新型コロナウイルスの感染拡大に伴うまん延防止等重点措置の適用が5日、新たに和歌山県で始まった。対象地域は近畿2府2県など全国で35都道府県となった。和歌山県への適用は初めて。感染者急増で和歌山県が堅持してきた「原則全員入院」の継続が困難となり、客足が遠のいている飲食店から切実な声が上がる。
和歌山市の炭火串焼き店「つ串亭」では、感染が急拡大した1月中旬以降、来店客が半減。店長の酒井健弥さん(24)は「今は常連客に支えてもらい、アルバイトのシフトを減らして持ちこたえている状況。適用はよかった」と好意的に受け止める。営業時間短縮に応じた協力金はあるが、午前0時までだった営業時間は午後9時までと大幅な短縮になる。「通常は深夜の来店客も多い。協力金が見合う額かといえば、少ないと思う」と打ち明ける。
一方、市内の別の串焼き店の50代店主は措置に懐疑的だ。「店内で距離の確保はできている。この2年でコロナとの付き合い方が分かってきて、飲む人はどんな時でも飲みに来るし、控える人は感染状況をみて来なくなる。適用する意味があるのか」
同県では、新規感染者400人以上が5日続いた5日時点で、入院できずに自宅や宿泊療養施設のホテルで療養している患者数は4117人となり、確保病床数(620床)を大きく上回っている。1月15日まで100%を維持していた「入院率」は1割を切る状況だ。病床の逼迫(ひっぱく)に対し、県は「原則全員入院」の方針を転換し、基礎疾患など重症化リスクのある患者らを優先的に入院させる「トリアージ」を取り入れている。【山口智、新宮達】