米軍嘉手納基地周辺で2016年、人体に有害な有機フッ素化合物PFAS(ピーファス)が検出された問題で、汚染源が同基地である可能性を米軍が内部で認めていたことが分かった。9日、周辺住民からは情報の隠蔽(いんぺい)に反発し、沖縄県の立ち入り調査を求める声が相次いだ。(中部報道部・砂川孫優)
嘉手納基地周辺の河川を水源とする北谷浄水場は県内最大規模で北谷町、宜野湾市、那覇市、浦添市、沖縄市、北中城村、中城村の7市町村に給水している。当時、他地域より高濃度のPFASが検出された。PFASは航空機火災に対処する泡消火剤に含まれている。
北谷町民の有志でPFASを含まない安全な水道水の提供を求める運動に取り組む儀保貴子さん(35)は「米軍が内部で汚染源と認めていたのなら、県による立ち入り調査を実現する根拠になる」と指摘した。
基地周辺で高濃度のPFASを検出したにもかかわらず、米軍が汚染源と認めていないことに「汚染源が分かっていたのに隠していたことになる。米軍基地がある他国同様、日本も自国の権限で環境基準を設けるべきだ」と話した。
嘉手納基地に近接する嘉手納町屋良の知念勇一さん(81)は「航空機の爆音や排ガスに加え、目に見えないPFASなどの環境問題がある。基地被害を受ける町民の受忍限度は超えており、日米がしっかりと対処するべきだ」と訴えた。
北谷町と嘉手納町、沖縄市で構成する「嘉手納飛行場に関する三市町連絡協議会(三連協)」の会長を務める渡久地政志北谷町長は「詳細を確認する必要がある」とした上で「PFAS含有の泡消火剤を使用していた米軍が、汚染源が基地から起因すると認識するのは極めて妥当」と述べた。
一方、PFAS問題を米軍当局が「政治的問題」と認識していることについて「基地周辺に住む住民が不安を抱いており、政治問題ではなく環境問題。日本国の責任で汚染源を特定して対処すべきだ」と批判。県が汚染源の特定に向けて普天間飛行場周辺で計画している掘削調査を、嘉手納基地周辺でも実施することを求めた。