「ハゲタカ」などの作品で知られる人気小説家の真山仁氏は15日夜に放送されたTBS系報道番組「news23」(月~木曜午後11時、金曜午後11時58分)に生出演。参院選(20日投開票)をめぐり、外国人への差別的主張やデマが拡散されているとして、作家らでつくる日本ペンクラブ(桐野夏生会長)が15日に会見して発表した緊急声明について解説した。
番組では「SNS上の『外国人を優遇』は本当?」のテーマで、外国人の生活保護などをめぐりSNSに投稿されたさまざまな内容を報じた。日本ペンクラブの緊急声明の内容にも触れ、桐野会長の「選挙活動に名を借りたデマに満ちた外国人への攻撃は私たちの社会を壊します。このまま社会が壊れていくのを見過ごすことはできません」などのコメントも報じた。
番組メインキャスターの小川彩佳から「真山さんは、日本ペンクラブの理事でいらっしゃる」と紹介された真山氏は「声明はタイミングが大事。本来、選挙中にこういう発言をするのは、いろんな臆測を呼ぶ場合もあるが、それくらい、言論の自由を守ってきたペンクラブとすると、ここは一刻も早く声明を出さないといけないと。言論の自由を守るということは、いろんな政党の発言には寛容であるべきではないか、という人もいるかもしれないが、重要なのはそこにウソを言ってはいけない、根拠のないデマはいけないということこそ、言論の自由を守れる。今回の声明には、そこについて、思いを込めている」と、背景を訴えた。
小川が「そこまで危機的状況になっているということを感じていらっしゃる」と指摘すると、真山氏は「(自身を含め)理事全員が賛成しているので」と応じた。
また「日本だけではなく、世界でも、国の経済や社会が少しでも衰退していくと、自分たちの苦しみは外国人のせいというのは、どこにでも出てくる。それがじわじわ起きていたことが、選挙(参院選)というトリガーで(表面化した)」とも主張。「人間は感情の動物。データなどで見えてこない不安が、もうぬぐい切れないところまできている時に、選挙になっちゃったというふうに見るべきだと思います」と述べた。
外国人をめぐる政策は参院選中盤以降、選挙戦の争点の1つに急浮上している。また、石破茂首相は15日、在留外国人らへの対応を担う事務局組織を発足させるなど、国も取り組む構えをみせている。