「イラクの親戚に送金」にピンと 大分の郵便局、詐欺被害防ぐ

ネット交流サービス(SNS)などを通じて恋愛感情や親近感を抱かせてお金をだまし取る「国際ロマンス詐欺」被害を防いだとして、大分中央署は17日、大分津留郵便局の土屋奈津子さん(37)と後藤有希さん(38)に感謝状を贈った。
同署などによると、4月5日午前10時半ごろ、大分市の60代女性が同局窓口に「イラクの親戚に送金したいので150万円出金したい」と相談に訪れた。後藤さんは女性がスマートフォンの画面を見ながら話しているのを不審に思い、土屋さんに連絡した。
その後、土屋さんがスマホを見せてもらい、女性が面識のない男性に150万円もの大金を振り込むのはおかしいと感じ、警察に連絡するよう伝えた。女性は「知り合いだ」と言い拒んだが、土屋さんが「警察が来ても送金できるから」と説得して同署に通報した。
贈呈式で矢野哲幸署長は「ご本人が納得しない中、説得していただき、勇気ある行動でした」と謝辞を述べた。土屋さんは「普段からお客様の動向をよく見て、詐欺があったら食い止めようと話していたのでうれしく思います」と話し、後藤さんは「お客様の財産をお守りできて、光栄です」と喜んだ。【神山恵】