沖縄県が昨年実施した県民意識調査で、沖縄に基地が集中する現状を「差別的な状況だと思うか」との質問に「差別的だと思う」と答えた人の割合は、30歳代以下では25%程度と、60歳代以上の半分以下にとどまっていることがわかった。1972年に本土復帰して半世紀となり、若い世代ほど現状を受け入れている傾向がみられた。
県は1979年以降、県民の価値観やニーズの変化を県政運営に生かそうと、3~5年ごとに調査を実施している。
沖縄に米軍専用施設の約70%が存在することへの現状認識を尋ねる質問は2012年から行っており、3月に発表した昨年の調査結果では、「差別的だと思う」と答えた人は、60歳代以上が60%程度だったのに対し、30歳代以下は25%程度だった。70歳代以上を除く各年代とも低下傾向にあり、30歳代以下は12年の40%程度から低下している。
早大などが2017年に県民約500人に行った別の調査でも、若い世代ほど基地への反発が薄れていた。調査に参加した和光大の米田幸弘准教授(社会学)は「若者には沖縄戦や米統治下の実体験がなく、安全保障に対する意識や『経済の基地依存』の認識が強い傾向もみられた。基地感情の世代差が広がっている」と指摘している。