宝塚歌劇団の劇団員が死亡した問題で、歌劇団は外部の弁護士による調査チームの調査報告書を公表しました。その中では劇団内でのハラスメントやいじめの事実は確認できなかったと明かしました。これに対して遺族側の代理人は会見を開き「パワハラの事実認定と評価は失当」「報告書は再検証すべき」などとの見解を示しました。 (遺族代理人の川人博弁護士)「ハラスメントの問題に関しては、報告書は存在に関して否定的な評価でした。『これは間違いである』とそれが遺族の見解です。これらに関しては、遺族は納得できず、調査報告書の内容を前提とせず再度検討すべきだと思う」 歌劇団の会見の中で木場理事長は劇団内でのパワハラは認定できなかったと話しました。 (木場理事長)「故人に対するいじめやハラスメントは確認できなかったとされており、例えば『うそつき野郎』『やる気がない』といった発言の有無ということはすべて伝聞情報であり、実際にそのような発言があったことは確認されておりません。ただ、嘘をついていないか何度も聞いていたという状況は確認できており、過密なスケジュールから、上級生から下級生への指導が公演を安全につとめるうえで必要だったとはいえ、時間的に近接、重複して起きたことで、心理的に負担になったことが十分に考えられる。したがって、ご遺族の気持ちをうけとめて誠心誠意うけとめて対応する所存であります」 会見では過密なスケジュールの中で安全配慮義務を果たせなかったなどと話しました。 (木場理事長)「劇団としては、特に稽古終盤の過密なスケジュールをこなしながら、新人公演の稽古も予定される中で、長の期としての役割に娘役2人でやったことが個人に大きな負担になったと判断している。そのような状況を劇団がが十分に把握できていなかったことが責任を痛感している。劇団のなかで起きた以上、健康面の配慮をすべきだった。安全配慮義務を果たせていなかった深く反省している」 今年9月、宝塚歌劇団の「宙組」に所属していた女性(25)が宝塚市の自宅マンションで死亡しているのが見つかりました。自殺とみられています。 歌劇団側は10月、外部の弁護士による調査チームを設置し、聞き取りなど行ってきました。。死亡した劇団員の遺族は「過重労働と上級生からのパワハラが原因で自死した」などとして歌劇団などに謝罪と適切な補償を求めています。