視線感じて振り返ると「庭にいた」…サル出没相次ぐ周南市、子どもが両足つかまれる事案も

山口県周南市の市街地で4月以降、サルの出没が相次いでいる。周南署によると、7日までに目撃は156件にのぼり、人との接触も12件起きている。けが人はいないものの、子どもが足をつかまれるなど被害につながりかねない事案も発生しており、同署と同市が警戒を強めている。(内田詩乃、坂田元司)
「車から降りて、視線を感じて振り返ると、庭にいたんです」
同市秋月の主婦(62)は、4月9日にサルと遭遇した時のことを振り返った。サルは庭木の実を食べており、急いで家に入ろうとしたが、焦って鍵が開かなかった。後ろを何度も振り返り、やっと自宅に滑り込んだという。「怖かった。まさか庭にいるとは思わなかった」
周南署などによると、目撃されているサルはいずれも体長50センチほどで、1匹で行動しており、同一の個体の可能性があるという。出没しているのは、山裾に広がる市街地。住民の車に飛び乗ったり、家の周りをうろついたりしている。
12件の接触事案の多くは後ろからで、周南署には「スマートフォンを見ていると太ももを触られた」「足に抱きつかれた」「肩を触られた」との通報があったという。
出没しているエリアには市立秋月小があり、4月17日午後3時頃には、同小の男子児童と母親が、後ろからサルに両足をつかまれた。追いかけられた児童もいたという。近くに住む主婦(54)は同日、児童の下校中にサルを目撃。「危ないから早く帰りなさい」とせかした。1人の女児が恐怖で泣いていたという。
同小の荒木裕二校長は「子どものけがを防ぎたい」と話し、「遭遇時は目を合わさない」などの対応を児童に伝えている。校内への侵入を防ぐため、窓も極力開けないようにした。
県内では2022年7月、子どもや高齢者ら66人がサルにかみつかれるなどして負傷した。同市は「けが人が出る前に捕獲したい」とし、頻出するエリアに2か所、箱わなを置いた。同署と協力し、下校時間に合わせてパトカーや広報車で見回りをしている。
サルの生態に詳しい日本モンキーセンターの綿貫宏史朗企画広報課長によると、群れから離れた若いオスの可能性が高いという。「餌になる果樹や生ゴミを片付け、居着かない環境をつくることが大切。遭遇したら目を合わせず、背中を向けないよう後ずさりし、距離を空けてほしい」と話している。