和歌山県田辺市の資産家で「紀州のドン・ファン」と呼ばれた会社経営者野崎幸助さん(当時77歳)に覚醒剤を摂取させて殺害したとして、殺人罪などに問われた元妻、須藤早貴被告(30)の控訴審判決で、大阪高裁(村越一浩裁判長)は23日、無罪(求刑・無期懲役)とした1審・和歌山地裁の裁判員裁判判決を支持し、検察側の控訴を棄却した。
須藤被告は2018年5月24日、野崎さん宅で、野崎さんに何らかの方法で致死量の覚醒剤を摂取させたとする殺人罪などで起訴された。被告は1審で「殺していないし、覚醒剤を摂取させてもいない」と無罪を主張。野崎さんが殺されたかどうかの「事件性」と、殺害されたとして被告が犯人かどうかの「犯人性」が争点だった。
24年12月の1審判決は、野崎さんが自ら覚醒剤を入手し、誤って致死量を摂取した可能性を指摘。被告が野崎さん死亡時に2人きりで、多額の遺産相続という殺害の動機があったことなどを認めたが「被告が殺害したと推認するには足りない」と判断した。
検察側は控訴審で、被告が「老人 完全犯罪」などとネット検索していたことや、密売人に覚醒剤を注文していたことなどを挙げ、「1審判決は状況証拠の総合評価が誤っている」と主張した。これに対し、弁護側は控訴棄却を求めていた。