自治体で「空き家税」の検討がスタート 大阪・寝屋川市は全国初の導入決める

国や自治体で大きな課題となっているのが毎年増え続ける空き家問題。大阪・寝屋川市は7月9日、空き家を放置する所有者を対象に全国で初の「空き家税」の導入を決めた。
総務省の「住宅・土地統計調査」によると、総住宅数(6504万7000戸)のうち空き家は900万2000戸(2023年10月1日現在)と、前回調査に比べ51万3000戸の増加と過去最多となっている(同調査は5年に1度実施)。そのうち長期不在や老朽化などで取り壊すことになっている住宅(賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家)は385万6000戸と前回調査比で36万9000戸増加しているのだ。
「空家等対策特別措置法」は、自治体が強制的に撤退を促し、取り壊しの対象になる空き家を「特定空家」、放置が続き特定空家になるおそれのある空き家を「管理不全空家」に指定している。しかし、国は「36万9000戸の一部で戸数は把握できていない」(総務省統計調査部)という。自治体による強制的な撤去・代執行はほとんど進まず、空き家はほとんど野放し状態といえるのだ。
29年から全国初となる「空き家税」を導入する寝屋川市は、現在1万5000戸の空き家が存在するとされる。同市都市三課の担当者が言う。
「市内全域の調査で、特定空家は2戸、管理不全空家が2戸でした。事業用、賃貸・売買用の住宅は課税免除の対象とし、それ以外の管理されていても流通していない空き家は課税対象と考えています」
具体的に課税対象とする空き家の基準の設定、抽出は導入までの検討課題だとしている。
他の自治体でも空き家税設立には前向きで、神戸市では、タワーマンションの空き部屋所有者を対象に「空室税」導入が議論されているが、市内の全分譲マンションの空室も課税対象に検討中だ。また、京都市では30年度から非居住住宅の所有者を対象にした「非居住住宅利活用促進税」(空き家税)の導入を決めている。現在、約90万戸の空き家がある東京都も住宅政策審議会で空き家税の検討が進められている。相続問題に詳しい木野綾子弁護士が述べる。
「空き家は誰も欲しがらず、相続しても管理費や相続の話し合いが長引く間にさらに老朽化が進みます。費用の支払いなどで所有者間で揉めることが非常に多いんです」
そしてこう続ける。
「4月1日から相続登記が義務化されました。これは所有者不明土地の増加を防ぐことが趣旨です。寝屋川市の空き家税も全国に広がる第一歩として歓迎され、今後に空き家がなくなっていけばいいと思います」
空き家税が新税として認知されることが期待される。
(木野活明/ジャーナリスト)