被害訴え各地で相次ぐ=現役担当者が顧客紹介か―元野村証券社員の詐欺事件

元野村証券社員による詐欺事件で、詐欺罪で起訴された同社元社員中村成治被告(29)に対し、詐欺被害を訴える声が各地で相次いでいることが、5日までに関係者への取材で分かった。千葉県警が被害届を受理するなどしており、警察当局は全容解明を急いでいる。
関係者によると、中村被告は関東と関西を中心に、野村証券の複数の現役社員から紹介された顧客に対し、架空の投資話を持ち掛けて資金を集めるなどしていたとみられる。野村証券側は社員の関与について「警察に相談中なのでコメントは控える」と話している。
千葉県警に被害届を提出した男性(56)は昨年10月、同社船橋支店の担当者から中村被告を紹介された。「現職社員に紹介され信用した」と話す男性は、つなぎ融資を希望する会社に資金を出せば、配当がもらえるとの中村被告の提案に応じ、約9000万円を投資したが1300万円ほどしか戻ってこなかった。
約2000万円の被害に遭ったと訴える東京都内の男性も、中村被告から別の社員の名前を出して「つなぎ融資で5~10%の配当がある」と持ち掛けられた。「(この社員が)メインでやっているのかと思った」と話す。
兵庫県警は9月、同県姫路市の会社役員から資金をだまし取ったとして、中村被告を再逮捕した。
野村証券は7月、詐欺被害についてホームページで注意喚起。退職した同被告の実名を挙げ、「架空の投資商品を提案している疑いがある」とした上で、「当社社員の関わりも含め調査を進める」と説明していた。