辺野古沖の転覆死亡、「低く強い波」押し寄せたか…「最近は見たことのない波長」で危険性に気付きにくかった可能性も

米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設工事が行われている沖縄県名護市辺野古沖で船2隻が転覆し、同志社国際高(京都府)の女子生徒(17)と船長の男性(71)が死亡した事故は、勢いを保った低い波が押し寄せたことで転覆につながった可能性があることが、専門家の分析でわかった。
水難学会理事の斎藤秀俊・長岡技術科学大教授によると、事故があった16日午前、現場海域を含む沖縄本島の太平洋側では、東方約3000キロ・メートル先の低気圧に伴う波が押し寄せていた。波は移動中に低くなったものの、勢いを保ったままゆっくりと押し寄せていたという。通常、波の周期は7~8秒だが、事故当時は13秒ほどで「最近は見たことのない波長だった」とみる。
当時、現場海域には波浪注意報が発表されており、第11管区海上保安本部によると、当時、現場海域の波の高さは0・5メートル、風速は4メートル。現場の目視だけでは波の危険性に気付きにくかった可能性があるという。
当時は干潮の時間帯で、リーフ(環礁)が広がる一帯は、より浅瀬になっていた。斎藤教授は、強い力を保った波で大きなうねりが生じ、リーフによって持ち上げられて高い波が発生したとみている。
転覆した2隻はいずれも操舵(そうだ)室などがある船体上部の構造物が大きく破損していた。斎藤教授は「波で持ち上げられた船体が海底に打ちつけられ、強い衝撃を受けたとみられる」と分析。17日に現地調査を実施した運輸安全委員会の地方事故調査官も、2隻が転覆した際、浅い海底に衝突して損傷した可能性を指摘している。
2隻を運航した市民団体「ヘリ基地反対協議会」によると、出航する際は、船長が気象情報や目視で海の状況を確認し、出航の可否を判断する。出航を見送る目安は風速7、8メートルと説明している。