専門家に聞く「アルゼンチンアリ」の生態 毒針ないが「空港」での影響のおそれを指摘

繁殖力が極めて高く特定外来生物に指定されている「アルゼンチンアリ」が、大阪空港で大量に繁殖していることがわかりました。 アルゼンチンアリは南米原産で、体長2.5mmほどと小さい褐色のアリです。兵庫県伊丹市などによりますと、去年12月に市内の施設で見つかったことから、今年3月29日に隣接する大阪空港の西側の敷地で市が調査を行ったところ、多数のアルゼンチンアリを確認したということです。すでに数年にわたって繁殖していたとみられています。 環境省によりますと、国内の空港でアルゼンチンアリの大量繁殖が確認されたのは初めてだといいます。 一体どんなアリなのか。その生態や影響について昆虫の専門家に詳しく聞きました。 (国立環境研究所生態リスク評価・対策研究室 五箇公一室長) 「(アルゼンチンアリは)貨物にまぎれて世界を転々と移動し続けていて、ヨーロッパや北米など世界中のエリアに分布を広げている。特徴としてはすごく集団で、ものすごく密な行列を作って、気温が高い時期だと歩く速度が普通のアリより倍以上速い」 日本では1993年に広島県廿日市市で初めて確認されていて、これまでに東京や大阪など1都2府9県で定着が確認されているといいます。気になるのは私たちの生活への影響です。外来のアリというと「ヒアリ」を思い出しますが、このアルゼンチンアリは人に直接的な害を及ぼすのでしょうか。 (国立環境研究所生態リスク評価・対策研究室 五箇公一室長) 「アルゼンチンアリに関しては人に直接刺す毒針はもっていないので、その部分でヒアリのような危険性はないです。ただ、人工物、人がつくった建造物のような風雨をしのげる一時的な場所であれば、すぐに隠れて巣を作る習性が強い」 専門家はこうした人工物に「入り込む」性質や「繁殖力の高さ」が空港では大問題になるおそれがあると話します。 (国立環境研究所生態リスク評価・対策研究室 五箇公一室長) 「エレクトロニクス関連の機器の中に、熱もあるし暗くて姿を隠すこともできるので、機器の中に入り込んで配線をショートさせてしまったり、機械自体を壊してしまう。空港ですから、航空管制関連の機器もたくさんあると考えられる。航空管制という非常に重大な安全管理のインシデントにもなりかねない」 大阪空港の運営会社によりますと、機材や運航に影響はなく、引き続き敷地内の調査と駆除作業を行うとしています。繁殖力が極めて高い外来のアリ。空港の安全を守るためにも対策は急務です。