千葉県君津市にある国道465号の蔵玉(くらだま)隧道(ずいどう)に仮設された工事用の照明が、「遊園地のアトラクションのようだ」とSNS(ネット交流サービス)などで話題になり、見物に訪れる人が相次いでいる。だが、現場は1車線のみの交互通行の上、歩行者や自転車も通行可能なため、思わぬ事故も懸念される。「静かに工事を終わらせて」と工事関係者が気をもんでいる。
工事はトンネルの道路幅を約3倍に広げるため、2020年12月に始まった。21年夏にトンネル内に鉄骨で壁と天井を組んだ169メートルの通路が仮設され、内部照明を設置した。照明は青色の線状LEDで6メートル置きに両壁と天井を囲うように取り付けてあり、進んでいくと暗やみの中で光のゲートを次々にくぐり抜けるように錯覚させる。足元の一部には緑色の路面点滅誘導灯が時速20キロの速さで順に点灯し、暗やみに誘っているようにも見える。
施工した「飛島・伊藤特定建設工事共同企業体」によると、白色照明を所々に取り付けるのが一般的だが、通過車両の壁への接触事故などがないよう鮮やかなLED照明で目立たせたという。
照明が設置されて以降、ドライブレコーダーの映像などがSNSなどに次々とアップされ始めた。「幻想的だ」「異次元ゲート」などと話題になり、撮影や見物に訪れる人が増えているという。一方で、現場が工事中のトンネル内だけに事故の発生も懸念されている。
現場事務所の担当者は「山間地の自然しかないところで急に出くわす電飾に驚くのではないか。決して楽しんでもらうつもりで設置したわけでない」と戸惑っている。県君津土木事務所も「今のところ事故やトラブルはないが安全面から、注目され過ぎるのは困る。静かに工事を終わらせてほしい」と念じている。工事は23年1月までの予定で、照明は22年秋ごろに撤去される見通し。【金沢衛】