乙武洋匡氏、今夏参院選に立候補表明 東京選挙区から無所属「私が一番実現したいことは、諦めなくていい社会」

作家の乙武洋匡氏が19日、自身の公式YouTubeチャンネルで今夏の参院選に出馬することを発表した。特定政党には所属せず、無所属で、東京選挙区で挑戦する。
乙武氏は「私が一番実現したいことは、諦めなくていい社会。私は四肢のない身体障害者として生まれてきました。わたしはたまたま両親の子育て、先生の教育、友達の関係性に恵まれてすばらしい人生を歩めています。しかし、普通に考えれば身体障害者としていきていくには不利益が多い」と自身の体験を口にした。その上で「選択肢を増やしていくことで生きづらさを抱える人を解消していきたい。自分で自分の人生を選べるようにしていきたい。それが五体不満足をだしてやりたかったこと」と決意を語った。
また無所属で出馬することについては「私を応援したいと思ってくださっている方がいっぱいいらっしゃって、幅が広い。いわゆる紋切り型の『右』だとか『左』だとか『保守』だとか『リベラル』だとか、そういったラベリングがされている政党という船に乗っていると『本当は乙武さん応援していたのに、その船に乗ったら応援しにくいな』という方がすごく多かった。たしかに既存の船に乗った方が選挙としては有利な戦いができたのかもしれない。でも、この6年応援してくれた方々への感謝を忘れたことがない。だから乙武を応援したいと思ってくれる全員が乗れる船を用意したかった。それには無所属というのがベストだったと判断しました」と説明した。
そして政界挑戦の意図について「これまではメディアでメッセージを発信する、自分のSNSを通じて思いを届けることを続けてきました。24年になります。もちろん、少しずつ意識を変えることが出たかもしれないという自負もあります。でも一方で24年やってきて変わったことは『これくらい』か。じゃああと20年やっても…という成長曲線も見えてきました。このままでいいのかな、同じくこの活動を続けることで自分の考える社会が実現できるのかな、そう考えたときにやはり、一抹の不安。それでは足りないんじゃないか、そんな思いを抱くようになりました。やっぱり誰かが法律を作る、法律を変える、予算を付ける、そういったことをすることで社会を変えていくしかないじゃないか。そしてそれらのことをするには、政治、ここに勝負をかけていくしかないんじゃないか」と語った。
乙武氏に対しては、2016年の参院選で自民党が目玉候補として擁立を検討。障害がありながら精力的に活動する姿が当時の安倍政権の掲げる「1億総活躍」のシンボルになるとして、東京選挙区からの出馬を非公式に打診。乙武氏も前向きに検討したが、自身のスキャンダルから白紙になったいきさつがある。
当時のことについて乙武氏は「本当はこの気持ちを6年前にお伝えさせていただくはずでした。ですが、自分自身の本当に情けない不祥事によって自らその道を閉ざしてしまいました。本当に情けなかったですし、お恥ずかしい気持ちでいっぱいでしたし、身近な人間にも迷惑をかけました」と振り返っていた。
乙武氏は今月16日、義足を装着しての100メートル歩行に挑戦し、117メートル歩き続けることに成功した。
◆乙武 洋匡(おとたけ・ひろただ)1976年4月6日、東京都生まれ。46歳。早大政治経済学部卒。先天性四肢切断の生活体験を大学在学中につづった「五体不満足」(98年)が大ベストセラーに。卒業後はスポーツライターとして活躍。杉並区立杉並第四小学校教諭、東京都教育委員を歴任。地域に根ざした子育てを目指す「まちの保育園」経営に参画。著書に「ただいま、日本」「四肢奮迅」など多数。2000年、都民文化栄誉賞。