オミクロン株〝過去最速〟で感染拡大 東京・大阪・沖縄、あす1500人も 「重点措置」病床逼迫度重視から感染者数重視に逆戻りか

新型コロナウイルスのオミクロン株が「過去最速」で拡大している。東京都や大阪府、沖縄県では8日に新規感染者が1日1500人に達する可能性も指摘され、神奈川県は月内1万人と試算する。政府は7日、沖縄、広島、山口3県への「蔓延(まんえん)防止等重点措置」適用を決めるが、首都圏や関西も対象地域に逆戻りするのか。
厚生労働省の集計では、全国の新規感染者の46%(2日までの1週間の暫定値)をオミクロン株が占めた。専門家組織は「今後、感染拡大が急速に進み、医療提供体制が逼迫(ひっぱく)する可能性に留意する必要がある」と指摘した。
京都大の西浦博教授らのチームは、大阪と沖縄で感染者の累計が2倍になるまで2日未満だったと推計。西浦氏は「これまでで最も速い増加で、即座の対応がないと流行が拡大する危機的な状態だ」と懸念を示した。
国立感染症研究所の鈴木基感染症疫学センター長らは、東京、大阪、沖縄で8日の新規感染者が1500人に達する可能性もあるとし、神奈川県の黒岩祐治知事は、今月末、県内で新規感染者が1日1万人を超えるとの見通しを公表した。
試算通りなら、首都圏や関西圏なども重点措置の対象となる可能性がある。昨年11月、政府分科会は病床の逼迫度を重視する方向に変更したが、結局、感染者数重視に戻ったかのようだ。
ただ、オミクロン株の重症化率はデルタ株より低い。米疾病対策センター(CDC)は、無症状感染者の隔離期間を10日から5日に短縮。英国もジョンソン首相が「ウイルスとの共生」を表明、無症状者への検査基準を緩和している。
元厚労省医系技官の木村盛世氏(感染症疫学)は「人流抑制や自粛要請を2年間続けた効果を検討しないまま同じ対策を繰り返せば、今度こそ飲食店など事業者へのとどめになる。欧州も人流抑制に見切りをつけて経済を回す努力をしており、日本もインフルエンザ同様の指定感染症とするなど方向転換を考えるべきだ」と指摘した。