遺失届のオンライン申請可能に 交番負担軽減も 警視庁

警視庁は落とし物をした際に届け出る遺失届のオンライン申請を開始した。新型コロナウイルス感染拡大防止や、利便性の向上、交番業務の負担軽減などが狙いで、昨年11月に開設された「警視庁行政手続オンライン」から、パソコンやスマートフォンでの申請が可能になった。警視庁は「ぜひ活用してほしい」と呼びかけている。
なくした物が見つかった際に警視庁から連絡を受けるために、これまではあらかじめ交番や警察署などに直接、遺失届を出す必要があった。
オンライン申請する場合は、メールアドレスなどを入力してサイトの利用者登録を行った後、なくした物の種類や特徴、日時や場所などを入力して送信する。その後担当者が情報を基に届けられている遺失物を検索、似た物があった場合は、遺失物センターと担当の警察署から申請者に連絡が入るという。
引き続き警察署や交番での受け付けも行う。オンライン申請への対応は開庁日のみのため、急を要する場合は従来通り窓口での申請が推奨されるという。遺失物センターの担当者は「急がない場合は、ぜひオンライン申請を活用してほしい」としている。

警視庁遺失物センターのまとめによると、昨年届け出のあった都内の拾得物は前年比0・4%増の約281万7千件で、2年連続で300万件を下回った。拾得物件数は平成24年以降、毎年300万件以上で年々増加し、令和元年には約415万2千件に達したが、2年以降は激減。新型コロナウイルス禍による外出自粛や、訪日外国人の減少などの影響とみられる。
拾得物のうち現金は前年比2・1%増の約33億8千万円、物品は同0・9%減の約302万点。品目別で最も多かったのはクレジットカードや免許証などの「証明書類」で約64万点、次いで定期券などの「有価証券類」で約32万点だった。前年3番目に多かった「衣類履物類」は5番目となった。外出が控えられ、自宅以外で着替える機会が減少したためとみられる。
拾得物件数が減少した半面、昨年の遺失届の件数は拾得件数の約27・5%の約77万3千件にとどまるなど、遺失物が持ち主の元に戻っていない現状がある。同センターは、オンライン申請によって持ち主に戻る遺失物が増えることも期待している。