サブスクのトラブル相談が急増、利用料が発生し続け「遺族への支払い請求もある」

スマートフォンやパソコンで音楽や動画の配信、書籍の閲覧などのサービスを定額で利用できる「サブスクリプション(サブスク)」と呼ばれる契約について、神戸市消費生活センターに寄せられる相談が、新型コロナウイルスの感染拡大前に比べ、2倍に急増したことがわかった。人との接触を避けながら楽しめる娯楽として人気だが、相談の大半は「利用をやめたのに料金を請求された」などの契約トラブルで、センターは「契約前に解約方法を確認して」と注意を呼びかけている。(伊藤孝則)
神戸市東灘区の主婦(34)は2020年秋、書籍の音読サービス(月額1500円)に登録。3か月の無料期間中に解約するつもりだったが、「すぐに飽きて使わなくなり、料金のことも頭から消えた」といい、半年後、支払い続けていたことに気づいた。
大阪府茨木市の会社員女性(31)は19年秋、クレジットカードの請求書の「300円」という記載に心当たりがなく、スマートフォンを調べると、2年以上前に登録した漫画読み放題サービスの月額利用料だった。「読みたい作品だけ読んで、すぐに解約するはずだったけれど、忘れてしまった」という。2人とも「クレジットカードの請求書をきちんと確認していればよかった」と悔やむ。
神戸市消費生活センターによると、サブスク関連の相談はコロナ禍前の2018年度が29件、19年度は20件だった。しかし、感染が拡大した20年度は42件になり、21年度も22年1月末時点で59件に急増していた。
21年度に相談があったサブスクのサービスは「専門家相談サービス」が13件で最多。「音楽・映像配信」12件、「通販サイト会員向け複合サービス」5件、「書籍・漫画など娯楽サービス」4件などで、「解約方法が分からない」「解約したつもりだったのに料金を払っていて、返金を断られた」といった相談が大半を占めた。
サブスクのトラブルは全国でも相次ぐ。国民生活センターの統計では、昨年4月~今年1月の相談件数は5446件に上り、政府は解約方法を分かりやすく表示するなどの努力義務を盛り込んだ消費者契約法改正案を今国会に提出した。
神戸市消費生活センターは「携帯電話の通話明細やクレジットカードの請求書を見て、利用していないサービスの支払いがないかどうか点検するなどの自衛策を講じて」としている。
亡くなった人が利用していたサブスクにも注意が必要だ。人生の終え方をアドバイスする「終活カウンセラー」の西村有う子さん(広島市)は「規約にもよるが、遺族が支払いを求められることもある」と話す。
遺族が、亡くなった人の携帯電話契約を解約しても、サブスク契約自体は自動的には解約されない。利用料は発生し続け、遺族が負債を相続したとして滞納分の支払い義務を負う可能性がある。西村さんは「亡くなった後のことを考え、契約したサービスの一覧やパスワードを残し、遺族が解約できるようにしておくことが重要だ」と語る。