厚生労働省の専門部会は20日、中外製薬が開発した関節リウマチなどの治療薬「アクテムラ」(一般名・トシリズマブ)について、主に重症の新型コロナウイルス患者に投与することを了承した。これを受けて厚労省は近く、新型コロナ患者への使用を承認する。
アクテムラは炎症を抑える働きがあり、関節リウマチをはじめとした病気の治療薬として各国で普及している。新型コロナを巡る臨床試験で重症入院患者の死亡率を下げるデータが示されていた。対象は酸素投与を受けている入院患者で、ステロイド系抗炎症薬と併用する。
新型コロナの治療薬として既に欧州や米国などで使われており、世界保健機関(WHO)も推奨。中外製薬が昨年12月に適用拡大を申請していた。国内で使用が認められたコロナ治療薬としては7例目となる。【矢澤秀範】