2016年7月26日に神奈川県立知的障害者施設「津久井やまゆり園」(相模原市緑区)で入所者ら45人が殺傷された事件で、犠牲になった19人の追悼式が25日、市立あじさい会館(同市中央区)で開かれた。翌26日で事件から丸10年。遺族や入所者、施設の関係者らが冥福を祈るとともに、痛ましい事件が二度と繰り返されないよう、人格や個性を尊重し合う共生社会への実現へ思いを強くした。
事件直後に施設を訪れた黒岩祐治知事は式辞で、「あの時現場で感じた、胸が締め付けられるような息苦しさを今も忘れることができません」と回顧。一方、「事件を知らない世代も増えてきた。10年の節目にあたり、この想(おも)いをしっかりつないでいかなければいけない」と述べた。
23年4月に施行した「神奈川県当事者目線の障害福祉推進条例」を踏まえ、「障害を理由に差別や虐待されることなく安心して暮らせて、誰もがうれしいと感じられる社会を実現するため、今後も全力で取り組む」と話した。
園の指定管理を担う社会福祉法人「かながわ共同会」の山下康理事長は、式壇で「空の上から見ていただいている亡くなられた皆さんから、この10年間の障害福祉の歩みはどのように見えていたのでしょうか」と問うた。
園で進めてきた地域移行などの取り組みについて「まだ道半ば」とした上で、「これからの10年は追悼だけではなく、事件を風化させず、教訓を未来へつなぐ時間にしていかなければならない」と結んだ。
追悼式は県と相模原市、かながわ共同会の主催。命日の26日には、園で献花が行われる。