高市首相は、16日に始まった参院予算委員会の基本的質疑で、辞任した簗和生・前農相の任命責任を厳しく問われ、低姿勢での答弁を繰り返した。国会審議への影響をできるだけ抑えるため、丁寧な説明を通じて、早期に事態を沈静化させたい考えだ。(北村友啓)
冒頭に農相交代を陳謝した首相は、自民党の鶴保庸介氏からも「国会運営に影響を与えている」とただされた。首相は「大臣交代で(国会)運営にもご迷惑をおかけした。改めておわびを申し上げる」と応じた。その上で「就任した武部農相とともに、みんなで力を合わせ、国民のために一生懸命に働かせていただきたい」と述べ、政策遂行に向けて立て直しを急ぐ方針を打ち出した。
立憲民主党の辻元清美氏からは「これで幕引きできる問題ではない」と迫られた。首相は「(簗氏が)十分に納得していただける説明責任を果たせていない」と指摘を受け止める姿勢を示し、「一議員として引き続き説明責任を果たしてもらえることを期待している」と語った。
簗氏による地元自治体の道路予算を「カットした」との発言については、首相は「信頼を失わせる発言だった」との認識を表明。「予算の配分に政治的な支持や不支持を持ち込まないことは当然で、改めて政府内に徹底する」と訴えた。
もっとも、首相自身の対応に質問が及ぶと、強い口調で反論する場面もあった。辻元氏が「危機管理能力がなかったのではないか」と畳みかけると、首相は「危機管理能力がなかったと思われたら、とても残念だ。24時間、常に公用スマホをそばにおいて最大音量にして夜も横になっている」と主張した。
他の案件でも首相は釈明に追われた。今月2日にオンラインで開かれた先進7か国(G7)首脳会議を欠席した理由を問われ、「出席を検討したが、開催時間が直前までわからなかった」と説明した。「回線の接続や設定のために業者を呼ばなければならず、間に合わないということもあった」とも語った。
この日は、関文部科学相も追及対象となった。2020年と24年に衆院の内規に違反して政治資金パーティーを衆院議員会館で開催していたためで、関氏は「猛省し、十分注意する」と謝罪した。
首相は19日の参院予算委で農相交代問題の幕引きを図り、20日からの消費税減税・支援金法案への審議に注力したい意向だ。