学校法人「森友学園」への国有地売却を巡り、国は6日、財務省の決裁文書改ざんを強いられて自殺した近畿財務局職員が、一連の経緯をまとめた文書が存在することを認めた。国は一部を黒塗りにした上で、職員の妻が国などに起こした損害賠償請求訴訟の口頭弁論が開かれる6月23日までに大阪地裁に提出する。
職員は赤木俊夫さん(当時54歳)。文書は「赤木ファイル」と呼ばれ、赤木さんが改ざんの経緯をまとめたものとされる。訴訟で妻の雅子さん側が職場に保管されていたとして国に開示を要求。国側が6日、ファイルがあったと雅子さん側に書面で回答した。
書面によると、ファイルには、改ざんの過程などを時系列でまとめた文書のほか、改ざんについて財務省理財局と近畿財務局との間でやりとりされたメールや、その添付文書などがとじられていたという。
国側は開示に応じるとする一方、ファイルには財務省の調査で改ざんへの関与が認定されていない職員らの個人情報も含まれており、一部を黒塗りにする必要性があると説明している。
訴状によると、近畿財務局が国有地を大幅値引きして学園に売却した問題が発覚した2017年2月、担当部署にいた赤木さんは、上司らの指示で決裁文書を何度も改ざんさせられたという。その後、うつ病を発症し、18年3月に自殺。雅子さんは20年3月、国と当時の理財局長・佐川
宣寿
( のぶひさ ) 氏に慰謝料など約1億1250万円の損害賠償を求める訴えを大阪地裁に起こした。
国側は改ざんを認めたが、ファイルは訴訟に必要ないとして、存在するかどうかも明らかにしてこなかった。雅子さん側が国側にファイルの提出を命じるよう地裁に申し立て、地裁が今年3月、存否をこの日までに明らかにするよう国側に求めていた。
雅子さんは大阪市内で報道陣の取材に応じ、「もっと早く出せたはずだが、一歩前に進んだと思う。国は黒塗りせずにすべてを明らかにしてほしい」と話した。