浜田靖一防衛相は14日(日本時間15日未明)、ロイド・オースティン米国防長官と、ワシントン郊外の国防総省で初の対面会談を行った。両氏は中国が日本の排他的経済水域(EEZ)内に弾道ミサイルを撃ち込んできたことを、「日本の安全保障と国民の安全に関わる重大な問題だ」と非難した。中国などが開発する「極超音速兵器」に対抗する技術の共同研究でも合意した。米国は、日本の防衛費増額の決意を強く支持した。日中国交正常化50周年を前に、米国は岸田文雄政権の姿勢を確認したようだ。
「自分の国は自分で守る意思と能力が重要だ。いわゆる『反撃能力』を含む、あらゆる選択肢を検討し、防衛力の抜本的強化を実現する」
浜田氏は会談でこう強調した。年末までに予定する、外交・安保政策の長期指針「国家安全保障戦略」などの改定に向けた検討状況を説明した。オースティン氏は、日本の防衛費増額方針を強く支持したという。
中国は8月、台湾を取り囲むように大規模軍事演習を展開し、日本のEEZ内に弾道ミサイル5発を撃ち込んできた。
オースティン氏は「中国の台湾海峡や日本周辺における挑発的な行動は非常に不安定をもたらす」と表明。台湾海峡の平和と安定の重要性を共有し、沖縄県・尖閣諸島が米国の防衛義務を定めた日米安保条約第5条の適用対象だと確認した。
米国が核を含む戦力で日本防衛に関与する「拡大抑止」の信頼性を高めるため、閣僚間の議論を深める方針でも一致した。
会談では、最新兵器の共同研究にも踏み込んだ。
中国やロシア、北朝鮮が開発を進める極超音速兵器に対し、必要な技術や構成品の研究を進めると確認した。
日中国交正常化50周年が29日に近づくなか、今回の会談をどうみるか。
福井県立大学の島田洋一教授は「米国は、安倍晋三元首相が凶弾に倒れた後、媚中的な体質を引きずる岸田政権に懸念を抱いていた。今回の会談は、防衛相が就任後に訪米する通常の流れだが、岸田政権が対中強硬姿勢を貫くように念押ししたといえる。米国が防衛費増額を支持したことも、外圧でしか動けない日本の政治に意義があった。米国は今後、岸田政権の外交姿勢をチェックしていくのではないか」と語った。