横浜市へのカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の山下ふ頭(中区)への誘致に反対の意向を示している“ハマのドン”こと藤木幸夫氏(89)が会長を務める横浜港運協会が6日、横浜船主会との賀詞交換会を開催した。
「反対派の最後の一人になっても、命を張っても反対する」と固い決意を表明していることから、発言に注目が集まっている藤木氏。昨年末にIR事業への参入を目指していた中国企業から、現金300万円や約70万円相当の利益供与を受けたとして、収賄容疑で逮捕された衆院議員・秋元司容疑者(48)について取材陣に問われると「私たちには追い風でしょう。でも、あんなこと政治家ならみんなやっているよ」と話した。
ただ、壇上ではIRについての直接の言及はナシ。「マル(賛成)かバツ(反対)かという話は無し。具合が悪いからね」とクギを刺し、出席者らの笑いを誘った。賛成派の林文子横浜市長(73)らも出席しての、新年のめでたい席であることを考慮してのものと思われる。
ただ、あいさつの言葉の端々には「カジノ反対」の気持ちがにじみ出た。横浜が日本を代表する港湾都市であり、貿易によって大きくなってきたことを指摘した上で「そこに今、いろんな話が持ち込まれています」と、IRの単語は口にしなかったもののチクリ。その上で「先祖に顔向けができる、将来の人に喜んでもらえる都市にするのが念願です」と決意を新たにした。
一方、来賓あいさつの一人として登壇した林氏は、あいさつでIRには一切触れず。横浜港の発展の様子を紹介した上で「港には現在、明るいニュースに包まれております」などと話した。降壇後には、藤木氏と談笑する姿も見られた。