皇族数の確保策を盛り込んだ皇室典範改正案は10日、衆院議院運営委員会で審議入りし、同日中に衆院を通過する。国民民主党が9日に賛成を決め、今国会で成立する公算が大きいが、野党内では旧宮家の男系男子と皇族との養子縁組の制度化になお異論が強く、審議で批判が集まる可能性が高い。
衆院議運委は9日の理事会で、改正案を10日の同委で審議・採決した後、同日の衆院本会議に緊急上程し、採決することを決めた。与党は衆院で過半数を確保しており、改正案は可決されて参院に送付される。与党は13日の週に参院で審議入りし、会期末の17日までに成立させる方針だ。
改正案は、女性皇族が結婚後も皇室に残ることや、1947年に皇室を離れた旧11宮家の男系男子と皇族との養子縁組を可能にすることが柱となる。与野党協議を経て衆参両院の正副議長が取りまとめた「立法府の総意」に基づき、政府が法制化を進めた。
国民民主は9日、改正案に賛成する方針を決めた。参政党も衆参両院の正副議長が提示した付帯決議案に大幅な変更が加えられない限り、賛成する方針を固めた。複数の党幹部が明らかにした。
自民党と日本維新の会は参院で過半数(124議席)に4議席足りないが、国民民主(25議席)か参政(15議席)のいずれかが賛成すれば過半数に達する。
一方、共産党の田村委員長は9日の記者会見で「男系男子(による皇位継承)を押しつけている。結論ありきだ」と述べ、改正案への反対を表明した。参院野党第1党の立憲民主党も養子の制度化を批判し、反対を決めている。養子に関する規定を削除する修正案を提出した上で、否決されれば反対する構えだ。両党などは国会審議で養子制度を中心に改正案の問題点をただす見通しだ。
衆院野党第1党の中道改革連合は9日、賛否の決定を10日に先送りした。賛成する条件として、養子の男系子孫への皇位継承資格付与の是非について、速やかに検討するとの内容を付帯決議案に追加するよう自民に求めている。