる政府方針も見送らせた。
だが、その後は、立民は野党連携にこだわりながら足並みをそろえる調整力も発揮できず、埋没気味となった。今年7月の参院選は獲得議席は横ばいで、比例選の得票で国民民主や参政党に後れを取り、「事実上の敗北」に終わった。幹事長ら執行部の刷新を余儀なくされたが、党内の不満はくすぶったままだ。読売新聞社の9月の全国世論調査では、立民の政党支持率は5%で野党3位に沈んだ。
窮状の打開に向け、野田氏は与党との交渉に軸足を移している。19日には石破首相、公明の斉藤代表と会談し、立民が参院選公約で掲げた「給付付き税額控除」の制度設計のための協議体の設置で合意した。もっとも、党内でも「課題が多く時間がかかる」と見る向きが多い。関係が良好な首相が退陣することも野田氏には痛手だ。自民党の新総裁次第で仕切り直しになる可能性もある。
立民が与党との協議に傾斜すれば、他の野党と距離が生じるジレンマも抱える。首相指名選挙や内閣不信任決議案の対応では野党の結束が重要となるだけに、野田氏は周囲に「多党化の中、成果を出すのは本当に難しい」と吐露する。
「麻生さんの動向によっては減る可能性がある」田崎史郎氏が前回から唯一「減」と予想した候補者…自民党総裁選きょう告示
テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」(月~金曜・午前8時)は22日、この日告示される石破茂首相の後継を選ぶ自民党総裁選を特集した。
10月4日に投開票される総裁選には、これまでに茂木敏充・前幹事長、小林鷹之・元経済安全保障相、林芳正官房長官、高市早苗・前経済安保相、小泉進次郎農相が出馬を表明していることを伝えた。
スタジオでは、295票ある「議員票」の行方について報じた。スタジオ生出演した政治ジャーナリストの田崎史郎氏は、自身の取材から焦点を「石破総理が出馬しないことで前回石破氏が獲得した票が誰に入るのか」と解説した。
さらに田崎氏は自身の取材に基づく「票読み」を公開。それによると前回の総裁選で茂木氏は「34票」だったが「やや増」。小林氏は前回「41票」から「同水準」。林氏は昨年の「38票」から「大幅増」。高市氏は前回の「72票」から「減」。小泉氏は「75票」から「大幅増」と予想した。
田崎氏は「まず小泉さんについて申し上げると」と切り出し「先週金曜日に選挙対策本部の発足式をやったんですね。そしたら議員、代理、オンラインで参加した人も含めて78人が参加したっていうんです。実際には名前を出さないでほしいっていう人を含めると80人台半ばに現段階でいっている。だから前回の75人より10人ぐらい多いわけです、すでに。これからさらに伸びる可能性があって陣営では100人近くいくんじゃないかって読みをしています」と解説した。
また林氏も「もうちょっといくだろう」などと解説。そして「茂木さん、小林さんは増えるにしてもそんなに増えないし、高市さんはむしろ麻生(太郎)さんの動向によっては減る可能性がある」と解説した。
「進次郎隠し」を森山幹事長が画策か? 自民党総裁選いよいよ告示もテレビ討論会激減の不可解
自民党総裁選は22日告示。茂木敏充前幹事長(69)、小林鷹之元経済安保相(50)、林芳正官房長官(64)、高市早苗前経済安保相(64)、小泉進次郎農相(44)の5人の争いだ。
22日の候補者所見発表演説会を皮切りに、23日は共同記者会見と青年局・女性局主催の公開討論会、24日は日本記者クラブ主催の討論会と東京都内での演説会と、来月3日の投開票前日まで12日間にわたって選挙戦が繰り広げられる。自民党はその間、いつものようにメディアジャックするつもりだろうが、「ザ・マッチ」と囃してお祭り騒ぎだった昨年の総裁選と異なるのは、5人揃って出演するテレビ討論会の回数が減っていることだ。
■5人そろうのは各局1回限り
「党側の仕切りで、今回はテレビ各局、討論会は1回限りということになった。テレビは情報系と報道系など政治を扱うさまざまな番組があるし、地上波だけでなくBSにも討論番組がある。前回は希望すれば1つのテレビ局の複数の番組で討論会をすることができたが、今回は1回だけと。候補者それぞれの自由な活動を縛らないためとのことなのですが……」(民放テレビ関係者)
前回の選挙期間は15日間で、自民党の公式ホームページの「総裁選2024ハイライト」によれば、<選管主催の討論会をはじめテレビ等メディアに出演し、合計18回の討論会を実施した>という。今回は12日間で、党選管(選挙管理委員会)主催2回、日本記者クラブ1回、在京テレビ6社各1回、ネットメディア2社各1回の計11回の予定だ。
「前回はメディアの討論会が多く、野党から『長い政治空白をつくって、電波ジャックして』と批判や異論が出た。その反省に立って、回数を減らしたそうです」(自民党関係者)
「進次郎構文」を警戒?
