相手に持たせた期待の重圧で沈没…小泉進次郎氏よ、鳩山由紀夫氏になるな! 八幡和郎氏が緊急寄稿

小泉進次郎環境相は26日まで、閣僚就任後の初外遊として、国連総会に合わせて米ニューヨークを訪問している。第4次安倍再改造内閣の発足から2週間、目玉といわれた進次郎氏をどう評価し、今後何を期待するか。評論家の八幡和郎氏が緊急寄稿した。

進次郎氏が思わぬ逆風にさらされている。結婚発表のサプライズも、意外に冴えない反応しか引き出せなかった。「小泉純一郎のような父親になりたい」では、女性がドン引きになるのも当然だ。
大臣になりたいなら、最初からそう言えばいいのに、上から目線で、安倍晋三首相や、菅義偉官房長官にお願いされたから引き受けてやるという印象だった。これでは、将軍になりたいのに見え透いたふりをして嫌がられた徳川慶喜みたいだ。
環境相は、環境保護を前向きに発信しているだけなら、気楽な閣僚ポストだ。真価を問われるのは、「次善の策」をのんでもらうとか、各国の多様な希望をメンツも立てつつ、最大公約数的なところでまとめる、外交技術の発揮ができるかどうかだ。
東京電力福島第1原発の「処理水」については、多核種除去設備「ALPS(アルプス)」を使って、大半の放射性物質の除去に成功したが、自然界に大量に存在する「トリチウム」については、いい知恵が出ない。
専門家は、世界各国が普通に行っているように、希釈して海に流して何の問題もないとみている。
そこで原田義昭前環境相が退任直前、海洋放出を選択肢の1つに入れるべきだと勇を鼓して説いた。
ところが、進次郎氏は、その男気を無にするようなかたちで、事務方とも慎重なすり合わせもなく漁業関係者に全否定する言質を与えてしまった。先輩に対しても失礼だ。
「政治家・小泉進次郎」には、よいところもたくさんある。
選挙の心配がないからだが、農業や社会保障で前向きの議論を引っ張ってきたし、英会話やスピーチも第一級だ。イケメンの御曹司は聞き上手に徹し、適当に相づちを打っておけば、相手は味方だと思ってくれる。
しかし、近衛文麿、細川護煕、そして誰よりも鳩山由紀夫といった歴代首相は、相手に持たせた期待の重圧で沈没した。
進次郎氏が、有り余る才能をもっと上手に使うこと、上手に切り抜けるのでなく苦労することを嫌がらないこと、悩みを軽薄な言葉で隠すより人前でも話せるようになることを望む。
そのなかで、「常識外の家族関係」で育ったことについても、どう考えているのか、自分が父親になるに際して真情を吐露すべきでないかと思う。それをしないと「人間・小泉進次郎」が見えてこない。