新型コロナウイルスの感染状況を分析する厚生労働省の助言機関は16日、「全国の新規感染者数は減少の動きが見られる」との見解をまとめた。感染者が急増した1月以降で初めて減少傾向に転じた。一方、重症者数や死亡者数の増加は続いており、当面は、多くの地域で医療提供体制の
逼迫
(ひっぱく)が続く可能性があるとした。
助言機関の会合後の記者会見で、座長を務める脇田隆字・国立感染症研究所長は、第6波について「2月上旬に全国の感染者はピークを越えたと考えている」と述べた。
15日までの1週間の新規感染者数は、全国で前週の0・9倍となり、前週比が収束に向かう「1」を切った。先週は1・19倍だった。まん延防止等重点措置が適用されている36都道府県のうち32都道府県で1未満となった。
1人の感染者が何人にうつすかを示す「実効再生産数」でみると、1月31日時点では全国で0・98と1を下回り、減少に転じた。同24日時点は1・07だった。
感染者を年代別にみると、ほぼ全ての年代で減少傾向となったが、80歳代以上のみ微増している。
このため、高齢の患者が増え、重症病床使用率の上昇傾向が続く可能性があると指摘。飲み薬や点滴薬を迅速に投与できる体制の整備や、ワクチンの3回目接種を加速化することが必要だとした。
会合では、新たな変異株「オミクロン株」に対する3回目接種の効果について、国立感染症研究所が、暫定的な分析結果を報告した。2回目接種による発症予防効果は、半年後には53%まで下がるが、3回目接種をすることで、81%に回復するといい、「可能な段階で、3回目接種を検討することが重要」とした。
また、感染急拡大で保健所や検査機関が逼迫し、感染者の実態把握が困難な現状について、助言機関は「効率的な保健所業務の実施が求められる」と指摘した。