集団予防接種が感染原因のB型肝炎を20年以上前に発症し、再発した慢性患者2人が国に賠償を求めた訴訟の差し戻し控訴審で、国側が3日、福岡高裁への控訴を取り下げ、2人の請求権を認めた1審・福岡地裁判決(2017年12月)が確定した。1審は国にそれぞれ1250万円の支払いを命じていた。この日福岡高裁(岩木宰裁判長)であった別の同種訴訟の進行協議で国側が患者側弁護団に明らかにした。
これまでB型肝炎の慢性患者は、最初の発症から賠償請求権が認められる除斥期間(20年)を過ぎて提訴した場合、途中で再発していても賠償は300万円か150万円に減額された。2人は起算点を再発時として1250万円が認められるべきだと提訴し、1審は勝訴したが2審の福岡高裁は敗訴。最高裁は4月、2人の訴えを認めて起算点は再発時と判断し、審理を福岡高裁に差し戻した。
原告の一人、福岡市西区の平野裕之さん(63)は3日、福岡市内で取材に応じ「1987年の発症から30年以上の戦いがやっと終わった。同様に苦しむ方々も同じように救われることを願う」と話した。厚生労働省の担当者は「最高裁判決を受け、迅速な被害救済の観点から1審判決確定が適当と判断した」と話した。
現在、同様に起算点を争う再発患者は全国に約110人いる。【平塚雄太】