滋賀・同居男性暴行死「食事1日1回」 元少年の初公判で検察側

滋賀県愛荘町のアパートで同居男性に十分な食事を与えず、暴行して死亡させたなどとして、傷害致死などの罪に問われた同町の元少年(20)の裁判員裁判の初公判が20日、大津地裁(大西直樹裁判長)で開かれた。元少年は「共謀していない」などと起訴内容を否認。弁護側は「暴力はあったが、けがをさせるほどではなかった」として無罪を主張した。
起訴状によると、元少年は母親の無職、小林久美子被告(56)=傷害致死罪などで起訴=と共謀。2019年6月~10月25日、小林被告のアパートで同居していた岡田達也さん(当時25歳)に十分な食事を与えず暴行し、同26日に敗血症性ショックで死亡させたなどとされる。また、17年6月~10月24日、別の同居男性(49)=和歌山県=にも十分な食事を与えず暴行し、脳に後遺症を伴うけがをさせたとされる。県警によると、岡田さんは死亡時、体重が30キロ台だった。
この日は両事件全体の冒頭陳述が行われた。検察側は元少年が小林被告と共謀し、長期間にわたって日常的に暴行を加え、食事を制限するなどの虐待行為を繰り返していたと指摘。食事は1日1回で、ご飯1杯に腐ったみそ汁だったこともあったという。
一方、弁護側は、元少年は小林被告と同居していたものの、一定の距離を置いており、食事制限には関わっていないとした。元少年は岡田さんの兄から現金を脅し取ろうとしたとする恐喝未遂罪でも起訴されているが、「ほう助にとどまる」と主張した。【菅健吾】