「候補者の自由な活動を縛らない」「野党への配慮」──いずれももっともらしい理由だが、党内には別の見方もある。ズバリ「進次郎隠し」だ。
「討論会の回数は選管主導で決めている。逢沢委員長と森山幹事長の意向だろう。今回の総裁選で森山幹事長は菅元首相とともに進次郎さんの“後見役”です。現状、進次郎さんが党員票でも議員票でも優勢で、最有力の本命。それが崩れるとすれば、鬼門のテレビ討論会です。司会者から厳しく突っ込まれて、意味不明な『進次郎構文』が出たりと、昨年のような失速の二の舞いもあり得る。進次郎推しの森山幹事長にすれば、5人の器量が比較されるテレビ討論会はできるだけ減らしたいのが本音だろう」(自民党ベテラン)
総裁選では今回も逢沢選管委員長名で、報道機関に「公平・公正な報道」を要請したり、所属議員に対し「報道機関のアンケートへの対応自粛」を求めたりしている。加えて、メディアの討論会への消極姿勢……。しかし、討論会に出せないような人物が一国の首相になっていいのか。
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自民党総裁選はいよいよ本番。新総裁は連立政権の枠組み拡大に動くのか、どこを引き入れるのか。レース後を見据え、外野の争いも激化。●関連記事【もっと読む】『総裁選後見据え“外野争い”が激化…「進次郎首相」誕生心待ちの維新に公明は恨み骨髄』で詳しく報じている。
林官房長官が総裁選“撃沈”危機…石破首相辞任「必定」発言を謝罪&撤回も後の祭りか
自民党総裁選でダークホースと目されている林官房長官。豊富な閣僚経験や手堅い答弁が定評で「安定感抜群」とみられているが、22日の告示日を前に、まさかの失言を犯し、謝罪・撤回に追い込まれた。
林官房長官がやらかしたのは、18日のインターネット番組でのこと。石破首相の退陣表明に関し「選挙に負けた。次の人に道筋をつけてから辞めるのは必定だった」と発言。さらに、自公が参院選の公約に掲げた2万~4万円の現金給付案について「私だったらやらなかったかもしれない」とも言ってのけた。
石破辞任が「必定」と言うなら、女房役の自らの責任も免れない。現金給付については、官房長官として決定に関わっているのだから、批判すること自体がおかしい。
「天に唾する発言」というわけだが、マズいと思ったのだろう、21日にメディアを通じて謝罪と撤回を表明。「必定」発言については、毎日新聞電子版で「若干言葉足らずで誤解を招く発言だったので『必定』というところも、おわびして取り消させてもらいたい」。現金給付に関しては、フジテレビの番組で「一緒に決定に携わっているわけだから、やっぱりこれはちょっとなかったなと思っている」と、発言を取り下げた。
■普段はキツイ言葉を使うことも
永田町では「手堅いはずの彼がなぜ?」という声が上がっているが、18日のネット番組での林官房長官は、官房長官会見時のまるで官僚のような淡々とした雰囲気とは違った。好きなマンガのセリフを聞かれると、「巨人の星」の主人公・星飛雄馬のライバル・伴宙太の「星くん!」という言葉をモノマネ付きで披露。死ぬまでにお金は使い切るか、という質問には「殺されます。残さないと」と冗談を飛ばし、笑いを取っていた。かなり、リラックスした様子だった。
「安定感があると言われる林さんですが、普段は意外とざっくばらんで、キツイ言葉を使うこともしばしば。現金給付案については当初から反対だったそうですから、つい本音が出たということでしょう」(政界関係者)
