ようやく成田に帰国したら「今から仙台へと」…流行国拡大で待機施設が逼迫

新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染が世界各国で広がっている。世界保健機関(WHO)は21日、106か国・地域で見つかったと発表し、日本政府が指定する流行国は52か国・地域に拡大した。日本への入国者は3~10日間、政府が確保した宿泊施設での待機が求められるが、到着便の多い成田、羽田周辺では施設が

逼迫
(ひっぱく) し、入国者を地方に移動させる異例の対応が続いている。
「今から仙台、と聞いて驚いた」。11日、カナダから約18時間かけて成田に帰国した女性(34)は振り返る。
女性は入国時の検査は陰性だったが、日本政府がカナダを流行国に指定しているため、検疫法に基づき、3日間の施設待機が求められる。ところが、成田周辺の待機用の宿泊施設は満室状態で、女性は別の航空機に乗り換え、仙台空港まで運ばれた。
仙台の待機用ホテルに着いたのは、成田到着から8時間後の午後11時。女性は3日目の14日朝の検査で陰性となり、成田に戻った。
施設待機が終わっても、日本への入国者は計14日間は自宅などでの待機が必要だ。女性の場合、残りは11日間。自宅は九州だが、公共交通機関は使えず、「成田からレンタカーで帰るのも難しい」として、女性は東京都内のホテルに自費で待機している。「体力的にも経済的にもきついが、こういう状況なので仕方がない」。自主待機後、航空機で自宅に戻る予定という。
WHOによると、オミクロン株は感染者数が1日半から3日間で倍増しており、感染の広がりはインド由来のデルタ株より「著しく速い」という。日本指定の流行国も、先月26日のアフリカ南部6か国から、約1か月で50以上に増えた。入国後の待機施設の利用者は現在、多い日で約8000人に上る。
厚生労働省は、各地のホテルと交渉するなどして、待機施設数を感染拡大前の約6000室から約1万3000室超に増やした。それでも成田や羽田周辺では施設が足りず、仙台や中部国際、関西、福岡など地方空港の周辺ホテルに入国者を振り分けている。
オミクロン株を巡っては、感染者の濃厚接触者も宿泊施設での待機が求められており、厚労省の担当者は「年末年始で一般のホテル需要も高いとは思うが、水際で封じ込めることが重要。施設の確保に全力を挙げたい」と話している。