北九州市アスベスト訴訟 2580万円支払い命じた高裁判決確定

北九州市立総合体育館(八幡東区)で点検作業などに当たり、肺がんを発症して死亡した男性(当時78歳)の遺族が、アスベスト(石綿)対策を怠ったのが原因だとして市と勤務先のビルメンテナンス会社に損害賠償を求めた訴訟で、市と会社に計2580万円の支払いを命じた福岡高裁判決が12日確定した。市は既に上告断念を発表しており、会社側も上告期限の11日までに上告しなかった。
判決によると、男性は「太平ビルサービス」(東京)の社員として1990年から体育館で設備管理や点検などに従事。2005年に肺がんの手術を受けた後に退職し、13年に死亡した。体育館の建材には複数箇所で石綿が使われていた。
判決は、体育館は男性が働き始めた時点で安全性を欠いており、通常予想される作業過程で粉じんを吸ったのは施設の設置・管理側の責任と認定した。
太平ビルサービスは「早期解決のため上告しないこととした」としている。
15年の提訴から6年半。男性の妻は弁護団を通じて「『お父さん、良かったね』と報告したい。長い裁判だったが、うれしい」とのコメントを出した。【成松秋穂】