安倍晋三元首相銃撃事件で起訴された山上徹也被告(45)の裁判員裁判が20日、奈良地裁(田中伸一裁判長)であり、被告人質問が始まった。世界平和統一家庭連合(旧統一教会)を信仰する母親の証言を聞いた感想を問われ、被告は「相変わらずだなと思った。非常にマイペースといいますか……」と語った。
一方で、被告は母親について「非常につらい立場に立たせてしまったと思う」と述べた。その理由については「母の信仰を理由とした事件を起こしたので、母親が責任を感じていると思う」と話した。
「母親は基本的に悪い人間ではないと思っているが、教会に関することは理解しがたい面がある」とも述べた。
被告は10月28日の初公判で、「全て事実です。私のしたことで間違いありません」と起訴内容を認めていた。弁護側も一部無罪を主張しつつ、安倍氏に対する殺人罪の成否は争わない方針を示しており、この裁判では量刑が最大の争点となっている。【木谷郁佳】