政府の有識者会議「新型コロナウイルス感染症対策分科会」の尾身茂会長は2日の衆院厚生労働委員会で、現在の感染状況について「一番の課題は新規感染者数が高止まりしていることだ」との認識を示した。オミクロン株の別系統「BA・2」の国内感染が確認されていることもあり、下落傾向にある感染状況が再び上昇する可能性にも言及した。
尾身氏は「高齢者施設を中心に重症、中等症で亡くなる方もいる。高齢者施設における感染対策を徹底的にやる必要がある」と述べた。尾身氏は、感染が高止まりしている要因として、高齢者らへの新型コロナワクチンの3回目接種が進んでいないことを挙げた。
一方、濃厚接触者の積極的疫学調査については「濃厚接触者を特定して隔離するという方法の効果が以前よりも薄くなっている」と指摘。「(疫学調査を)全てやめるというのではなく、医療現場はしっかりやる」とメリハリのある対応の必要性を訴えた。一般の人は7日間と定められている待機期間の見直しについても「政府ともしっかり協議していく」と述べた。【中川友希】