名古屋市守山区と北区などで20日午後以降、イノシシ2頭が相次いで目撃されている。東西約3キロを逃げ回っているようで、人通りが多い駅や民家の付近にも出没している。市や愛知県警はパトロールを強化し、近付かないよう注意を呼びかけている。
「イノシシを目撃した」。20日午後2時40分頃、名古屋市守山区小幡宮ノ腰の矢田川の河川敷で、110番があった。
守山署員4人がかけつけると、体長約70センチのイノシシ2頭が河川敷を走り回るなどしていた。その後、集まっていた約10人に向かって突進してきたため、男性巡査部長(36)が間に入り拳銃を構え、「撃つぞ」と大声を出すと、逃げていった。
午後7時頃には、2頭は北区の市営山田北荘周辺などで姿を見せるようになった。目撃した20歳代の女性は読売新聞の取材に、「最初はイノシシかわからず目を疑った。交通量も多い場所なのに驚いた」とした。
21日午後3時頃からは、東区の長母寺や木ヶ崎公園で姿を見せたため、東署員と市職員が網を持って現場に向かい、対応した。
市教育委員会ではこの日午前11時30分頃、全市立小中学校に、登下校の際、▽見かけても絶対に近付かない▽物を投げたり、追いかけたり、刺激を与えない――と指導するように通知を出した。河村たかし市長も記者会見で「子どもにあたって大事故になってはいけない。注意したい」とした。
県野生イノシシ対策室によると、現在、イノシシの繁殖時期に入っており、雄の移動が活発になっているという。ただ、ドングリなどの食料は森に豊富にあるため、市街地まで出てくることは珍しい。
大村秀章知事も「近付いて写真を撮るなど、イノシシを興奮させるような行為を慎んでほしい。市や地元警察署、猟友会と密に情報共有し、できる限りの支援を行う」とコメントした。