こんな見方もある。
「林さんは前回総裁選と比べ、支持の広がりに相当な手応えを感じているそうだ。小泉農相が失言で失速したり、高市前経済安保相も広がりを欠く展開が予想される。チャンスが巡ってきており、前のめりになっているのではないか」(官邸事情通)
閣僚更迭など緊急時に後任として起用されてきたため、「政界の119番」と呼ばれる林官房長官。自らピンチに陥って、誰かに「119番」する日がくるかもしれない。
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「ポスト石破」をめぐる自民党内のドロドロ、醜悪な足の引っ張り合い、駆け引きについては、関連記事【もっと読む】【さらに読む】などで詳しく報じている。
生徒に「今日から私の奴隷ね」 宇都宮の女性高校教諭、出勤停止
宇都宮市の宇都宮文星女子高の50代女性教諭が、1年生の生徒1人に「私の奴隷」などと発言し、約1カ月の出勤停止処分を受けていたことが22日、高校への取材で分かった。教諭は「深い意味はなくつい使ってしまった」と話している。
高校によると、教諭は6月上旬、机を移動させる指示に従わなかった生徒に「今日から私の奴隷ね」と発言。その後も複数回にわたって同様の発言を繰り返しており、授業後にこの生徒にだけ掃除するよう指示したこともあったという。生徒はショックを受け、授業を1回欠席した。
高校を運営する学校法人は教諭を8月から約1カ月出勤停止の懲戒処分とした。
世界文化遺産候補「飛鳥・藤原」 奈良県民でも「知らない」2割
2026年7月にも奈良県内4件目の登録が期待される世界文化遺産候補「飛鳥・藤原の宮都(飛鳥・藤原)」(明日香村、橿原、桜井両市)について奈良県が8月、認知度アンケートを実施したところ「知らない」と答えた県民が2割弱を占めた。19構成資産のうち「行ったことがない」とされたのは「中尾山古墳」(史跡、明日香村)がワースト1位だった。
県のアンケートは8月6~12日、無作為抽出した県民に郵送で実施。対象は334人で回答率は85・6%(286人)だった。
「世界遺産を目指す飛鳥・藤原を知っているか」の質問で「よく知っている」が40・2%、「なんとなく知っている」は42・7%。一方、「知らない」の回答が17・1%と2割弱もあった。「構成資産に行ったことがあるか」の質問で「(1カ所も)ない」とする回答も19・2%あった。
さらに19構成資産別の関心度を調査。「(訪問して)関心を持った資産」は「石舞台古墳」(特別史跡、明日香村)が41・5%と断トツだった。逆に1カ所でも構成資産に訪問した経験がある人に「行ったことのない構成資産」を質問したところ(複数回答)、ワースト1位は「中尾山古墳」で76・3%。2位は「菖蒲池古墳」(史跡、橿原市)70・5%、3位は「檜隈(ひのくま)寺跡」(史跡、明日香村)68・8%だった。
中尾山古墳は文武天皇陵とする説が有力な八角墳で、国営飛鳥歴史公園内にある。菖蒲池古墳は7世紀中ごろの方墳で石室内にある精巧な造りの家形石棺が常時見学できる。檜隈寺跡は渡来系氏族、東漢氏(やまとのあやうじ)の氏寺とされる古代寺院跡。
県世界遺産室の担当者は「県民の知名度不足を感じた。世界遺産登録に向け、周知や整備を進めたい」と話している。【皆木成実】