インターネットの動画共有サイトに他人を中傷するような動画を投稿したとして、名誉毀損(きそん)容疑で逮捕された自称「私人逮捕系」ユーチューバーの杉田一明容疑者(40)=東京都武蔵野市=が「広告収入を得て有名になりたかった」と供述していることが、捜査関係者への取材で判明した。杉田容疑者は「煉獄(れんごく)コロアキ」の名前でSNS(ネット交流サービス)を中心に活動している。警視庁は、動画の視聴数などに応じて得られる広告収入を増やす目的で過激な動画を投稿していたとみている。
警視庁生活安全特別捜査隊は13日、9月に東京都千代田区の帝国劇場付近にいた女性(18)がチケットを転売していると決めつけ、女性の顔などの映った動画をユーチューブに投稿して名誉を毀損した疑いで杉田容疑者を逮捕した。警視庁の捜査で、女性は転売とは無関係と判明したという。
捜査関係者によると、杉田容疑者は逮捕後に「コンサート会場などで女性をターゲットに動画を撮影し、SNSに投稿していた」と供述。動機について「再生回数やチャンネル登録数を増やしたかった」と話したという。
今回の逮捕容疑に関する動画を撮影された女性以外にも、杉田容疑者に関する苦情が複数寄せられているといい、警視庁は経緯などを慎重に調べている。
SNS上では、痴漢などの犯罪に関与したり、不当に高額なチケット転売をしたりしたと決めつけた相手を「私人逮捕」と称し取り押さえる様子などを撮影し、投稿する行為が問題化している。【加藤昌平】