総務省幹部らが菅義偉前首相の長男正剛氏が勤める放送関連会社「東北新社」から繰り返し接待を受けた問題で、東京地検特捜部は29日、市民団体から贈収賄容疑などで告発された当時の幹部や正剛氏ら計12人について、不起訴処分(嫌疑不十分と嫌疑なし)とした。
告発状は、総務審議官だった谷脇康彦氏ら同省幹部7人が2017年8月~20年10月、外資規制違反を黙認したり、番組許認可に便宜を図ったりする見返りに、東北新社前社長や同社統括部長だった正剛氏らから延べ8回、計約30万円相当の接待を受けたなどとしていた。
不起訴となった12人には、菅前首相も含まれる。官房長官だった18年10月、当時情報流通行政局長の山田真貴子氏に外資規制違反を黙認するよう働き掛け、報酬として自身が代表を務める政党支部に寄付として元社長から現金50万円を受け取ったとして告発されたが、嫌疑なしと判断された。
[時事通信社]