長野県内の市町村が1年間で路上で回収した猫の死体は約3500匹で推移していることが、県が初めて実施した調査でわかった。ほとんどは車などにひかれて死ぬ「ロードキル」と呼ばれるもので、殺処分数の7倍以上に上る。専門家は「野良猫の生息状況を反映している」とし、無駄な餌やりを行わないなどの必要性を指摘している。
県は2020年度、全77市町村に対し、17~19年度に各市町村が管理する道路で回収した猫の死体数を尋ねたところ(回答53市町村)、17年度3588匹、18年度3505匹、19年度3479匹だった。人口が多い市町村で回収数が増える傾向にあり、19年度は松本市544匹、長野市378匹、上田市291匹が上位を占めた。同年度の人口10万人あたりの回収数は183・82匹だった。
県食品・生活衛生課によると、県内12保健所での殺処分数は17、18年度は466匹、19年度は486匹で、ロードキルに比べて7分の1ほど。NPO法人「人と動物の共生センター」(岐阜市)によると、人口が多い市町村では、ゴミや人からの餌付けで餌が確保しやすく、交通量も多いため、死体数が増えるという。
同センターも20年、80の政令市と中核市を調査(回答41市)したところ、19年度に路上で5万3736匹の猫の死体が回収されていた。人口10万人あたり229・4匹で、19年4月時点の国内の総人口で換算すると、推計28万9572匹が死んだという。19年度に全国で殺処分された猫の数(2万7107匹)をはるかに上回る。同センター理事長で獣医師の奥田順之さん(36)は「死体数は野良猫の不妊去勢手術がどの程度、繁殖を抑制できるか判断する指標にもなる」と話す。
県は3月に改定した県動物愛護管理推進計画に調査結果を盛り込んだ。県食品・生活衛生課の高井剛介・課長補佐は「室内飼養の徹底や無駄な餌やりの防止を呼びかけたい」としている。